こんにちは。産業保健メディア「サンポナビ」編集長の飯塚です。

「働く人の病気に関する記事書いてるんでしょ? この前さ、仕事で腰痛めちゃって……いい先生紹介してくれない?」
「メンタルのことも書いてるんだって? 実はなんか最近、会社に行くのが憂鬱でさ……」

産業保健メディアの編集長をしていると仕事で知り合った編集者や友人から、こんな話を聞くことも少なくありません。同時に、仕事が原因で体調を崩す・身体を痛めることは、「よくあること」なんだなと実感することも増えました。

  • コロナ禍での働き方を専門家はどう見る?

    コロナ禍での働き方を専門家はどう見る?

■「仕事で病気になる」は他人事じゃない

こうした“働く人の健康と安全”に関することを「産業保健」や「労働衛生」と呼びます。そう聞くと少し難しいイメージがありますし、若い方なら「まだまだ健康だし自分には関係ないかな」と思うことでしょう。しかし、働く人の多くは、一日の起きている時間のうち大半を仕事に費やしています。

そして、その毎日の積み重ねが病気やケガの発生と密接に関係していることから、「産業保健」はとっても身近なテーマなのです。

■数々の取材を通じて知った「これから起こること」

2020年のトップニュースは、何と言っても新型コロナウイルスの世界的流行です。それに伴い、われわれの「働き方」には大変革が訪れ、かつてないほどにリモートワークが普及しました。そして、筆者が専門家への取材を通じて知ったこと、それは「こうした変革期には、病気が爆発的に増えるおそれがある」ということでした。

では、具体的にどのような病気が増えるおそれがあるのでしょうか。たとえば、通勤がなくなったこと・生活リズムが崩れたことによる生活習慣病の発症。自宅でのデスクワークによる肩こり・腰痛問題。他にも、テレワークとともに導入された成果主義によるメンタルヘルス不調。そして、メンタルヘルス不調に関するうつ病、アルコール依存症。自宅で働きすぎてしまう過重労働問題 ……など、専門家は数多くの問題の到来を予想していました。

■健康でいるために、自分たちにできることは何かを考えてみる

もう一つ、専門家が共通に発信していたことは、「個人と企業のそれぞれで、健康に関するリテラシーを向上させることの大切さ」でした。そして、働く個人が病気の予防について知ることはもちろん、会社が従業員の健康を守るために行動を起こす。これが「ウィズコロナ」や「アフターコロナ」と呼ばれる社会で生き残るための打開策になるといいます。

冒頭の話に戻りますが「仕事で病気になること」は他人事ではありません。それどころか、新型コロナウイルスの流行と、それによる働き方の大きな変革によって「仕事に関する病気がさらに身近なものになった」と専門家たちは話します。

健康で長く働くために、自分でできるセルフケアを身につけること。そして万が一不調になってしまった場合には、社内の産業医・産業保健スタッフに相談するようにしましょう。