――かつての鈴木さんのように、将来、ラジオの放送作家やスタッフになりたいというリスナーは多いですが、助言するとしたらどんな言葉をかけますか? とにかくラジオだけをやりたいという気持ちはよくわかる反面、今はもっと広く放送作家という仕事を捉えたほうがいいという考え方もあります。

好きなことをやるのがいいと思います。YouTubeが好きだったらYouTubeをやればいいし、ラジオが好きだったらラジオをやればいいという。好きじゃないと続かないと思いますね。僕はラジオが好きだったので、先輩が厳しかろうが、お金がもらえなかろうが続けられました。自分の作ったものが人によって読まれるという興奮も感動もあったし。

――後々広げていくのはあるとしても、最初は好きなところから入ったほうがいいと。

そうですね。ただ、好きなところから入ってそこに立つのはいいんですけど、自分が思っている1000倍ぐらい努力しないと、意外とチャンスは掴めない気がします。

■福田卓也との出会いを回顧「最初の頃は暗かったし…」

――鈴木さんはニッポン放送で『THE 放送サッカーズ』のパーソナリティをやられていましたが、番組内の企画から作家になった福田卓也さんが今は『ANN』を中心に活躍されています。

今はすごい売れているんですよね? 最初の頃は暗かったし、入ってきた時には「高須さんのほうが好き」だとか言いやがって(笑)。しばらくラジオの番組で作家につけたあとに、テレビでも2回ぐらいチャンスをあげたんです。でも、当時は番組の会議で全然しゃべれなくて、そのあとくらいに僕とも離れているんです。ただ、僕も前田(昌平。放送作家)さんに番組を2つしか紹介してもらってないですから。

僕が最初にニッポン放送を紹介して、そのツテから始まって、彼が仕事を増やして生き残っていったことはよかったなと思いますね。僕は感謝してほしいなんて思わないです。今だったら、テレビの会議でのことも後悔しているだろうし、それがあるから、自分でなんとかしなきゃと思っているんじゃないでしょうか。佐久間宣行さんともやっているみたいですね。番組を聴いてたら、僕の話もしてましたし。

――今でも鈴木さんに「作家になりたい」と言ってくる人はいますか?

います。結構DMも来るし。基本的には断ってます。断ってて、それでも半年間毎日来たらなんとかしようと思ってて、それで弟子にした人間はいますよ。

――今後、鈴木さんご自身はラジオとどう関わっていきたいですか?

『JUMP UP MELODIES TOP 20』のようにいろんなことを知れるのは面白いなと思っています。それ以外だと、1回特番でやしろくんと一緒に番組をやった時がすごく面白かったんですよね。彼といると、僕がボケになるんです。向こうがずっとツッコむんで。なんかそういうずっとボケる面倒臭いオジサンみたいのはいいなと思いました(笑)。ああいうオジサンのやりとりみたいのは年齢的にもいいなと単純に感じました。

ラジオだからタレントが油断してしゃべっていることっていっぱいあるんですよ。みんなもっとそれに気付けばいいのにって思います。そういうことには期待しますね。本音をしゃべってなさそうな人がラジオでしゃべったら本当は面白いですから。

  • 佐久間宣行氏

佐久間さんみたいな人のラジオがもっとあったらいいかもしれないですね。たぶん音楽界にもいるはずだし、映画界にもいるはずだし、そういうものが向いている人っているじゃないですか。そういう人たちの発信の場になるのもいいかもしれません。本当に小川さんが言っていた時代になってきているんでしょうね。佐久間さんはとても丁寧に番組をやられているので、頭が下がります。

――素朴な疑問なんですが、ラジオでしゃべるのは楽しいですか?

楽しいですよ。いろんなことが知れますし、そういう場をもらって本当に感謝しています。ラジオの作家もまたやってみたいですけどね。

――仮にどんな人とでもやっていいと言われたら、一緒にやりたい方はいますか?

素人さんです。一般の人の台本を全部僕が書いて、超面白くするっていう(笑)。

■鈴木おさむ
1972年4月25日生まれ。千葉県出身。大学在学中に放送作家デビュー。多数の人気バラエティ番組を担当。近年は『M 愛すべき人がいて』(2020年 テレビ朝日系)、『先生を消す方程式。』( テレビ朝日系にて放送中)などの脚本も務める。SNSにて連載中の16コマ漫画「ティラノ部長」の原作を担当。また、陣(THE RAMPAGE from EXILE TRIBE)とともに、TOKYO FM『JUMP UP MELODIES TOP20 supported by Ginza Sony Park』(毎週金曜 12:00~)のパーソナリティを担当している。

■TOKYO FM『JUMP UP MELODIES TOP20 supported by Ginza Sony Park』(毎週金曜 12:00~14:55)
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