似たようなモノやサービスが溢れている現代。その中から選ばれるためには、「ブランディング」の考え方が不可欠です。そしてそれは、モノやサービスだけに限らず、個人にも同じことが言えるでしょう。

本連載では、ブランディングプロデューサーとして活躍されている後藤勇人さんに、「パーソナルブランディング」についての基本的な考え方を伺います。これからの時代に、あなたが“その他大勢”の中から抜け出し、自分らしく生きていくためのヒントが見つかるかもしれません。

自分の価値を最大化・キャッシュ化する方法とは?

自分の価値は他人が決めるものですから、他人から見て自分がどのように見えるかという視点を持つことは非常に重要です。また、「あの人はなんとなくいい人だ」という明確ではない評価は、ビジネス的にはあまり良い評価とは言えません。

良い評価というのは、「あの人は○○という理由で良い人だ」などのように明確な理由が必要なものです。そのためには、〇〇の部分にあたる自分の価値を“見える化”する必要があります。

そして、見える化するためには、あらゆる場面でその〇〇の部分をアウトプットして、アピールしなければなりません。

会社などの組織では、出過ぎたアピールはマイナスになる可能性もあるので、そのあたりのさじ加減も必要です。しかし、誰にも気付かれずに影でひっそりと得意分野を磨いているだけでは、誰も気付いてはくれません。その状態だと、○○の部分は永久に見える化できません。

自分の価値を見える化するアウトプットに成功すれば、それが自分の評価アップにつながり、プラスαのキャッシュを生み出すきっかけになります。

まずは自分の価値を見つけることから始め、その部分を言語化・文章化してみましょう。そのうえで、他人から見てその価値が魅力的なものに感じてもらえるようにする作業が必要になります。

この作業は、アピールする対象が社内か社外かでやり方も変わってきます。

例えば、プレゼンテーションの得意なAさんがいたとします。
仮にAさんの商談時のプレゼンテーション成功率が75%だとしましょう。この場合は、もちろん社内での評価は高いはずですので、社内における自分の価値の最大化・キャッシュ化の目的は果たしていると言えます。

しかし、これを外部にアピールして販売しようと考えた場合には、「プレゼンテーション成功率75%を誇るプレゼンのスペシャリスト・Aさん」のプレゼンを、商品として店頭に並べなければいけません(※このときに、ターゲット選定やメインコンセプト、キャッチコピー、ビジネスモデルなども必要になりますが、長くなるのでここでは割愛します)。

そのうえで最も適したツールが、外部の人からも検索でアプローチしてもらえる「ブログ」です。

もちろん他にも、SNSなどのアウトプットできる場はたくさんあります。ただし、外部の人から検索で探してもらえて、しかも書いた記事が自分の財産となって、半永久的に顧客から見つけてもらえる可能性を持つと考えた場合、ブログが最適だと言えるでしょう。

他のSNSにもそれぞれ強みはありますが、商品としての自分をネット上で売り出すには最適ではありません。

ツイッターは、瞬間的な拡散効果は高いですが、売り出したいものもすぐにタイムラインを流れていき、過去の産物になってしまいます。

フェイスブックは、商業利用のページ以外の個人ページは、外部からの検索では見つけてもらえません。

メルマガは、一度ファンになった人を囲い込むファンクラブツールや販促ツールとしては有効ですが、同じく外部からの検索では見つけてもらえません。

乱暴な言い方をしてしまえば、外部から見つけてもらえないのであれば、それは存在しないのと同じです。

このような理由から総合的に判断すると、ブログが最適なアウトプットツールだと言えるのです。中でも、「アメーバブログ」や、自分ですべて管理できる「ワードプレス」がオススメです。

もちろん、ブログ以外のSNSも、それぞれの強みを理解したうえで有効に使うことは大事ですし、現に私も使っています。

さて、話を戻します。
このブログを使って、「プレゼンテーション成功確率75%のAさん」の強みになる部分を、記事としてコツコツ書き溜めていきます。すると、プレゼンテーションに悩む人の検索に記事が引っかかり、その方にサービスや商品としてこの強みを提供することができ、キャッシュ化が可能となります。

他にも、プレゼンテーションの記事を特集しようと考えているメディア担当者の目に留まり、記事の執筆依頼が来るといったこともありえるでしょう。

本の執筆でも、同じ流れで依頼が来ることは実際にありますので、さらに自分の価値が最大化され、キャッシュ化につながる可能性が広がります。

以上のことをまとめると、社内で自分の価値を最大化してキャッシュに換える方法は、自分の強みとなる部分をアウトプットして、「○○の得意なAさん」というような位置を確立することとなります。

フリーランスや、副業としての週末起業家などを目指す場合は、自分の商品となる強みの部分を明確に言語化して、ブログで発信していきましょう。そうすれば、やがてお金を払ってでもその商品を欲しいという人の目に留まり、キャッシュ化につながる可能性が出てきます。
どうぞ、チャレンジしてみてください。

■ 筆者プロフィール: 後藤勇人 (ゴトウハヤト)

一般社団法人「日本女性ビジネスブランディング協会」代表理事。
専門学校卒業後、24歳で最初のヘアサロンを開業。32歳までに、ヘアサロン、日焼けサロン、ショットバーなど、グループ4店舗を展開し、年収2,000万円達成。1億円の自社ビルを建設する。
その後、「グレコ」で有名な世界のギターファクトリー「フジゲン」創業者・横内祐一郎氏の総合プロデューサー、元ミスワールド日本代表のビジネスブランディングプロデュースを経て、一個人や会社のブランドをつくるブランディングプロデューサーとして活躍。
著書に『成果を出す人、出せない人との大きな違い その「1分」を変えなさい!』(実業之日本社)、『世界一の会社をつくった男』(中経出版)、『最強の社員マネジメント』(総合法令)など。
オフィシャルブログオンラインサロンメルマガも運営中。