現在、1,500万人以上の会員を持つ「楽天カード」を使っている人は多いと思うが、その利用で貯まる楽天スーパーポイントを使いこなせている人は、どれほどいるだろうか。

楽天スーパーポイントは、楽天グループの各種サービスをはじめ、マクドナルドなど街ナカの加盟店でも利用できるが、楽天Edyや楽天ペイを介することで利用先が大幅に広がることは、あまり知られていない。今回は楽天スーパーポイントの使い道について紹介したいと思う。

  • 意外と知られていない楽天スーパーポイントの使い道

    現在発行されている「楽天カード」には、楽天ポイントカード機能を標準搭載。申込時に希望すれば楽天Edy機能も搭載できる

なお、楽天スーパーポイントは「楽天カード」の利用で貯められるだけでなく、さまざまなカード会社のポイントから交換することもできる。現在「楽天カード」を使っていない人も、ポイントの使い道を広げるうえで参考にしてほしい。

使い道は大きく分けて5つ

楽天スーパーポイントの使い道は、大きく分けて以下の5つになる。

(1) 楽天グループのサービスで使う
(2) 楽天ポイントカード加盟店で使う
(3) 楽天Edyのチャージに使う
(4) 楽天ペイの支払いに充当する
(5) ANAのマイルに交換する

(1)と(2)に関しては知っている人も多いと思うので、紹介は最小限にしておくが、(1)は楽天市場、楽天ブックス、楽天トラベルなどが代表的なサービス。そのなかでも楽天市場で扱われているふるさと納税は、ポイントを使って支払った分も税金控除の対象となり、さらに最低1%のポイントも貯まることが魅力。キャンペーンなどを活用すれば、ポイント還元率はさらにアップする。

また、楽天証券ではポイントで投資信託の購入が可能。運用に成功すれば元手を増やせるうえに、現金化できることがメリットだ。なお、投資信託は100ポイントから購入でき、期間限定ポイントや他のポイントから交換した楽天スーパーポイントは利用できない。

(2)はマクドナルド、ミスタードーナツ、出光、大丸・松坂屋、ビックカメラなどで利用可能。加盟店によっては、ポイントを使って買物をするとボーナスポイントがもらえるなど、キャンペーンが行なわれている場合もある。

  • 楽天ポイントカードが使える主なチェーン店(楽天ポイントカードのHPより転載)

楽天Edyに交換で主要コンビニでも利用可能に

(3)の楽天Edyは、主要なコンビニをはじめ、全国約56万カ所で利用できるプリペイド型電子マネー。楽天スーパーポイントからチャージするには、「楽天Edyの利用で楽天スーパーポイントが貯まる設定」にしていることが必須で、期間限定ポイントや他のポイントから交換した楽天スーパーポイントは利用不可。10ポイント以上1ポイント単位で即時チャージできる。ただし初回チャージ申請から7日間は、1日最大500ポイントまでで、チャージ完了に最大2日かかる。

  • おサイフケータイの楽天Edyアプリ画面。左下に「ポイントチャージ」のメニューがある

なお、ポイントからチャージをすると、2%が上乗せされるキャンペーンが頻繁に開催されており、この場合は500ポイントをチャージすると、Edy10円分が後日プレゼントされる。また、前述の設定をしている楽天Edyは、200円利用につき1ポイントも貯まる(一部店舗および商品を除く)。

楽天ペイなら期間限定ポイントも利用できる

(4)の楽天ペイは、QRコードを使った実店舗でのスマホ決済(アプリ決済)および楽天IDを使ったネットでの決済(オンライン決済)のこと。実店舗はローソン、和民、AOKIなどで、ネットはドミノ・ピザ、TOHOシネマズ、無印良品などで利用可能。店舗でもネットでも、支払い時に楽天スーパーポイントを充当できる。

  • 楽天ペイ(アプリ決済)の支払い画面。支払いに利用するポイントは、1ポイント単位で設定可能

利用できる金額およびポイント数は、支払い方法や楽天会員ランクに応じて上限があるものの、1ポイント単位で設定でき(オンライン決済では50ポイント以上の残高が必要)、期間限定ポイントも利用できる。ポイントを使って支払った場合でも、アプリ決済では200円につき1ポイント、オンライン決済では100円につき1ポイントが貯まる。また、楽天ペイで支払い元として登録したクレジットカードのポイントも貯まるため、「楽天カード」を設定した場合は、さらに100円につき1ポイントも貯まることになる。

ANAのマイルを実質無期限有効で持てる

(5)のANAのマイルには、2ポイント→1マイルのレートで交換可能。申し込みは50ポイント以上、2ポイント単位となり、1回につき1,000ポイント、1カ月につき2万ポイントが交換上限。期間限定ポイントや他のポイントから交換した楽天スーパーポイントは利用できない。申し込みから交換完了までは約1週間となる。

  • ANAマイレージクラブ機能付きの「楽天ANAマイレージクラブカード」も発行されている

ANAのマイルは有効期限が3年(正確には36カ月後の月末)だが、楽天スーパーポイントは最終獲得月から1年(正確には11カ月後の月末)のため、年に一度でも貯めていれば失効する心配はない。つまり、交換上限はあるものの、実質的に有効期限無期限でANAのマイルを持てることになる。

マイルの価値は使い方により大きく異なるため、2ポイント→1マイルという交換レートの受け止め方は人それぞれだが、目標とするマイル数にあと一歩届かないときなどは、楽天スーパーポイントから交換できるようにしておけば、マイルの有効期限が迫っても失効させずに使い切れるだろう。

失効しそうな期間限定ポイントの使い道

前述したように、楽天スーパーポイントの有効期限は実質無期限だが、キャンペーンなどで貯まる期間限定ポイントは、短いものだと2週間程度となる。どうしても使い道がなく、失効してしまいそうな場合は、楽天クラッチ募金に寄付することをオススメしたい。

現在は「平成30年7月西日本豪雨被害支援募金」を受付中。期間限定ポイントも含め、1ポイントから寄付できるので、失効するくらいなら被災地への支援に活用してほしい。

(※クレジットカードの用語などは以下を参照)

『シーンで選ぶクレジットカード活用術 (1) 最低限知っておいてほしい基礎知識』

※本記事で紹介したサービス内容は、消費税率8%を前提とした更新日時点の情報です。ポイント価値は編集部にて算出。利用方法によって上下する場合があります。また、各サービスには一部対象外となるケースがあります。ご利用の際は公式サイトなどで最新の情報をご確認ください。

■ 筆者プロフィール: タナカヒロシ(ライター・編集者)

普段は音楽やエンタメ関係の仕事が多いが、過去に勤めていた会社の都合でクレジットカード本を作ったことをきっかけに、クレジットカード、電子マネー、ポイントなどに詳しくなる。以降、定期的にクレジットカードのムック本を編集・執筆。3月8日発売の『最強クレジットカードガイド2017 本当にトクするカードの選び方・使い方=写真=』(角川SSCムック)では、編集統括および記事の大部分を執筆している。