東京2020はさまざまなスポーツをお子さんとともに楽しめるまたとないチャンスです。そこで、子どもの運動能力向上に詳しいスポーツトレーナー・遠山健太が各競技に精通した専門家とともにナビゲート! 全33競技の特徴や魅力を知って、今から東京2020を楽しみましょう。今回は「テコンドー」! 競技解説は、格闘家を中心とした競技アスリートへの指導にも力を注ぐ、フィジカルトレーナーの戸井田 桂さんです。

  • テコンドーの魅力とは?

テコンドーの特徴

テコンドーは1955年に韓国で生まれた格闘技であり、日本の「松濤館空手」をベースに韓国の伝統的な民族文化である「テッキョン」にも影響を受けたものとされています。競技としては、組手(キョルギ)と型(プムセ)があり、五輪で実施されるのは組手です。

テコンドーの最大の特徴は、「足のボクシング」と形容されるバリエーション豊かな蹴り技の数々。スピーディーかつ華麗な蹴りの応酬は、格闘技でありながら非常に芸術性が高く、観る者に感動を与えます。

五輪競技として正式に採用されたのは2000年のシドニー大会で、男女各4階級。男子は58㎏級、68㎏級、80㎏級、80㎏超級。女子は49㎏級、57㎏級、67㎏級、67㎏超級です。

試合で使用するコートは8角形で、試合時間は2分×3ラウンド(インターバル1分)のトーナメント方式で争われます。勝敗の決定はポイントによる判定かノックアウト(KO)。攻撃可能な部位である頭部にはヘッドギア、胴体にはプロテクターを着用し、頭部へは蹴りのみ、胴体へは突きと蹴りが両方とも認められます。防具には電子センサーが内蔵されており、センサーが有効だと判断した攻撃がポイントとして加算されます。

ポイントは攻撃する部位や攻撃の種類によってさまざまです。胴体への突きは1ポイント、胴体への蹴りは2ポイント、頭部への蹴りは3ポイント、胴体への回転蹴りは4ポイント、頭部への回転蹴りは5ポイントとなります。

反則行為に関しては減点となり、相手に1ポイント加算されます。代表的な反則は、相手をつかんで投げる、倒れた相手への攻撃、頭部への突きによる攻撃などです。減点が10回に達すると失格となり、相手の勝ちとなります。

テコンドーを観戦するときのポイント

先に述べたように、テコンドーの醍醐味はバリエーション豊かな蹴り技です。矢継ぎ早に繰り出されるスピーディーな蹴り技、相手の頭上から振り下ろすような柔軟性豊かな蹴り技、跳び蹴りや上段後ろ回し蹴りなどの豪快な蹴り技など、自分の好みの蹴り技をぜひ見つけてみましょう。

そして、その蹴り技が繰り出される一瞬を見逃さないよう、選手の動きから片時も目を離さないようにしてみてください。ポイントに差がついていても、試合終了までは何が起きるかわかりません。大技が決まっての逆転勝利も十分に起こり得る競技ですので、その緊張感も味わってみてはいかがでしょうか。

東京2020でのチームジャパンの展望

東京2020には、男女各二階級に1名ずつ、計4名の日本人選手が出場します。男子は58㎏級の鈴木セルヒオ選手、68㎏級の鈴木リカルド選手。女子は49㎏級の山田美輸選手、57㎏級の濱田真由選手。

五輪出場の経験があるのは濱田真由選手で、今回で三大会連続の出場となります。今まで五輪でのメダル獲得はありませんが、世界選手権での優勝歴もある経験と実績豊かな選手です。山田美輸選手と鈴木セルヒオ選手は、前回のリオデジャネイロ五輪への出場は逃したものの、2018年のアジア大会ではともに銅メダルを獲得しました。レベルの高いアジア大会での活躍は、今大会にも繋がる大きな自信となっているのではないでしょうか。

鈴木リカルド選手は鈴木セルヒオ選手の実弟であり、大きな身長を生かしたパワーあふれる選手です。兄弟そろって出場する東京2020で、ともに金メダル獲得という快挙を目指します。

過去の五輪で日本人選手がメダルを獲得したのは、2000年に開催されたシドニー大会における岡本依子氏の銅メダルのみ。今回は開催国枠として4名の日本人選手が出場できるということもあり、メダル獲得のチャンスは大いにあります。21年ぶりのメダル獲得への期待とともに、テコンドーにぜひ注目してください。

遠山健太からの運動子育てアドバイス

私が小・中学生時代のほとんどを過ごした台湾では、テコンドーが習い事として人気でした。私の場合、韓国発祥のスポーツというのを知ったのは、大人になってからです。足技がメインとされるテコンドーは、球技以外で「蹴る」動作が含まれている珍しいスポーツですね。格闘技の印象が強いですが、体力づくりのために老若男女問わず始める方も多いようです。蹴る技が多いことから、股関節周りの柔軟性の向上に役立ち、また、蹴る動作は片足立ちになるので体幹周りの強化も期待できます。それに加えて突き技もあり、全身動かすことができるので、お子さんの体づくりにはかなり効果的ではないかと思います。

競技解説:戸井田 桂(といだ かつら)

パーソナルトレーニングスタジオCOPOLU代表として横浜を中心に活動するフィジカルトレーナー。「美しく機能的な身体づくり」をモットーとした指導で、ボディメイクや健康増進目的のクライアントをサポートしている。また、格闘家を中心とした競技アスリートへのフィジカルトレーニング指導にも力を入れており、選手のパフォーマンス向上に貢献している。