海外にいると、日本の姿が違って見えてくる。日本食、カルチャー、トレンド、価値観……世界各地の目線から見える“ニッポンの今”とは? 現地在住ライターが、海外から“逆照射”される日本の面白さをお届けする連載、第19回のテーマは、「オーストラリアでウケる日本土産」。
言葉も文化も違う相手へのプレゼント選びは難しいもの。たとえば日本土産を外国人に渡すとき、「せっかくなら日本らしいものを」と、和菓子を選ぶ人は多いだろう。ところが、筆者の暮らすオーストラリアで喜ばれるのは、意外にも“日本の洋菓子”なのだ。
今回は、オーストラリア人に渡して喜ばれた日本土産と、渡す際に注意したいポイントを紹介する。
■和菓子より人気!? オーストラリアで喜ばれるのは「日本の洋菓子」
「日本土産」と聞くと、和菓子や抹茶スイーツを思い浮かべる人が多いかもしれない。ところが、オーストラリアで特に人気なのは、意外にも日本の洋菓子だ。
理由はシンプル。海外でも親しまれているクッキーやドーナツ、バウムクーヘンといったお菓子なら親しみやすく、日本ならではの繊細な味や品質の高さも伝わりやすいからだ。
実際、訪日中にコンビニのスイーツコーナーで商品をまとめ買いする外国人旅行者の姿を見かけたことがある人も多いだろう。オーストラリアでも「日本のお菓子は甘すぎず上品」「パッケージまで丁寧につくられている」と評判がいい。
シナモンドーナツやジャム入りなど甘みの強いドーナツが多いオーストラリアでは、チョコファッションのような甘さ控えめの日本のドーナツも好評だ。
抹茶味も、10年ほど前までは「見たことのない味」と敬遠されがちだったが、今では日本らしさを感じられるフレーバーとして人気の一つになっている。
また、日本の洋菓子は「シンプルなお菓子でもクオリティが高い」と評判だ。無印良品の塩チョコスティックパイなども、派手さはなくとも素材の風味や甘さのバランスが評価されている。
■クルミッ子や無印バウムも人気、ただし“中身が見えない”点に注意
コンビニやスーパーで買える手軽なお菓子だけでなく、「クルミッ子」やバウムクーヘンといった少し高級感のある洋菓子も、オーストラリア人へのお土産として喜ばれる。
日本のお菓子は「甘すぎず、味が繊細」と評判がよく、ドイツ系オーストラリア人から「こんなおいしいバウムクーヘンは初めて食べた」と感激されたこともある。
ただし、日本人には気づきにくい注意点もある。それは、パッケージを見ただけでは中身や原材料が伝わりにくい商品が多いこと。
たとえば「クルミッ子」は、日本人にはおなじみでも、「KURUMI」の意味を知らないオーストラリア人には、どんなお菓子なのか想像しにくい。個包装で配る場合も含め、渡す際には「くるみとキャラメルを使った焼き菓子」など、中身を簡単に説明したメモを添えると安心だ。
商品そのもののおいしさだけでなく、どんな材料を使ったお菓子なのかが伝われば、より手に取ってもらいやすくなる。ちなみにコンビニスイーツに関しては、包装が簡素で中身が見えるものが多いため、その心配は少ないだろう。
■和菓子なら「せんべい」が安心
「せっかくなら日本らしい和菓子を贈りたい」という人もいるだろう。もちろん和菓子も人気だが、選ぶ際のポイントは洋菓子と同じ。「何のお菓子なのか」がひと目で伝わるものを選ぶことだ。
大福や練り切りなどの生菓子は、もちもちとした食感や見た目の美しさが好評な一方で、初めて見る人には原材料や味が想像しづらいこともある。
その点、せんべいはオーストラリアでも「ライスクラッカー」として親しまれているため、抵抗なく手に取ってもらいやすい。日本らしさも感じられ、初めて和菓子を贈る相手にもおすすめだ。
一方で、パッケージのイラストだけでは誤解を招くこともある。たとえば黒ごまあん入りの菓子は、写真だけを見て「チョコレート入り」と思われることも。珍しい素材を使った和菓子は、ひと言説明を添えて渡すと、より安心して楽しんでもらえるだろう。
■お酒ならジャパニーズウイスキー
お酒を贈るなら日本酒も定番だが、オーストラリアで特に人気が高いのはジャパニーズウイスキーだ。
近年は世界的な評価の高まりもあり、オーストラリアでも「一度飲んでみたい」という人が多い。日本らしさを感じられるうえ、現地では手に入りにくい銘柄もあるため、お土産として喜ばれやすい。
一方、日本酒は味わいの違いを説明するのが難しく、飲み慣れていない人にはハードルが高いこともある。相手がお酒好きなら、日本酒よりもジャパニーズウイスキーのほうが選びやすく、満足度も高いだろう。
日本らしさだけでなく、相手が普段から親しんでいる味や文化に近いものを選ぶこと。それが、オーストラリアで喜ばれる日本土産選びのコツと言えそうだ。








