男子よ、彼女の友達をdisるな!!

大事な人に大事な人をdisられるのはつらい

もしも恋人に自分の大事な友達をdisられたら……。悲しいに決まってますよね。大事な人に大事な人をdisられるわけですから、複雑な気分になるのは当然です。

しかし、世の中にはなぜか恋人の友達をdisる(＝悪く言う)彼氏というのが存在するようです。男友達だろうと、女友達だろうと、お構いなし。しかもその友達に面と向かって何かを言うわけではなく、「あの友達ってどうなの?」的なことを彼女に対してねちねち言う模様。イヤですねえ、そんな彼氏。

恋人の友達なんだから、基本的には大事にしても良さそうなものなのに……彼氏たちはなぜ、彼女の大事な友達をdisってしまうのでしょうか?

例えば知人のアケミさんは、学生時代につき合っていた彼氏から友達を盛大にdisられた経験があるとか。事の顛末はこうでした。

・アケミさんが通っていた大学に彼氏が遊びに来る
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・サークル仲間を紹介しようと、彼氏を部室に招く
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・なぜか彼氏はのっけから不機嫌
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・一応紹介したものの、ろくに交流もせず彼氏は帰る
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・その夜、「ああいう仲間とつき合うのはどうかと思う」と彼氏に説教を食らう

大事な親友や普段からお世話になっている先輩たちのことを訳もわからず悪く言われてしまったアケミさんは、とても悲しい気持ちになったそうです。

友達をdisってしまったある男の弁明

そのねちねちdisった彼氏とは、桃山商事の佐藤広報です。なぜそんなことを言ったのか、ここで佐藤広報の弁明に耳を傾けてみましょう。

「まず始めに、反省と謝罪の意を表明させてください。大変申し訳ありませんでした! その上で弁明させていただきますと……当時はただイライラするばかりで、自分でもなぜそんなことをしたのかわからなかったんですよ。

でも、今なら何となく言語化できるような気がします。彼女の友達をdisってしまった一番の要因は"嫉妬"と"恐怖"でした。何というか、もう男女が入り乱れる大所帯サークルってだけでリア充爆発しろなんですが、そこにいた男子たちは私の彼女のことを名前で呼び捨てにしていたんですよ。女子も女子で、何か私のことを見てクスクス笑っているような気がして、一刻も早くその場から立ち去りたくなったわけです」

確かに、これだけ聞くとなかなかキツい状況のようにも思えます。苛立つ気持ちもわからなくはありませんが……これはあくまで佐藤広報から見えた景色。実態はおそらく違ったのでは?

「そりゃそうですよね。単に彼氏を紹介するってだけの話なんですから。メンバーのみなさんも和気藹々とした雰囲気で迎えようとしてくれたんだと思います。しかし、男子たちには『彼女を寝取られるんじゃないか』という嫉妬を感じたし、女子たちには値踏みされているような恐怖を覚えました。

それで彼女に対し、『人の彼氏を軽く扱うようなヤツらは人間としてどうかと思う。ああいう仲間とつき合っていると君自身にも悪影響があると思うな』と正論ぶった説教をかましてしまいました。これ、今思うと本当に最悪ですよね……」

いかがでしょうか。これは佐藤広報の個人的な事例に過ぎませんが、ここには彼女の友達をdisってしまう彼氏のメンタリティの一端が垣間見えます。

男子は"弱い自分"を認めることが苦手

彼氏たちは多分、ちょっと自分に自信がないのだと思います。それゆえ、恋人の友達が怖く映るのでしょう。人は怖いことに対し、否定や逃避、抵抗や攻撃、黙殺や戦慄といった態度で対峙しようとします。その結果、彼らは恋人の友達をdisってしまうのではないか。

自分以外の男はすべて敵、彼女の恋愛遍歴を知っている友達は邪魔者、自分のいないところで楽しそうにしている彼女を知りたくない、彼氏として値踏みされることに耐えられない、自分の知らない彼女の顔を見るのが怖い……。

男子たちの中には、おそらくこういった気持ちがごちゃ混ぜになっているはずです。しかし問題なのは、彼らがそれを自覚していない点です。男子たちはそういう“弱い自分”を認めることがとても苦手なのです。

だから、佐藤広報のように被害者意識を持ってしまう。被害者意識を持つということは、すなわち「加害者を攻撃しても構わない」という権利を手にすることと同義です。ゆえに友達をdisり、彼女に正論めいた説教をかましてしまうのでしょう。

でもそれは、嫉妬や恐怖の裏返しに過ぎませんよね。自分で処理できないネガティブなエネルギーを、他人をdisることによって発散しようというのは、極めて幼稚でダサい行為だと思います。……なんて偉そうに他人事かましておりますが、私自身もかつて恋人の友達をねちねちdisったことがございます／(^o^)＼

好きな人の文句を言われたら悲しいに決まってるし、好きな人同士はなるべく仲良くして欲しいと願うもの。もしも原因が先のようなものだとしたら、disって自分がスッキリした分だけ彼女がどんよりしているということになります。つまりこれは負の感情の押しつけであり、そんなことをしてはダメ、ゼッタイなのです!

思わず彼女の友達をdisりたくなってしまったら、それは自分の中に何らかのモヤモヤが生じているというサインです。ねちねちdisるよりも、自分の感情をクールに見つめ、上手に処理できる男の方がイケているはず。そんな感じでひとつよろしくお願いいたします！

今回のマナーポスター「彼女の友達をdisるな!!」

今回のまとめ

・友達をdisられたらとても悲しい

・被害者意識は加害者を攻撃してもいい権利

・disる＝負の感情の押しつけに過ぎない

<著者プロフィール>
清田隆之／桃山商事
1980年、東京生まれ。失恋ホスト、恋のお悩み相談、恋愛コラムの執筆など、何でも手がける恋愛の総合商社「桃山商事」代表。男女のすれ違いを考える恋バナポッドキャスト『二軍ラジオ』も更新中。「日経ウーマンオンライン」や「messy」でコラムを連載中。著書に『二軍男子が恋バナはじめました。』(原書房)がある。
Twitter @momoyama_radio

タイトルイラスト: 清田隆之