今年春から日本テレビで放送されるシチュエーション・コメディドラマ『遊戯(ゲーム)みたいにいかない。』。全く売れない時代遅れの漫画家とその周りの人々の日常を、お笑いトリオ・東京03、三代目 J SOUL BROTHERSの山下健二郎、女優の山本舞香の出演で描くもので、前作はドラマも舞台も大人気となった。

この脚本・監督を務めるのは、放送作家のオークラ氏。個性的なキャラクターたちが織りなす笑いのシーンの連続だが、その裏にあるテーマとは――。

  • 『遊戯みたいにいかない。』脚本・監督のオークラ氏

    『遊戯みたいにいかない。』脚本・監督のオークラ氏

■“王道”が逆に新しく見えた

――久々の撮影はいかがですか?

どういう感じで撮ってたんだっけ?って忘れてたんですけど、2回くらいやって思い出しました。それと、「こんなやり方があるんだ」って新しいことも思いついたりして、楽しいです。演者さんが慣れてきて、だんだんグチっぽくなってきていますが(笑)、なかなかチーム感がよくなってきたと思いますね。

――続編が決まったのを聞いた際の心境はいかがでしたか?

決まった瞬間は、うれしかったです。一方で、小さな空間でどれだけ話を作れるんだろう…っていう思いもあったんですけど、まだまだ可能性はあると感じています。舞台のほうはビビってますけど(笑)

――舞台はチケットが即完になるなど、人気を集める作品ですが、その理由はどう見ていますか?

最近の舞台って“2.5次元”とかが人気ですが、このメンバーで一幕モノのストレートプレーをガッツリやるっていうのは、すごくチームワークが良くなったからできるんだと思うんです。そういう“王道”が、逆に新しく見えたんだと思うんですよね。個人的には王道が一番好きなので、それがすごく良かったなと思うんですけど、やっぱりまたあの台本を書くんだと思うと、しびれます(笑)。自分で言うのもアレですが、前回は面白かったと思うので、そのプレッシャーがありますね。

――周囲の反響はいかがですか?

僕、バラエティ番組をいっぱいやってるんですけど、他の作品に対しては「オークラさん、あれやってますよね」って言われるんですけど、今回は逆に、一切誰も何も言わないんですよ(笑)。今まで何をやっても感想を言ってくれた人たちが一切言わなくなるっていうのは、たぶん悔しがってるんだと思って、成功なんじゃないかな(笑)。でも、良いウワサは結構耳に入ってきます。小池栄子さんも「面白い」って言ってくれました。

  • (左から)豊本明長、山下健二郎、角田晃広、山本舞香、飯塚悟志

■山下健二郎は不良じゃない

――このドラマ第2弾で、新たに挑戦していることはありますか?

まず、ゲストが増えてるんですよ(千葉雄大、飯豊まりえ、堀未央奈、島崎遥香、山崎樹範)。オファーしたら参加してくれるという人が増えたのが大きいんですけど、それはこの空間に魅力を感じくれているんじゃないかなと思うんですよね。あと最近、パワハラとか、大人の世代と若い世代の軋轢(あつれき)といった世代間の事件がすごく多いじゃないですか。このドラマは「ほとんどの大人は…」っていうテーマでやってるので、そういう問題が世の中にいっぱいあるんだっていうのを、もう少しコメディの中で描いていきたいなと思います。芸人だけじゃなく、役者さんにも出ていただいているので、ただ単にバカやってるだけじゃないっていう感じを出したいです。

――その芸人さんだけではないという部分を構成する1人が山下健二郎さんですが、山下さんの笑いのセンスというのはいかがですか?

自分が携わるすべてのものに対してすごく紳士的で、「好青年ってこういうことなんだな」と思いますよね。三代目 J SOUL BROTHERSは不良じゃないんだってことが分かりました(笑)

山下:いえいえ、私生活はド不良です。

飯塚:なんで無理したの? どう見られたいんだよ(笑)

でも、本当にそういう紳士的なところは見習わなきゃいけないと思います。僕らの世代ってすぐ斜に構えたり、ちょっと違うなって思ったら「本気じゃないし…」って言っちゃったりしてきた良くない世代なので。だから、彼がまぶしいです。

――冒頭で、「新しいことも思いついた」とおっしゃっていましたが、具体的にはどんな点ですか?

今回はセットがまず違うんですよ。横だけじゃなくて、縦の動きも入るようになっているので、本番中は上から俯瞰(ふかん)で芝居を見てるんです。他にも、演出面でより厚みをもたせようと、以前使っていたパネルをもっと面白く使えるんじゃないかと工夫をしていますね。

――いろいろお話を聞かせていただき、ありがとうございました。最後に、オークラさんにとって、『漫画みたいにいかない。』というシリーズはどんな存在でしょうか?

その年その年で自分の中でやりたい方向性というのがあるんですが、今はこれがズッポシ真ん中にあるものですね。


『遊戯みたいにいかない。』には、千葉雄大、飯豊まりえ、堀未央奈(乃木坂46)、18年4月に上演された舞台版にも出演した島崎遥香、山崎樹範がゲスト出演する。

舞台版第2弾は『漫画みたいにいかない。第2巻』と題し、東京公演(かつしかシンフォニーヒルズ)が2月19日~22日に7公演、神戸公演(神戸国際会館)が3月8日~9日に3公演を実施。チケット料金は、S席:9,400円、A席:8,200円(全席指定、税込)。未就学児の入場は不可。また、神戸公演大千秋楽(3月9日)のライブビューイングも、北は北海道から南は沖縄までの全国の映画館で実施。こちらのチケット料金は、3,800円(全席指定・税込)。

マイナビニュースの連載「ほとんどの大人の金曜日は、漫画みたいにいかない。」では、ドラマ『遊戯みたいにいかない。』や、舞台『漫画みたいにいかない。第2巻』の最新情報を、キャスト・スタッフインタビュー、撮影現場・稽古場レポートなども交えながら、金曜日にお伝えしていく。