「家事も育児も家計も全部ワリカン! 」バツイチ同士の事実再婚を選んだマンガ家・水谷さるころが、共働き家庭で家事・育児・仕事を円満にまわすためのさまざまな独自ルールを紹介します。第73回のテーマは「お口で言わなきゃわからないでしょ」です。
何度も言ってますが、我が家には「察してチャン禁止」というルールがあります。「なんでわからないの」とか「普通わかるでしょ」とかは禁句です。「言わないとわからない」ので、相手と自分のために「伝える」ことを日々心がけています。
そして、なんでも先回りして「察してしまう」のもダメです。連載第65回「『察してチャン』がダメなわけ」でも書いてますが、基本的に子どもに対して私がやりがちです。子どもがこれを「言わなくてもわかってくれる」ことを成功体験として「言わなくてもわかってくれるのが愛情」だと思ってしまうと、大人になってから苦労すると思うからです。
というわけで、我が家は察する思いやりも大事だけど、相手に伝えることも同じくらい大事という方針です。
そして、先日私が息子に怒られました。すみません……!!! 5歳児に……怒られてしまった……。
これは「家族の決まり」を作ることの良い面だと思います。なぜなら「ちゃんとなんでも言葉にしよう」とルールを提示した本人がやらかすことは、よくあることだからです。連載第26回「ルールを決めてケンカを回避」でも書きましたが、ルールを設定した本人が守れないこともあります。それでも「こういうときはこうする」と決めておくと、ケンカや揉めごとの解決が早くできると思っています。
家庭の中に「上下」関係を作り、誰かが上から下に指導するのではなくて、ルールを決めたら全員がそれを守る。そうすると「お母さんがいつもこう言ってるのにお母さんはこれをやってなかった」と指摘されることもあります。大人だって失敗するし、完璧じゃない。なので、相手が5歳児でも指摘が正しければ、親でも素直に「ごめん、うっかりしてました」と謝ります。
我が家はパートナーも私も「理が正しいことが大事」という価値観です。ここのすり合わせができているので、うまくいっていることが多いなあと思います。子どもから親への指摘でも、正しければ謝罪する。そういう関係のほうが、信頼関係を築けると思うし、ストレスが少ないので、我が家ではこうしています。
これ以外でも我が家では息子に「言葉にして伝える」ことの大事さを伝えていて、息子には行動や決まりの理由について説明をします。たとえば「夜に寝る1時間前になったら、タブレットとテレビはおしまい」という決まりについては「なぜなら、光る画面を見ているとなかなか眠れなくなってしまうから」と説明し、その時間になったら一緒に本を読んだりします(なのであやとりなどで、寝るギリギリ前まで遊んでいてもOKです)。
私は「子どもだからわからない」とは思っていなくて、子どもだって説明されたほうがいいだろうと思っています。なので、全て説明するようにしているのですが……。たまに難しいことを言ってるらしく、パートナーには「相手は大人じゃないんだから、なんでも言えばいいわけじゃない」と言われてしまいます……。
でも、相手がどこまで何を理解しているかって、実はそれって大人でも子どもでも同じなんじゃないかな……なんて私は思っています。
そんなわけで、散々「伝える」ことをしているせいか、息子も成長につれ、ちゃんと言葉で伝えてくれるようになっています。このマンガのエピソードのときも「なぜ自分が付いて来ちゃったか」について説明してくれて、ああ、私がちゃんとこれから何をするか言わなかったから……! と反省しました。
やっぱり子どもから「伝える」ことをしてもらうと、ああ、そうかと納得できることが多いです。言葉にされずに「怒る」とか「泣く」とかだけだったら、こちらが「こうだったのかもしれない」と気持ちや行動について推測し、察してあげるわけですが、それよりも本人の気持ちを教えてもらえるほうがお互いの理解が深まります。理解が深まると、言葉で言えなかったケースがあったとしても、推測の精度があがると思うんですよね。
ちなみに最近はこのケース以外でも、徐々に息子から怒られる、説明されるケースが増えています。えーと、自分がそういう方針で育ててるから成果が出てるとも言えますが、この先どうなるのかしら……あっという間に色々追い越されて「もっとしっかりして」と怒られるような気がしています……。
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