「家事も育児も家計も全部ワリカン! 」バツイチ同士の事実再婚を選んだマンガ家・水谷さるころが、共働き家庭で家事・育児・仕事を円満にまわすためのさまざまな独自ルールを紹介します。第71回のテーマは「些細なイライラは根本から修正しよう」です。

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このマンガ、ここだけ読むと「普段から話し合いをして、不満を解消してくとイライラしなくていいですよ」という、マンガですよね、このパートナーも冷静にお互いの行動について理解しているな……と思いますよね。

はい、ここで、連載第6回「夫婦間の不満は『借金』」を思い出してみましょう……! ほんの2、3年前まで我が家は「不満の借金」を溜め込んでいたんですね……! 夫はキレキレおじさんで些細なことでキレちらかし、それでいて「いつもオレは被害者……」みたいなタイプでした。が!!!

徹底的に「不満」を借金とせず、日々話し合いによる「清算」を行った結果、現在、コップをシンクに入れっぱなしにしても、イラっともされず穏やかな生活をしているんですね……! このことに気が付いて、やっぱりイライラは根本から修正していかないと解決できないんじゃないかなと思いました。

根本とは何かというと、我が家の場合はパートナーが「自分は被害者意識が強く、人のせいにしがち」「他人に過度な期待をしていて、裏切られると腹を立ててしまう」という思考の癖を自覚したことが大きいと思います。

自分の思考がそうなっていて、人とトラブルを起こしがちであるということに気が付いてから「じゃあ、どうしたらイライラしないで暮らせるのか」と向き合った結果、本当にキレなくなったし、イライラしなくなったんですね。

「使いっぱなしのコップをシンクに置きっぱなしにしておく」こと自体は「靴下をひっくり返して洗濯カゴに入れる」こと同様、人によってはイラつく事象だと思います。しかし、我が家でこの2つが今「イラつく」事象になっていないのは、お互いが「それを相手に期待していない」からだと思います。

「靴下」の話は第55回「自分とパートナーの境界線」でも描いたのですが、洗濯担当の私は、相手が靴下をひっくり返したまま洗濯カゴに入れても気になりません。詳しくは以前のコラムで書きましたが、簡単にいうと「靴下をひっくり返して入れる行為」を受け入れてるんですね。「そういうもんなんだ」と認識している。

パートナーは、何かとイラつく自分と違う考え方の私を比較して「いちいちイライラする必要ないんじゃない?」と私の考えのほうにシフトチェンジしてくれました。その結果が、「使いっぱなしのコップをシンクに置きっぱなし」にされても「後でオレがまとめて洗えばいいや」という考えになった、ということなんだと思います。

我が家の場合はそういう問題解決でしたが、「家事分担のバランスが悪く、片方が常に不満を持っている」とか、話し合いができてない、共有意識が持ててないなど「イラつく」出来事は、「シンクにコップが置いてある」とか「靴下がひっくり返ってる」とかの「事象」そのものではなく、家庭内の構造や夫婦のバランス自体に問題があるのだと思います。

もちろん「事象」を細かく解決していくのは大事です。「シンクにコップ置きっぱなし」がイヤだと相手に伝えて、それをしなくなったら、やっぱり嬉しいですよね。でも、それってシンクにコップが置きっぱなしじゃなくなったから嬉しいんじゃなくて、相手が話を聞いてくれて、自分の不満を解消してくれたから嬉しいんだと思います。

大体の場合、「問題」を解決するには、まず「原因」から。

信頼関係が失われて、不満がいっぱいの場合は、問題がどんどん増えてしまいます。以前の我が家は「さるころが食事前に箸を持ってきてくれない」とかでパートナーがキレてたわけですが、「食事前に箸を持ってきてくれない」ということ自体は、実は「問題」じゃないんですよね。なぜそれが「問題になるのか」ということを解決しなければならない。

「使ったコップをシンクに置きっぱなしにされるとイラつく」のはなぜか。

必ずしも「使ったらしまうのが当たり前なのに、やらないから怒っている」わけじゃないのだと思います(ルール化されているのにやらないなどの場合は、そのものが原因のときもありますが)。「人の家事に対して感謝やリスペクトが感じられない」とか、「相手に何かを期待していて、それが裏切られるから傷ついてしまう」とか、影に原因が隠れている可能性があります。しかも、それは人によって違うものなので、ちゃんと自分で考えないとわからなかったりするんですよね。

日々、我が家では「自分の基準」を考えて、お互いのすり合わせを怠らないようにしています。その結果、今は家の中の「イライラ」が解消しているのだと思います。

って、ここまで書いてハッピーエンドならいいのですが、減ったとはいえ……いまだケンカしてるのです……!!!!

いつになったら、真のニコニコハッピーファミリーになれるんでしょう……。頑張ります……。

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著者プロフィール:水谷さるころ

女子美術短期大学卒業。イラストレーター・マンガ家・グラフィックデザイナー。
1999年「コミック・キュー」にてマンガ家デビュー。2008年に旅チャンネルの番組『行くぞ! 30日間世界一周』に出演、のちにその道中の顛末が『30日間世界一周! (イースト・プレス)』としてマンガ化(全3巻)される。2006年初婚・2009年離婚・2012年再婚(事実婚)。アラサーの10年を描いた『結婚さえできればいいと思っていたけど』(幻冬舎)を出版。その後2014年に出産し、現在は一児の母。産前産後の夫婦関係を描いた『目指せ! ツーオペ育児 ふたりで親になるわけで』(新潮社)、『どんどん仲良くなる夫婦は、家事をうまく分担している。』(幻冬舎)が近著にある。趣味の空手は弐段の腕前。