「家事も育児も家計も全部ワリカン! 」バツイチ同士の事実再婚を選んだマンガ家・水谷さるころが、共働き家庭で家事・育児・仕事を円満にまわすためのさまざまな独自ルールを紹介します。第67回のテーマは「口出しする愛しない愛」です。

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占いは好きですか? 私はわりと好きです。

とはいえ、アラサーの人生に迷いまくってる時期によく行きましたが、最近はとんとごぶさたです。友達に誘われて行くとか、旅行先の台湾で占いするとか、そういうことはありますが、先日、結構久しぶりに占いに行きました。

最初、私が友達に誘われて行って、結構面白いことを言われたので、「面白かった」とパートナーに伝えたところ、「オレも行きたい」と言うので、一緒に行きました。パートナーは仕事のことを聞いたら、占いというか、7割くらい「コンサル」で、まっとうな意見を言われてました(笑)。そこで印象に残ったのが「私がパートナーにアドバイスしたほうがいい」ということでした。

私は全くパートナーのことに口出ししません。意図的にしてません。これは、初婚の失敗によるところが大きいです。なぜなら「パートナーだから」と相手の人生について心配し始めると、だんだん「これはやったの?」「どうしてこれをやらないの?」「なんでやらなくても平気なの?」みたいな心理になってくるからです。

仕事のキャリアについては、自分は人から口出しされるのはすごくイヤなのに、私は勝手にパートナーの心配をしちゃったりするタイプでした。自分はキャリアを考えて行動しているのに、相手が何もしてないのを見ると「この人は私に人生お任せする気、満々なのでは」と思って、不安で不安でしょうがなかったのです。

だけど、それって相手を「信頼できなかった」っていうことなんですよね。相手を心配しているようで、自分の不安を押し付けているだけともいえます。なので「そういうことは二度としない」と離婚後の人生の反省会のときに決めました。

相手がどんな仕事をしようが、相手に任せる。相手の判断でお金がなくなったり、困ったりしたときに「助けたい」と思ったり、助けられるだけの力が自分にあれば、すればいい。相手を助けるのが「義務」だと思うから、不安になるのであって、相手が自分でなんとかできる、と信じる。または、見通しもなく行動して勝手にのたれ死にたいなら、それすら尊重する。「相手が失敗したら、私が助けなきゃいけない」と思い込まない、と思うようにしました。

連載第2回の「私は私、あなたはあなた」でも書いたのですが、これはこれで、私にとっては大事な考え方でした。

自分の人生のことは自分で決める。相手の人生のことは、相手が決める。これが基本ルールです。

というわけで、結婚7年、現在8年目なんですが、今までパートナーの「仕事」について、一切口出ししてませんでした。まあ、相手もフリーランスですし、自分の仕事のことは自分で考えるでしょと思ってますし、仕事に関してはそんなに心配してません。弱気になってるときに「弱気になってんじゃないよ」と励ましの喝を入れるくらいでした。

でも、「人生をよりよくしていきたい」という気持ちでアドバイスをもらいに占いに行ったら「妻が夫にアドバイスしたほうがいいです」と言われ、「え! ? そうなの!? でも、考えてみたら、そういうのもアリなのかな……!?」みたいになりました。

まあ、確かに仕事について細かく「こうしたら、よりよいものができるのでは?」みたいなこと、結構あったんですよね……。私はグラフィックデザインが基本のイラスト、マンガ業で、パートナーは映像業ですが、デザイン的なこととか、そういえば……アドバイスできた……。というわけで、思ってたことを言ったり、それをよりよくするための手段を教えたりしてみました。……そしてやってみたら「別に、これくらいなら全然やったほうがよかった……!」ということに気が付いたのです。

それに、そもそもアドバイスは命令じゃない。ただのご意見なので、聞くかどうかは聞いた本人次第です。だから、それも「相手はちゃんと判断するだろう」という信頼があれば大丈夫なのです。

というわけで、最近は気になったことは言うようにしています。でも、これって一緒に生活する時間が長くなって、「これくらいは言っても、相手との境界線が曖昧になったりしない」という実績と自信ができたからなのかもしれない、と思いました。時間が積み重ねる信頼と実績というのは、夫婦にもあるんじゃないかなと思いました。それが「油断」や気の緩みにならないようにしなければならないんですが……。

カウンセリングのハードルが高い日本では、占いがその代わりをしていると前から思ってるのですが、夫婦で占いに行くのもアリなのかもと思いました。ただし、話をしてくれる人との相性とか、抱える問題の深刻さとかで話は変わってきますが……。

我が家は、たまたま話の流れで夫婦で占いに行ったのですが、夫婦カウンセリングを受けてるみたいでよかったです。夫婦カウンセリングに行くのって、すごくハードルが高いと思うし、そもそもドコに行けばいいの? って感じでしたが、興味本位で(深刻な悩みがない状態で)「夫婦で人にアドバイスを受けに行く」という経験は、やってよかったなと思いました。これからはパートナーに対してイイ感じの距離感で「アドバイス」する練習もしていけたらいいなと思います。

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著者プロフィール:水谷さるころ

女子美術短期大学卒業。イラストレーター・マンガ家・グラフィックデザイナー。
1999年「コミック・キュー」にてマンガ家デビュー。2008年に旅チャンネルの番組『行くぞ! 30日間世界一周』に出演、のちにその道中の顛末が『30日間世界一周! (イースト・プレス)』としてマンガ化(全3巻)される。2006年初婚・2009年離婚・2012年再婚(事実婚)。アラサーの10年を描いた『結婚さえできればいいと思っていたけど』(幻冬舎)を出版。その後2014年に出産し、現在は一児の母。産前産後の夫婦関係を描いた『目指せ! ツーオペ育児 ふたりで親になるわけで』(新潮社)、『どんどん仲良くなる夫婦は、家事をうまく分担している。』(幻冬舎)が近著にある。趣味の空手は弐段の腕前。