「家事も育児も家計も全部ワリカン! 」バツイチ同士の事実再婚を選んだマンガ家・水谷さるころが、共働き家庭で家事・育児・仕事を円満にまわすためのさまざまな独自ルールを紹介します。第159回のテーマは「習い事に効果はある? 」です。

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息子は3歳のときから英会話を習っています。第138回「強制せずに習い事を続けるには? 」でも書いたのですが、教育熱心なわけでも意識が高いわけでもなく……。息子が3歳のころ、なんでもかんでも「英語ではなんて言うの? 」という、恐怖の英語ブームが起こりました。簡単な単語なら答えられますが、結構難しいことを聞かれ「そもそも英語圏の幼児語がわからない……」と困り果て、ネイティブの英語の先生に家庭教師に来てもらうことにしたのです。

第105回「子どもの『やりたい』を潰さないのが親の役目」でも書いたように、我が家は強制はしない主義です。

息子は3歳から週に1回だけ1時間のレッスンを受けていますが、3歳児のレッスンは基本的に「英語で遊んでもらう」感じで、簡単な単語を覚えるという程度でした。こちらも子どもに対して、「これくらいのレベルになりたい」みたいな要望がないので、先生に何をリクエストするでもなくゆるゆると続けること3年。

海外旅行に行って、簡単な英語で現地の人に話しかけられても「Hello」も返せない。相手の言ってることが理解できても、どうも恥ずかしくて話せない様子。週に1回くらいレッスンじゃ、とくに効果ないのかなあ。これって意味あるのかなあ……と思っていたのです。

ですが小学生になり、ネイティブの先生による「外国語」という授業が始まりました。今は小学1年生から英語の授業があるんですね。小学校の個人面談で、担任の先生に「とても上手に自己紹介をしていましたよ」と言われました。

えー、いつのまに!? 恥ずかしくて話せないとばかり思っていたのに……! しかも、ちゃんと発音もしていたらしく、クラスメイトがその後、息子の真似をしてみんな自己紹介をしたとのこと。あ~もしかして、「自分よりもうまい人(親など)がいないと、恥ずかしくないからやるの!? 」と思いました。

しかも、その後どうも「自分はどうやら英語がわかるほう」と思い自信をつけたのか、街中で外国の人に英語で話しかけられたときも、受け答えができるようになったのです。

ちなみに、息子は話すよりも「読む」ほうが好きで、読むのはかなりできます。コロナ禍でリモートレッスンになってから、デバイスを介しての会話のやりとりが子どもには難しいらしく、集中力が続きません。なので、サポートとしてテキストを使ってくれるようになりました。それにより「読む」ほうは理解が進んだようです。

すると、だんだんと「これは中学英語では……? 」というようなレベルのレッスンも交じるようになってきたました。その時も「これって今、数回やって理解できたりするのかなあ? 」と思ったのですが、そのうち学校で出てきたときに「あー、これ知ってる」と思うことが大事なのかもしれない……。と思うようになりました。

私は中学生のときに初めて授業で英語に触れたのですが、本当に「よくわからない」という苦手意識を持ってしまいました。学生時代の英語は壊滅的だったのですが、大人になって旅行などで実際に「使う」ときに改めて復習したら、学生のときよりも頭に入ってきたんですよね。

それは「全く知らない」ことから「大体は知ってるがよくわからない」ものを勉強したからだと思っています。「知識」ってちょっと知ってるだけで、抵抗感がぐっと下がるんですよね。

なので、今息子がなんとなくゆる~く英語を学んでいて、今すぐモノにならなくても、実際に学校の勉強で出会ったときに「ああ、これなんか知ってる」と抵抗なく、苦手意識を持たずに学習できるのかも……と思いました。

ネイティブの先生と週に1回、実際に話している経験も小学校では役に立っていました。「これってやったことある」とか「これって知ってる」とかって、大事だなと実感しました。

息子は英語以外にピアノも習っていますが、ピアニストにするような熱意があるわけじゃないので、練習もゆるゆるです。すごく上手というわけでもありません。でもこれももしかしたら、将来なにか別の楽器をやりたいと思ったときの土台になるのかもしれない。

幼少期の習い事は、すぐに成果が出なくてもいいのかもしれないですね。私自身は親に「自分がやりたいって言って始めたんでしょう」と、ピアノの練習を強制させられてピアノが嫌いになってしまった経験があります。

子どもの頃の習い事は、子どもの能力を「耕している」くらいの感じでいいのかも。土壌が豊かなら、いつかきっとのびのびと「自分の好奇心」で成長してくれると信じて、親はすぐに「成果」を求めず見守ることも大事なのかも、と今後も我が家はゆるゆるとやっていく予定です。

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著者プロフィール:水谷さるころ

女子美術短期大学卒業。イラストレーター・マンガ家・グラフィックデザイナー。
1999年「コミック・キュー」にてマンガ家デビュー。2008年に旅チャンネルの番組『行くぞ! 30日間世界一周』に出演、のちにその道中の顛末が『30日間世界一周! (イースト・プレス)』としてマンガ化(全3巻)される。2006年初婚・2009年離婚・2012年再婚(事実婚)。アラサーの10年を描いた『結婚さえできればいいと思っていたけど』(幻冬舎)を出版。その後2014年に出産し、現在は一児の母。産前産後の夫婦関係を描いた『目指せ! ツーオペ育児 ふたりで親になるわけで』(新潮社)、『どんどん仲良くなる夫婦は、家事をうまく分担している。』(幻冬舎)が近著にある。趣味の空手は弐段の腕前。