病院で働く人たちの毎日は、患者さんには見えない“事情”と“本音”でいっぱい。予約の時間、紹介状の必要性、救急外来の待ち時間……「どうして?」と思われがちな場面の裏側を、受付・看護師・技師などさまざまな医療従事者の視点で描くオムニバス連載。ちょっと笑えて、少しだけ病院の見え方が変わる“医療現場の裏側”をお届けします。
解説
「次回の検査は絶食が必要なので、朝ごはんは食べないで来てくださいね」
そう説明したところ、「わかりました! 朝はパンを食べてきます!」
冗談みたいな話ですが、医療現場では、たまに本当にこういうことがあります。
「絶食」という言葉を聞いて、「食事を軽めにすればいいのかな?」と思ってしまう方もいるようです。しかし、検査によっては「食べないこと」そのものが検査の条件になっています。
たとえば、食事をすると血糖値や中性脂肪などの血液データが変化したり、胆のうが収縮したりします。また、検査内容によっては胃の中に食べ物が残っていることで、画像が見えにくくなることもあります。
つまり、「ちょっとくらいなら大丈夫だろう」と朝食を食べてしまうと、検査結果に影響したり、正確な検査ができなくなったりする可能性があります。場合によっては、検査を延期して後日やり直すことになることもあります。
「朝ごはんは食べないでください」と言われたら、「パンなら大丈夫」ではありません。
検査前の食事については、医師や医療スタッフから説明された内容をきちんと守ってください。わからないことがあれば、自己判断せずに「水は飲んでいい?」「薬はどうする?」など、事前に医療機関へ確認しましょう。
医療者からの「○○しないで来てください」には、ちゃんと理由があります。「食べないで」と言われたら、本当に食べない。これだけは、ぜひ覚えておいてください。
