病院で働く人たちの毎日は、患者さんには見えない“事情”と“本音”でいっぱい。予約の時間、紹介状の必要性、救急外来の待ち時間……「どうして?」と思われがちな場面の裏側を、受付・看護師・技師などさまざまな医療従事者の視点で描くオムニバス連載。ちょっと笑えて、少しだけ病院の見え方が変わる“医療現場の裏側”をお届けします。
解説
診察では、患者さんから症状やこれまでの病気、薬のことなどをお聞きします。最近では、診察の前に生成AIに自分の症状について相談して、そのやりとりを持ってきてくれる患者さんもいます。
すごい時代になりましたね……
実はこれ、診察の準備としては結構いい使い方だと思います。診察室では限られた時間の中で話すため、「そういえば、あの症状もあった……」「薬の名前なんだっけ?」「何日前からだったかな?」と、話し忘れてしまうことがあります。
また、頭の中で整理できていないまま話し始めると、どうしても要点が分かりにくくなってしまいます。
そんなとき、事前に生成AIに症状や経過を話してみる。それだけでも、自分の症状を整理するきっかけになります。ただし、生成AIの回答をすべて正しいと思ってはいけません。
生成AIは非常に便利ですが、診察や検査をしているわけではありません。「AIがこう言っていたから、この病気だと思います」ではなく、「AIに相談したら、こんなことを言われました」くらいの感覚で持ってきてもらえると助かります。
そして何より、診察では医師の話もしっかり聞いてください。AIの回答と医師の見立てが違うこともあります。そんなときこそ、「AIではこう言われたんですが、先生はどう思いますか?」と聞いてもらえれば、診察の中で一緒に確認できます。
ちなみに、AIとの長いやりとりをそのまま持ってきていただくより、最後に「今までのやりとりを要約して」とAIにお願いして、その要約を持ってきてもらえると、医師としてはかなり助かります。生成AIを「診断してくれる先生」として使うのではなく、自分の症状を整理して、医師に伝えるための道具として上手に使ってみてください。
