東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスターの鈴木ともみ氏が、月曜~金曜(休日は除く)の東京株式市場を振り返って解説します。

株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスターの鈴木ともみ氏((C) サコカメラ)


経済キャスターの鈴木ともみです。東京株式市場の今週一週間の相場動向についてお伝えします。日経平均株価の今週末(終値)は前週末比-189円70銭となりました。

今週の高値は9月25日(金)の1万7880円51銭、一方、安値は25日(金)の1万7483円69銭。高安の値幅は396円82銭でした。今週は2日間のみの取引となりました。大型連休明けの東京市場は独フォルクスワーゲンの不正問題や、中国の景気減速懸念など、外部環境の悪化を受け、軟調なスタートとなったものの、週末の日経平均株価は大幅反発し、高値引けとなっています。

では、具体的にこの一週間を振り返ってみましょう。

9月24日(木)の東京株式市場は続落しました。連休中の海外市場では、米利上げが先送りされた不透明感からNY市場でダウ工業株30種平均株価が大幅安となるなか、独VW(フォルクスワーゲン)の排ガス規制に関する不正問題に加え、23日に中国で発表された財新9月製造業PMI(購買担当者景気指数)が6年半ぶりの低水準となり、悪材料が相次ぎました。外部環境の悪化を受け、東京市場も朝方から大幅安となり、売りが広がりました。自動車関連や中国関連銘柄を中心に全面安の展開となり、9月中間期末の配当取りを狙った買いも下支えにはなりませんでした。大引け間際にまとまった売りも出て、日経平均株価、TOPIX、JPX日経インデックス400のいずれも安値引けとなっています。TOPIX業種別騰落率は、小売の1業種のみが上昇。一方、機械、非鉄、鉄鋼、電機、ガラス・土石、金属など32業種が下落。日経平均株価、TOPIXともに続落となっています。

25日(金)の東京株式市場は反発しました。前日に米建設機械大手のキャタピラーが2015年12月期の売上高見通しを下方修正したことから、世界の景気後退懸念が高まり、米国市場は大幅に下落しました。ただ、東京市場は買い先行で始まり、序盤の日経平均株価はしばらくプラス圏で推移しました。その後、上海総合株価指数が下落して始まると、日経平均株価も下げに転じ、一時は1万7483円となる場面もありました。後場に入ってから、安倍首長と黒田日銀総裁が会談中との報道が伝わると、金融緩和への思惑が広がり、日経平均株価は今一度プラス圏に浮上し、上げ幅を広げました。さらに、大引けにかけて一段高となり、結局、日経平均株価は1万7880円51銭(+308円)、高値引けとなっています。TOPIX業種別指数は不動産、電気・ガス、食料品、銀行、保険、建設、水産など全33業種が上昇。日経平均株価、TOPIXともに3日ぶりの反発となっています。

来週の予定です。9月28日(月)には、7月分の景気動向指数の改定値が発表となります。29日(火)には8月分の自動車各社の生産・販売実績が発表されます。9月30日(水)には8月分の鉱工業生産指数の速報値が発表され、東芝が臨時の株主総会を開催します。10月1日(木)には、9月の日銀短観(日銀企業短期経済観測調査)、9月分と4月~9月分の新車販売台数が発表となります。また、中国では国家統計局から9月分の製造業、非製造業PMIが発表され、米国では9月分のISM製造業景況感指数が発表となります。10月2日(金)には国内で、8月分の家計調査、完全失業率、有効求人倍率の他、9月分のユニクロ売上高が発表されます。米国では9月分の雇用統計が発表となります。いずれもぜひチェックしておきたいところです。

執筆者プロフィール : 鈴木 ともみ(すずき ともみ)

経済キャスター・ファィナンシャルプランナー・DC(確定拠出年金)プランナー。著書『デフレ脳からインフレ脳へ』(集英社刊)。東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスター。中央大学経済学部国際経済学科を卒業後、現・ラジオNIKKEIに入社。経済番組ディレクター(民間放送連盟賞受賞番組を担当)、記者を務めた他、映画情報番組のディレクター、パーソナリティを担当、その後経済キャスターとして独立。企業経営者、マーケット関係者、ハリウッドスターを始め映画俳優、監督などへの取材は2,000人を超える。現在、テレビやラジオへの出演、雑誌やWebサイトでの連載執筆の他、大学や日本FP協会認定講座にてゲストスピーカー・講師を務める。