こんにちは! パーソナルトレーナーの片岡です。今回はダイエットのためのトレーニングをさらに効率よく進める「スミスマシン」の活用法について解説していきます。

スミスマシンとは

スミスマシンとは、ウェイトトレーニングのマシンの一種です。バーベルやダンベルを使うフリーウェイトトレーニング、トレーニングしたい筋肉に合わせて負荷を合わせられるマシントレーニング、スミスマシンはその中間ぐらいにあるマシンです。

特徴として、フリーウエイトトレーニング種目の多くを、スミスマシンのレールで軌道が確保された状態で実施することができます。このため、初心者には動作に安心感があり取り組みやすく、フリーウェイトでベンチプレスやスクワットを始める前の導入種目として有効です。中~上級者にとっても軌道の不安定さを気にする必要がないため、バーベルよりも高負荷でトレーニングを実施できるというメリットも。

その反面、動作のブレを自身で制御する必要がないため、正しく体幹が使えないフォームになってしまうこともあります。軌道が完全に固定されているため、最初のセッティング位置・フォームがずれていると軌道のズレがすべて関節に痛みとして返ってきてしまうので、事前のフォームチェックは必須です。

24時間ジムや総合型のフィットネスクラブには必ずと言っていいほど用意されているマシンです。初心者向けのジムでは、スクワットやベンチプレスができるパワーラックは置かずに、スミスマシンで代用しているケースもあります。

前述したように、最大のメリットはあらゆる基本種目をスミスマシン単体で行えること。実際に僕がトレーナーになる前にジムに通っていたときは、スミスマシンで行うベンチプレスをひたすらやり込んで今の体型の基礎を作ってきました。また僕がトレーナーとして指導をする際にも、通常のバーベルで行うスクワットを習得しづらい方も、スミスマシンで行うことでスムーズにできる方も多くいらっしゃいます。

スミスマシンのダイエットプログラム例

実際に行うことができる種目です。

【上半身】

・ベンチプレス(胸)
・インクラインプレス(胸)
・デクラインプレス(胸)
・ベントオーバーロウ(背中)
・デッドリフト(背中)
・ショルダープレス(肩)
・ナローベンチプレス(腕)
・アップライトロウ(肩)
・シュラッグ(肩)

【下半身】

・スクワット(太もも・お尻)
・ハックスクワット(太もも・お尻)
・ランジ(太もも・お尻)
・ヒップスラスト(お尻)
・カーフレイズ(ふくらはぎ)

上記の通り、体型の大部分を鍛えることができます。よって筋肉量も増えやすく、基礎代謝向上につながります。プッシュ系(押す)の種目だけでなく、プル系(引く)の種目も可能なので、あらゆる感覚を用いてトレーニングパフォーマンスも向上できます。

スミスマシンを活用しつつ、僕がオススメしたいダイエット向けメニューは、以下の通りです。

・スミスマシンインクラインプレス(胸の上部)
・ダンベルフライ(胸)
・スミスマシンベントオーバーロウ(背中)
・ラットプルダウン(背中)
・スミスマシンハックスクワット(太もも・お尻)
・ブルガリアンスクワット(太もも・お尻)

スミスマシンとダンベル、マシン種目を組みあわせた例です。このようなメニュー構成だと、短期間でのボディメイク効果も大いに望めます。

スミスマシンだけでも全身鍛えられますが、あくまでもそれに頼りきらず、身体にあらゆる刺激を与えること。マシンだけではなく、ダンベルやバーベルの不安定さも組み合わせて身体にどんどんストレスを与えましょう。

スミスマシンで効果的に鍛えるには

スミスマシンを使ううえで見てほしいポイントをご説明します。

実際のマシンは、メーカーによって形はさまざまです。バーの太さや、全体のサイズ感、重さの感覚なども違ってきます。ただ、それよりも見るべきポイントは、バーの軌道です。特に24時間ジムにあるスミスマシンの多くは、バーを動かすレールが垂直ではなく斜めになっています。それにより、「どちら向きにやればいいのだろう……」などとベンチに寝る位置に迷われる方も多いと思います。

最初は何も考えずに行いフォームの習得を目指してもいいかもしれませんが、慣れてきたらもう一歩進んでみましょう。例えばベンチプレス。バーベルで行う場合は自分で軌道をコントロールさせるので気にせずとも、スミスマシンで行う場合は、マシンの軌道に身体の向きを合わせていく必要があります。

理想はバーを下ろした際に胸がしっかりストレッチする位置です。上から見た際、脇の角度が80度くらいの位置が目安となります。バーを降ろす際に肩が痛いと思ったら、そのように調整してみましょう。

それ以外の種目、特にスクワットなどの立位種目の場合は鏡の方向に身体を正面に向けがちです。鏡が見えるからよいというわけではなく、身体にかかる負荷や体のベクトルに合わせての微調整が必須です。まずはいろいろと試してみて、感覚の違いを実感してみてください!

今回はダイエットに効果的なスミスマシンについて解説しました。身体に新鮮な刺激を与えるためにも、いろいろなトレーニング法を習得しましょう!

スミスマシンで効果的に鍛えるには

スミスマシンを活用して逞しい下半身を目指すにはこの種目。「ハックスクワット」のトレーニング法をお伝えします。この種目は大腿四頭筋・大臀筋を集中的に鍛えていきます。

(1)バーを肩の上に担ぎ、バーの真下に足の位置を置く。そこから2足分前に。

  • バーを肩の上に担ぎ、バーの真下に足の位置を置く

(2)両膝の角度が90度になるようお尻を沈めていく。膝がつま先より前に出ないようにする。

  • 両膝の角度が90度になるようお尻を沈めていく。膝がつま先より前に出ないようにする

(3立ち上がる際は膝が伸びきらないよう注意。腰も丸まらないようにする。

各10回3セットが目標です。

あなたのダイエットのきっかけとなれば幸いです。