「いい人」をやめられない。嫌われたくなくて本音が言えない。SNSを見て嫉妬してしまう自分がイヤ――そんなモヤモヤした気持ちをノートに書き出し、自分の本音と向き合う「デトックス・ジャーナリング」が注目されています。
『感情を手放してラクになる デトックス・ジャーナリング』(日本文芸社)から、一部を再編集してお届けします。
心の「本音」と「防衛反応」
私たちの感情は、出来事に対して直感的に感じる「一次感情」と、それに反応して表れる「二次感情」の二層構造になっています。
一次感情(本音)とは、悲しみ、寂しさ、不安など、傷つきやすい本音の感情です。一方、二次感情(反応)とは、怒りや焦燥感(焦り)のように、その繊細な一次感情を守るための「防衛反応」として表れる激しい感情です。
表面に出る激しい怒りや、じっとしていられないほどの焦燥感は、実は心がこれ以上傷つかないようにする防衛手段にすぎません。その根っこには、必ずトラウマとなって固まっている心の痛み(一次感情)が隠れています。外に出る「怒り」の奥には「もっとわかってほしかった」という悲しみが、内に秘める「不安」の奥には「独りになるのが怖い」という寂しさや無力感が潜んでいるのです。
ですから、表面的な感情に振り回されず、「その奥にある本当の気持ちは何だろう?」と問いかけることが大切です。「怒りの下で、本当は何に悲しんでいるのだろう?」「不安の奥で、本当は何を怖がっているのだろう?」と自分自身に問いかけてみましょう。それが、あなたをしばっている枠を解き放ち、鏡の中の世界を変えていくカギとなります。
嫉妬の奥には本当の感情が潜んでいる
私たちの心を激しく揺さぶる「嫉妬」も、大切な本音を隠している二次感情のひとつです。誰かをうらやましく思ったり、相手の成功を素直に喜べなかったりするとき、そのトゲトゲとした感情の奥には、「本当は自分もあんなふうになりたい」という純粋な憧れや、「自分は不十分だ」という無価値感、「置いていかれるのが悲しい」という孤独感などの一次感情が潜んでいます。
嫉妬というベールを1枚はがしてみれば、そこにはあなたが本当に求めているもの(本音)が、確かに潜んでいます。 相手に対して「ずるい」と感じる部分は、あなたが「本当は自分に許可してあげたいこと」であり、あなたが「自分の人生に足りない」と切望していることなのです。
嫉妬の気持ちがわいてきたら、「私は、あの人の何に反応しているのだろう?」「私が本当に手に入れたい感情は何だろう?」と、その奥に潜む一次感情を見つめてみましょう。
ドロドロとした嫉妬を、自分の本当の願い(本音)を見つけるための原動力へと変換していくこと。それもまた、自分らしく生きるための大切なプロセスなのです。
『感情を手放してラクになる デトックス・ジャーナリング』(日本文芸社)
著者:長沼睦雄(十勝むつみのクリニック院長)
精神科医として多くの悩みに向き合ってきた著者が、「いい人をやめられない」「SNSで他人と比べてしまう」「理由もなく疲れてしまう」といった現代人の生きづらさを解説。話題の「ジャーナリング」を通じて、自分の本音を見つけ、心のモヤモヤを手放す方法を紹介します。
怒りや不安との付き合い方、自分軸の育て方、生成AIを活用した新しいジャーナリング術まで収録。毎日を少しラクにしたい人におすすめの一冊です。

