私はかれこれ20年近く、家計のやりくりの取材をしてきました。その中には、貯蓄が1,000万円以上ある人も、少なくありませんでした。その人たちが、とりわけ収入が多いというわけではありません。年収300万円台(手取り)というケースもたくさんありました。

また、お金を使わないケチケチ生活をして、ギスギス暮らしているわけでもありません。要するに、お金のやりくりが上手なのです。ということは、そのやりくりの仕方をまねすれば、誰でも1,000万円貯めることが可能というわけです。是非今日からまねしてみてください。

とにかく1カ月はつけてみよう 

今年の目標は何ですか? 年の初めに「今年こそはお金を貯めるぞ!」「目指せ1,000万円貯蓄!」と決意した人もいるのではないでしょうか? そして、そのなかには、お金を貯めるために「今年こそ家計簿をつけよう」と思った人もいるはずです。

さて、新しい年がスタートして約2カ月。家計簿はどうなっていますか? 「今年もやっぱり三日坊主だった」とがっかりすることはありません。3日分だけでは役に立ちませんが、1カ月だけでもつければ、1,000万円貯蓄のはじめの一歩になり得ます。家計簿はずっとつけ続けるものと考えるから、ハードルが高くなるのです。「1カ月でいい」と思えば、やる気が出てきませんか?

  • とにかく1カ月だけでも家計簿をつけてみよう(※画像はイメージ)

レシートをもらって出費内容をノートにつける

お金を貯める第一歩は、出費を管理することにあります。自分が何にいくら使っているかを把握するということです。そこで、1カ月分だけ次の手順で出費を管理してみましょう。

(1)レシートをもらう

必ずレシートをもらいます。自動販売機などレシートが出ない買い物は、できるだけしないようにしましょう。

(2)出費内容を確認する

現金で支払った出費をレシートを見ながら、以下の項目に分け、ノートに金額を記入していきます。

■確認する出費項目
(a)おうちごはん用の食材費
(b)ランチ代やカフェ代
(c)時間がない、あるいは面倒で夕食を作らなかったときの外食、弁当、総菜代
(d)友人との交際を兼ねた外食代
(e)日用品費
(f)洋服代やおしゃれ費
(g)医療費(コンタクト代を含む)
(h)交通費
(i)その他の出費

趣味費、ペット費、家飲み用酒代……など、ほかにも現金での支払いが、ちょいちょいある出費は項目立てして、金額を把握します。毎日、ノートに記入するのが理想ですが、面倒なら週1ペースでもよし。記入したら、各項目の1週間の合計額を算出します。

(3)これを1カ月続ける

(2)を1カ月、つまり4週間続けます。さらに、各項目の1週間分の合計額を足して、1カ月の合計額を算出。自分が何にいくら使っているかを確認します。

(4)自分のお金の使い方のクセを知る

今までなんとなくお金がなくなっていたのが、何にいくら使っているかが把握できただけでも大きな進歩です。

「コーヒーやジュースをちょこちょこ買う」「週末は昼、夜とも外食している」「大きな買い物はしていないけど、1,000円以下の出費が多い」など、自分のお金の使い方のクセがわかるはずです。

削れる出費を見つけ出す

ここまでは現状把握ですが、お金を貯めるには、さらに一歩を踏み出す必要があります。削れる出費を見つけ出すのです。

「週末は土日とも外出するのではなく、どちらか1日にしよう」
「雑貨をちょこちょこ買っているので、月3,000円までと予算を決めよう」
「コンビニでお菓子やアイスを買うことが多いから、コンビニに寄るのは週2回に減らそう」

など、減らせる出費と、減らすためにすることを決めます。そして、減らした分は貯蓄にまわします。

来月1カ月、ぜひトライしてみてください。

※画像は本文とは関係ありません

村越克子

村越克子

フリーランスライター。学習院大学文学部心理学科卒業。編集会社を経て、フリーに。主婦を読者対象とした生活情報誌を中心に執筆。家計のやりくりに奮闘する全国の主婦を取材し、節約に関する記事を数多く手がける。執筆協力に『綱渡り生活から抜けられない人のための絶対! 貯める方法』永岡書店など。