私はかれこれ20年近く、家計のやりくりの取材をしてきました。その中には、貯蓄が1,000万円以上ある人も、少なくありませんでした。その人たちが、とりわけ収入が多いというわけではありません。年収300万円台(手取り)というケースもたくさんありました。

また、お金を使わないケチケチ生活をして、ギスギス暮らしているわけでもありません。要するに、お金のやりくりが上手なのです。ということは、そのやりくりの仕方をまねすれば、誰でも1,000万円貯めることが可能というわけです。是非今日からまねしてみてください。

投資信託とは、金融商品の"詰め合わせセット"

世間では、「NISA」がどうのとか、「『つみたてNISA』とどっちがおトクか?」などと言われていますが、この話題についていける人は、どうぞ、この回は読み飛ばしてください。

私は一般家庭のお金のやりくりについては、これまで20年以上、取材をさせていただいていますが、FPの資格を持っているわけでも、お金の専門家でもありません。

ですから、今回のテーマは、そんな私が理解している「投資信託」とは何ぞや? ということです。ザックリとこんな風に理解すると、投資信託に関心が持てるかも……という内容です。

  • 世界一わかりやすい「投資信託」の解説(画像はイメージ)

投資信託とは、私流に解釈すると、金融商品の"詰め合わせセット"ということになります。金融商品とは証券会社や銀行が扱っているもので、実に様々な種類がありますが、投資に関して、ザックリ知っておいた方がいいのは、「株」と「債券」です。

「債券」とは国や地方自治体、会社が発行する"借用証書"のようなもの

「債券」も株と同じように、お金を集めるために発行されるものですが、株と大きく違う点は、「償還日」=お金を返しますと約束した日がきたら、全額戻ってくることです。また、定期的に決まった利息を受け取ることもできます。債券の代表的なものが「国債」で、国の借金というわけです。

投資信託では集めたお金を株や債券などに投資する

購入する株や債券を自分で個別に決めてもいいですが、「どれを買ったらいいのかわからない」という人が多いもの。○○会社の株と○○会社の債券……とあれこれ組み合わせて買うことのできる人は、極めてまれです。

そこで、便利なのが投資信託。投資信託は、それ自体が金融商品(主に株と債券)の詰め合わせセットなのです。

投資信託のいいところ

投資信託とは、金融商品の"詰め合わせセット"と書きましたが、これが投資信託の強みでもあります。

株の場合は、自分が買った株が値下がりすると、損失に直結しますが、投資信託はいろいろな金融商品の詰め合わせセットなので、1つが値下がりしても、ほかのものが値上がりしていれば、損失分をカバーすることができます。

投資の世界では、このことを「卵を1つのカゴに入れるな」という例えで表現します。つまり、卵を1つのカゴに入れると、カゴを落としたら全部割れてしまいますが、複数のカゴに分散して持ち運べば、1つを落としたとしても、割れてしまうのは、そのカゴに入れた卵だけ。

損するリスクを小さくするには、投資先を"分散"することが大事ということで、投信信託は、それ自体が分散投資している金融商品なのです。

投資信託の選び方

ひと言に投資信託と言っても、商品の数は数千もあり、どれを選んでいいのか……となりますが、投資信託初心者さんは、そんなに迷う必要はありません。

目安は、日本の株、外国の株、日本の債券、外国の債券の詰め合わせセット。「バランス型投資信託」と呼ばれるものです。これなら、日本株が下がっても、外国株が値上がりしていればカバーできますし、株安のときは、債券を買う人が増えるので、債券が値上がりするので、全体としてはトントンということになります。

手数料をチェックする

投資信託の購入時に、証券会社などに「販売手数料」を払う必要のある投資信託もありますが、どの販売会社から買うか、どの投資信託を買うかによって異なります。「ノーロード」と呼ばれる、販売手数料なしの投資信託もあります。

「信託報酬」という投資信託を保有している期間中、ずっと払う手数料もあります。販売手数料は、購入時に1回払うだけですが、信託報酬はずっと払うことになるので、かなり重要。信託報酬がコスト高だと、利益が出ても手数料を引かれると、大して残らない……なんてことにも。

投資信託について、私流に理解していることのほんの概要でしたが、いかがでしたでしょうか? なんと言っても「百聞は一見に如かず」です。少額でも、実際に投資信託を買ってみてはいかがでしょうか?

※画像は本文とは関係ありません

村越克子

村越克子

フリーランスライター。学習院大学文学部心理学科卒業。編集会社を経て、フリーに。主婦を読者対象とした生活情報誌を中心に執筆。家計のやりくりに奮闘する全国の主婦を取材し、節約に関する記事を数多く手がける。執筆協力に『綱渡り生活から抜けられない人のための絶対! 貯める方法』永岡書店など。