私はかれこれ20年近く、家計のやりくりの取材をしてきました。その中には、貯蓄が1,000万円以上ある人も、少なくありませんでした。その人たちが、とりわけ収入が多いというわけではありません。年収300万円台(手取り)というケースもたくさんありました。また、お金を使わないケチケチ生活をして、ギスギス暮らしているわけでもありません。

要するに、お金のやりくりが上手なのです。ということは、そのやりくりの仕方をまねすれば、誰でも1,000万円貯めることが可能というわけです。是非今日からまねしてみてください。

お金が貯まる人の新・共通点を発見

長年、家計のやりくりの取材をしていると、取材をさせていただく方の住まいに伺って、室内の様子などを見ただけで、お話を伺わなくてもお金を「貯められる人」か「貯まらない人」かが、何となくわかるようになります。それは、貯まる人、貯まらない人には、それぞれ共通点があるからです。

これまでにも、何度か書きましたが、例えば、貯まる人の家の中の特徴は物が少なく、片づいていること、ご本人は殊更オシャレというわけではなくても、身ぎれいな服装で自分のケアをしている、お財布の置き場所が決まっている……などです。貯まらない人の特徴は、その反対。使っていない物が多く、何となく雑然としていて、必ずといっていいほど食料品や日用品のストックが多い。そして、ブランドものは持っているのですが、センスは……といった感じです。

そんな中、最近、取材していて、貯まる人の新しい共通点を発見しました。それは"多肉植物"を栽培していることです。

お金が貯まる人の共通点は「多肉植物」?

多肉植物を育てるのも、お金を貯めるのも根気と忍耐がカギ

最初のうちは、「最近、はやっているらしいから」とか「この間、伺った貯め上手さんの家にもあったけど、偶然?」くらいに思っていたのですが、どうも"偶然"では、ないようです。多肉植物を育てている人には、"お金を育てる"素養があるのです。

多肉植物とは極度の乾燥や塩分の多い土地でも生きていくために、葉や茎や根に水分をためることができる植物のことで、肉厚な葉や茎が特徴です。ぷっくりとしてかわいらしいのですが、華やかな花をつけるわけではないので、植物としてはちょっと地味めです。サボテンも多肉植物の一種だとか。

多肉植物を育てるには、根気が要ります。水やりの手間は他の草花に比べてあまりかかりませんが、途中で形が崩れてしまったり、腐らせてしまったりすることが多いといいます。毎日同じようにコツコツと手入れをして、日々の見た目にそれほど変化はなくても、手入れを継続させる必要があります。その根気と忍耐が、多肉植物を育てるのです。

お金を貯めるのも同じです。今週は節約したけど、翌週は衝動買いした……というムラがあっては、お金は貯まりません。毎日、毎週、毎月、同じようにやりくりすることが貯蓄へとつながります。コツコツ、地道が肝要で、"1,000万円貯蓄は1日にして成らず"です。

お金を貯めたいと思ったら、根気と忍耐を育成するために、多肉植物の栽培をしてみるのもいいかもしれません。


村越克子
フリーランスライター。学習院大学文学部心理学科卒業。編集会社を経て、フリーに。主婦を読者対象とした生活情報誌を中心に執筆。家計のやりくりに奮闘する全国の主婦を取材し、節約に関する記事を数多く手がける。執筆協力に『綱渡り生活から抜けられない人のための絶対! 貯める方法』永岡書店など。