「人生100年時代」と言われる現代。20代でも早いうちから資産形成を進めることが求められています。一方で、どのように投資・資産運用の目利き力を磨いていけばいいのか、悩んでいる方は多いのではないでしょうか。

この連載では、20代の頃から仮想通貨や海外不動産などに投資をし、現在はインドネシアのバリ島でデベロッパー事業を、日本では経営戦略・戦術に関するアドバイザーも行っている中島宏明氏が、投資・資産運用にまつわる知識や実体験、ノウハウ、業界で面白い取り組みをしている人をご紹介します。

今回のテーマは「忘れてはいけない長期投資と複利効果の力」

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複利効果は人類最大の発明

複利とは、利子に利子がつくことを言います。「雪だるま式に増える」と言い換えることもできるでしょう。

例えば、元金の100万円を年利2%で1年間運用すると、1年後には102万円になります。この場合、2万円は元金に対してついた利子です。この2万円も含めて、次の年は102万円を年利2%で1年間運用します。すると、その1年後には104万円ではなく104万400円になります。この400円は、利子である2万円についた利子です。

複利に対して、利子を元金に組み入れない場合を「単利」と言います。複利運用と単利運用では、長期的に見れば大きな差が生じます。

「複利は人類による最大の発明だ。知っている人は複利で稼ぎ、知らない人は利息を払う("Compound interest is man's greatest invention. He who understands it, earns it. He who doesn't pays it.")」

という言葉を残したのは、相対性理論を発見したアルバート・アインシュタイン博士です。20世紀最大の物理学者とも言われるアインシュタインが、複利のことを"人類最大の発明"、"宇宙で最も偉大な力"というのが興味深いですよね。

ちなみに複利は、古くはローマ法にも記述が見られる利子の概念ですから、特に目新しいものではありません。

長期保有がもたらす2つの効果

複利効果には非常に大きいインパクトがあります。複利効果を得る方法は簡単で、利益を出金せずに放っておけば良いだけです。

複利効果と相性が良いのは、長期保有・長期運用です。

「雪だるま式に増える」のが複利の力ですから、長く運用すればするほど得られる利息・利益は大きくなります。「ほったらかしにしていたら、こんなに増えていた」というのは、投資・資産運用の醍醐味ではないかと思います。投資したことを忘れるくらいが理想です。

長期保有・長期運用がもたらしてくれる効果は、将来の利益だけではありません。はじめから長期的な視野で投資と向き合っていれば、日々の数字の変動を気にする必要がありません。それは、精神衛生的にもとても良いことだと思います。

より幸せになるために投資・資産運用をするわけで、投資行為そのものがストレスの種になっては本末転倒です。将来の利益と心の平穏は、長期保有・長期運用がもたらしてくれる大きな効果です。

72の法則と2の累乗で数字の感性を磨く

元金が約何年で2倍になるかは、72の法則で求めることができます。「72÷金利」で計算できますので簡単です。

例えば、年利5%で運用すると約14年半で元金が2倍になります。年利5%ですとコツコツコツコツという地道な感じではありますが、それでもなにもせずに2倍に増えるのでしたら良いですよね。よく「投資・資産運用は、若いうちからしておいた方が良い」と言われるのは、こういう理由からです。

この72の法則ともう一つ、2の累乗で数字が増える感覚を養っておくと良いかもしれません。「2×2×2×2…」と繰り返していくと、はじめは大して増えませんが、続けていくうちにものすごいスピードで数字が増えていきます。なんだか楽しいですよね。

我が家では、子どもとときどき2の累乗ゲームをして遊んでいます。ただ数字が増えていくだけなのですが、長期的に物事を見ることや、コツコツ続けていくことの大切さを学べる気がします。