「東京は物価が高いので、生活費が高い」または、「地方は物価が安いので、生活費が東京に比べてあまりかからない」と世間でよく言われていることは、本当なのでしょうか。

連載コラム「地方の生活コストは本当に安いのか?」では、ファイナンシャル・プランナーの高鷲佐織が、実際に東京から地方へ移り住んで感じたことを交えながらお伝えいたします。

初めて銭湯に行きました

みなさんは、銭湯には行かれますか? 私は今まで、旅館の日帰り入浴や、スポーツジムの中にある入浴施設などには行ったことがあるのですが、街中にある銭湯には行ったことがありませんでした。個人的には「衛生的にあまり良いところではないのではないか」と勝手に思っていました。それは、間違っていました! 銭湯を経営している方々、ごめんなさい。

東京都内にある銭湯に行きました。外見は「老舗」の雰囲気が漂っていましたが、脱衣所や浴室は、きれいに清掃されていて清潔でした。また、お客さんのマナーが良いのです。浴室の椅子や桶は、使用した後それぞれが片付けたり、脱衣所に落ちた髪の毛を清掃したり、みなさんが地元の銭湯を大事にされているなと感じ、多少混んでいても、各自がゆずりあってマナーよく入浴しているので、ストレスに感じませんでした。

大きな浴槽に足を伸ばしてゆったりと浸かると、それだけでほっとするのは、私だけではないと思います。

今回は、銭湯について見ていきましょう。

銭湯の定義

そもそも「銭湯」とはなにか。

銭湯は、公衆浴場の一部となります。その公衆浴場とは、公衆浴場法という法律があって、厚生労働省によると、「温湯、潮湯又は温泉その他を利用して、公衆を入浴させる施設」と定義されています。また、公衆浴場は、下記のとおり①一般公衆浴場と②その他の公衆浴場に分かれています。

①一般公衆浴場

地域住民の日常生活において保健衛生上必要なものとして利用される設備で、入浴料金が統制されているいわゆる「銭湯」や老人福祉センター等の浴場があります。

②その他の公衆浴場

保養・休養を目的としたヘルスセンター・健康ランド型のもの、ゴルフ場やアスレチックジム等スポーツ施設に併設されているもの等があります。

銭湯の入浴料金

一般公衆浴場では、全国一律ではなく、地域ごとで入浴料金が統制されているとのことですので、一部ではありますが、地域ごとの「入浴料」について調べてみました。

  • (表:各地域の銭湯入浴料)

上記の表を見ると、入浴料金は、470円で東京都が最も高いです。隣県である埼玉県は、東京都と比べて40円安いので、関東エリアが最も高いというわけではないようです。

どの地域も1コイン(500円玉)で入浴できるのですから、ありがたいです。

多くの組合では、銭湯のホームページがあり、地域内にある銭湯の一覧表や案内図、各銭湯の写真などが掲載されていますので、一度、ご自身がお住まいの地域にはどのような銭湯があるのか調べてみるのも良いのではないでしょうか。意外にも、自宅から徒歩でいける銭湯があるかもしれません。

終わりに

多くの銭湯では、タオルや、石鹸、シャンプー・コンディショナーなどの販売をしていますので、ふらっと銭湯へ行き、心身ともにリフレッシュするのもよいのではないでしょうか。これからますます寒くなっていきます。銭湯の大きな浴槽に浸かり、体を温かくして、みなさま、ご自愛ください。

高鷲佐織(たかわしさおり)

ファイナンシャル・プランナー(CFP 認定者)/1級ファイナンシャル・プランニング技能士/DCプランナー1級。

資格の学校TACにて、FP講師として、教材の作成・校閲、講義に従事している。過去問分析を通じて学習者が苦手とする分野での、理解しやすい教材作りを心がけて、FP技能検定3級から1級までの教材などの作成・校閲を行っている。また、並行して資産形成や年金などの個人のお金に関する相談を行っている。