ネット社会の現代では、グルメのブームに火が付くのも"SNSがきっかけ"ということも多い。ここでは、流行に乗り遅れないために知っておきたいSNSで話題の"バズるグルメ"をご紹介。トレンドに敏感なクライアントや同僚たちの前で恥をかかないように、しっかり話題のグルメを押さえておこう。第64回は「#ヌン活」。

  • 「オートクチュールカフェ」。ロマンチックで幻想的な雰囲気

個性派アフタヌーンティーが急増中

「ヌン活」とは、アフタヌーンティーを楽しむ活動のこと。アフタヌーンティーとは、19世紀頃にイギリスで始まった習慣で、昼食と夕食のあいだに紅茶と軽食を楽しむもの。軽食としては、3段トレイにのったサンドイッチ、スコーン、スイーツが定番だ。

現代の日本では、おもにホテルのラウンジやカフェで楽しめる。見た目が華やかでSNS映えも抜群とあって、Instagramでは「#アフタヌーンティー」のタグが付いた投稿が134万件以上、「#ヌン活」のタグも約3万件見つかる。

最近は、本格的なイギリス式アフタヌーンティーのほかに、独自の進化を遂げた個性派アフタヌーティーも増加中。テイクアウト専門店、ヴィーガン対応のもの、肉料理とスイーツを合わせたものなどさまざまだ。最新のアフタヌーティーを紹介しよう。

メニューも内装も変化する! アフタヌーンティー専門店

  • 「Strawberry White Afternoon tea」(3,800円・乾杯ノンアルコールカクテル付)。甘いスイーツだけでなく、スープやサンドイッチも付く

SNSで話題なのが、東京・中目黒に2021年3月にオープンしたアフタヌーンティー専門店「オートクチュールカフェ」。なんとこの店、季節によって料理のメニューだけでなく、内装まで変化する。

2021年12月からは「Strawberry White Afternoon tea(ストロベリーホワイトアフタヌーンティー」をテーマに、新鮮な苺を贅沢に使った苺尽くしのメニューを展開中。店内はピンクと白の花で埋め尽くされ、春らんまんな雰囲気だ。過去には内装が紅葉や藤の花で彩られたこともある。

「内装は異空間に来たような幻想的な世界を体験してもらえるように作り上げています。店内で過ごす時間を記念に残していただきたいので、内装や料理の写真写りにもこだわっています」と広報担当の高嶋佳那子さん。

店名である「#オートクチュールカフェ」のタグが付いた投稿はInstagramに約1,500件以上あり、どれもキラキラした素敵な写真! 予約は常に早い段階で埋まっており、女子会やデートなどで使われることが多いそう。季節ごとにリピートする人も多いそうだ。

テイクアウトで楽しむアフタヌーンティー専門店

  • プチケーキ(500円~)、焼き菓子・セイボリー・スコーン(200円~)

大阪にはテイクアウトのアフタヌーンティー専門店が登場。ウェスティンホテル大阪の1階ロビーラウンジ内に2021年10月にオープンした「Afternoon House(アフタヌーンハウス)」だ。

ガラスのショーケースの中はとてもカラフル! 現在はプチケーキ8種、焼菓子6種、スコーン2種、セイボリー(甘くないフード類)3種が並ぶ。季節のフルーツ使った生のプチケーキはシーズンごとに変わる。セイボリーはパティシエ特製のパイ生地を使ったキッシュなどで、アペリティフにもおすすめだ。

もともと同ホテルのロビーラウンジでは、イートインのアフタヌーンティーを提供しており、「持ち帰りをしたい」とのリクエストが多いことがテイクアウト専門店をオープンするきっかけになったという。構想はコロナ前からあったそうだ。

「ラウンジで提供しているアフタヌーンティーセットとは違う商品をご用意しておりますので、好きなものをセレクトして自分好みのティータイムをお楽しみいただけます。とくに人気なのが見た目もかわいらしい生のプチケーキ。食器に盛り付けた際に華やかになるよう、デザインに力を入れました」(ウェスティンホテル大阪 企画広報課 石川浩代さん)

Insatagramでは「ありそうでなかったスタイル」「かわいすぎて、全部買いそうになった」などの声が。手のひらサイズで食べやすく、つい買いすぎてしまいそう。手土産にも喜ばれそうだ。

牛乳も卵も不使用! ヴィーガンアフタヌーンティー

  • 「ヴィーガンアフタヌーンティー」(5,800円・サービス料込※写真はセットの一部でイメージ。メニューは季節や旬で変更)

ヴィーガンとは、動物性の食材を一切とらない完全菜食主義のこと。スイーツを楽しむアフタヌーンティーとは無縁のキーワードにも見えるが、実は最近はヴィーガン対応のアフタヌーンティーが増えている。

東京・品川にある東京マリオットホテル1Fの「ラウンジ&ダイニングG」が2021年10月から提供している「Vegan Afternoon Tea(ヴィーガンアフタヌーンティー)」もそのひとつ。

一見すると、普通のスイーツやセイボリーに見えるが、乳製品も卵も使っていないというから驚き! 代わりに使っているのは、ナッツ類や豆乳、アーモンドミルクなど。バターの代わりにはプラントベースのヴィーガンバター、ゼラチンの代わりにはくず粉を使用している。

「植物由来の食材のみでもコクや豊かな風味を感じられる味わいや食べ応えを実現させるために、開発では原材料の配合バランスに力を入れました」(東京マリオットホテル マーケティング 南條泉さん)

非常に好評で、ヴィーガンの人はもちろん、ヴィーガンに興味がある人からの注文も多いそう。Instagramでも「ヴィーガンとは思えない」「セイボリーがボリュームたっぷり」と味わいやボリュームに満足している声が目立つ。

豪快なお肉料理がメイン「お肉アフタヌーンティー」

  • 「お肉アフタヌーンティー」(4,800円・サービス料込)。ほかに苺スイーツ4種も付く

最後はなんと、肉が主役の「お肉アフタヌーンティー」。東京・新宿のヒルトン東京2階「メトロポリタングリル」では、料理とスイーツをセットにした「お肉アフタヌーンティー」を12月末より提供中。肉を中心とした9種類の料理と苺スイーツ4種、フレッシュな苺がセットになっている。

メインは、鳥かご風スタンドに入っている牛肉・豚肉・鶏肉のグリル料理。桜の薪で燻味と共に焼き上げる「牧草飼育牛のサーロイン」や軽く火入れをした苺とバルサミコ酢で味わう「ローストピットポークベリー」や「清流チキンロリーポップ セロリアックピュレ添え」などだ。肉がメインとあって、ドリンクは紅茶以外に、ノンアルコールビールやノンアルコールスパークリングワインも選べるのが嬉しい。

「アフタヌーンティーのフォトジェニックな要素をお楽しみいただきつつ、グリルレストランらしいお肉を主役にしたアフタヌーンティースタイルのお食事で、遅めのランチとしても楽しめるものを……とシェフと考案しました」とヒルトン東京マーケティングコミュニケーションズ 五戸若茂子さん。肉以外にも、スモークサーモンのマカロンなどレストランで人気の料理がテイスターサイズで並ぶ。女性同士の遅めのランチ利用が多いそうだが、デートや男性客の利用もあるそうだ。

単にSNS映えする写真が撮れるだけでなく、料理の味にも満足すること間違いなしの「#ヌン活」。いろいろなアフタヌーンティーセットがあるので、好みやシーンで使い分けてみては。