ネット社会の現代では、グルメのブームに火が付くのも"SNSがきっかけ"ということも多い。ここでは、流行に乗り遅れないために知っておきたいSNSで話題の"バズるグルメ"をご紹介。トレンドに敏感なクライアントや同僚たちの前で恥をかかないように、しっかり話題のグルメを押さえておこう。第55回は「#低糖質スイーツ」。

  • 「クリオロ」の糖質制限スイーツ「スリム・ショコラ 5号」(税込3740円)

昨今は健康を気にする人が増え、低糖質ブームとなっている。極端な糖質制限ではなく、緩やかな糖質制限を推奨する「ロカボ」という言葉も耳にするようになった。これを受けて、「糖質オフ」「低糖質」を売りにした商品が続々と販売され、スーパーやコンビニで気軽に購入できるようになった。「低糖質スイーツ」の市場は右肩上がりで拡大しているのだ。

Instagramでは「#低糖質スイーツ」のタグが付いた投稿が、約8.7万件(2021年8月現在)もあり、低糖質を意識している人が多いことがわかる。また、関連キーワードとしては「#ロカボスイーツ」で約1.2万件、「#糖質制限スイーツ」で約1.4万件、「#糖質オフスイーツ」で約2.1万件の投稿がある。

芸術的な美しさ!「クリオロ」の糖質制限スイーツ

東京・板橋区と目黒区に店舗を構えるパティスリー「クリオロ」。フランス人シェフパティシエのサントス・アントワーヌ氏が作った芸術的な美しいケーキが食べられる人気店だ。同店では、2011年から糖質制限スイーツを販売している。

  • 「サロン・デュ・ショコラ パリ」で金賞を獲得したこともある「クリオロ」のシェフパティシエ、サントス・アントワーヌ氏

糖質制限スイーツについては、サントス氏の奥様が糖尿病であることがわかったときから作りたいと考えていたという。その後、食・楽・健康協会の代表理事で糖質制限のプロである山田悟医師から「甘いものを食べたくても食べられない人たちでも美味しく食べられるスイーツを作ってほしい」という話を持ちかけられたことをきっかけに、糖質制限スイーツの試作が始まった。2年以上かけてようやく完成したのが「スリム・ショコラ」(3740円)である。

直径約15センチサイズの「スリム・ショコラ」に使われている糖質量(体に吸収されない糖質を除く)はわずか20グラムで、一般的なチョコレートケーキと比べて90%以上もの糖質がカットされている。糖質制限のケーキは甘さが物足りないというイメージがあるが、「スリム・ショコラ」には十分な甘さがある。チョコレートが濃厚で紅茶の香りが広がり、とてもなめらかな食感だ。「お客様からは『糖質制限している私には救世主のようなケーキ』『普通のケーキと変わらないくらいおいしい!』といったうれしいお声をたくさんいただいています」(エコール・クリオロ)という話もうなずける。

「クリオロの糖質制限スイーツは味にこだわっています。お菓子作りにおいて、砂糖を使わずにおいしいと感じる甘さやしっとりとした食感を出すのはとても難しいこと。サントスシェフとパティシエが長年培ってきた技術と経験、そして何よりも強い想いがあったからこそ、この難題をクリアできたのです」(同社)とのこと。

  • 「クリオロ」で一番人気の糖質制限ケーキ「スリム・レアチーズ・フレーズ」(1890円)

「クリオロ」ではアイスも含めて約12種類もの糖質制限スイーツを販売している。ロングセラーの「スリム・ショコラ」以外に、長方形タイプの「スリム・レアチーズ・フレーズ」(1890円)とホールケーキ「スリム・レアチーズ・フレーズ」(3800円)が人気だそう。これらの糖質制限スイーツは各店舗(ホールケーキは事前予約制)とオンラインショップで購入できる。

「これからも“おいしさ”を追求したこだわりの味わいを目指して、糖質制限スイーツを作り続けていきます」(同社)とのこと。今後の新商品の開発にも期待したい。

低価格とおいしさを実現!シャトレーゼの糖質カットスイーツ

全国各地に店舗があり、安くておいしいスイーツを数多く販売しているシャトレーゼ。実は糖質カットのスイーツにも力を入れているという。2009年から糖質カット商品の販売を開始し、健康を気遣う人や糖尿病で食事制限をしなければならない人からの支持を得ている。

  • シャトレーゼで人気の糖質カットスイーツ「糖質86%カットの濃厚チョコショートケーキ」(324円)

「シャトレーゼは、すべてのお客様にお菓子を通して笑顔をお届けしたいと考えています。糖尿病で糖質がとれない方や健康のために糖質を控えている方などにも安心して召し上がっていただける商品をお届けしたい。そういう想いから糖質カット商品を開発しました」とシャトレーゼの広報室・原令子さんは話す。シャトレーゼの糖質カットスイーツは、糖質50%カットのものと糖質70%以上カットのものがある。

また、研究に研究を重ねて、“おいしさ”も追求しているという。原さんによれば「卵や牛乳、チョコレートといった素材にこだわり、卵のコクやカカオの風味で物足りなさを補っています。砂糖の代わりに使用する食物繊維も、お菓子に合わせて選定し、置き換えても遜色のないものに仕上げています。機能性のために味を犠牲にはしたくない。その結果として生まれた商品をお客様に提供しています」とのこと。

  • シャトレーゼ「糖質50%カットの抹茶ロール」(162円)

企業努力は価格設定にも反映されている。一般の低糖質スイーツは通常のスイーツよりもやや値段が高い印象だが、シャトレーゼの商品は低価格だ。たとえば、低糖質ではない通常の「ダブルシュークリーム」は108円で、「糖質50%カットのダブルシュークリーム」は118円とほぼ変わらない。「お客様からは『他社よりも価格が安くコスパがよい。それでいておいしい』といった声をいただいています」(原さん)とのこと。

新作の「糖質50%カットの抹茶ロール」(162円)は、うみたて卵を使用した低糖抹茶スポンジに低糖抹茶クリームと低糖抹茶カスタードをロールした商品。宇治抹茶を使い、濃厚で本格的な味が楽しめる。小麦粉の一部を食物繊維に置き換え、1個あたりの糖質量を9.7グラム(エリスリトールを除く)に抑えているという。スポンジはしっとりとしていて、クリームにも深みがある。低糖質とは思えないほどの満足感だ。

低糖質スイーツは「物足りなさを感じる」といった先入観を持たれやすいが、最近は味にこだわった商品が増えている。スーパーやコンビニだけでなく、パティスリーでも続々と登場しているので、いろいろと試してみるのも楽しいだろう。