ネット社会の現代では、グルメのブームに火が付くのも"SNSがきっかけ"ということも多い。ここでは、流行に乗り遅れないために知っておきたいSNSで話題の"バズるグルメ"をご紹介。トレンドに敏感なクライアントや同僚たちの前で恥をかかないように、しっかり話題のグルメを押さえておこう。第63回は「#たまごサンド」。

  • たまごサンドの専門店も登場。「たまごサンドの銘店 パタパ」

■どこか懐かしい味がやみつきに!

ここ数年、「固めプリン」や「フルーツサンド」など、どこかレトロ感のある新しくも懐かしいグルメが人気だが、たまごサンドもそのひとつ。ゆで卵をつぶしてマヨネーズと和えた卵サラダをはさんだ定番のほかに、関西風の厚焼き卵をはさんだタイプも全国的にポピュラーになってきた。また、たまごサンドの専門店も全国各地に登場している。

Instagramでは関連ハッシュタグの付いた投稿も多く、「#たまごサンド」は約26万件、「#タマゴサンド」は約11.5万件、「#厚焼き玉子サンド」は約3万件ある。今回は、2021年にオープンした新店3軒のたまごサンドを紹介しよう。

■3種の味を食べ比べ!「たまごサンドの銘店 パタパ」

  • たまごサンドの銘店 パタパの看板メニュー「パタパサンド」(600円)

たまごサンドの専門店としてオープン以降話題を集めているのが、2021年8月に大阪・中崎町にオープンした「たまごサンドの銘店 パタパ」。厚焼きたまごサンドやたまごカツサンド、ポテたまサンドなど、全8種類のたまごサンドを販売している。

一番人気は、1日100個以上売れることもある「パタパサンド」(600円)。人気の3種の組み合わせてあり、食べ比べを楽しめる。ゆで卵をつぶしたシンプルな「たっぷりたまごサンド」、美しい厚焼き玉子をサンドした「厚焼きたまごサンド」、厚焼き玉子を揚げた「たまごカツサンド」の3種類。いずれも真ん中で2つにカットされているので食べやすい。

同店を運営するリガールは、大阪・吹田で「高級食パン専門店 ピッチャーとキャッチャー」も運営しており、そちらでサンドッチを販売したところ、たまごサンドが非常に好評だったため、専門店をオープンすることにしたそうだ。

「たまごサンドの基本の材料は卵と食パンのみ。非常にシンプルなので、そのぶん食材にはこだわっています」と店長の藤原有美名さん。パンは、パタパ専用の高級食パンを使用。たまごサンドに最もよく合うように糖分と塩分の量を調整しているそうで、フワフワやわらかく、やさしい甘味がある。卵やマーガリンは不使用だ。また卵は、島根県の養鶏場で栄養価の高いエサを食べて育っているニワトリの卵で、黄味がとてもきれいなオレンジ色をしているのが特徴だ。

客層は幅広く、週末には行列ができることもある。Instagramでは、「たまごたっぷり」「ふっくらで、ボリューミー」「そこらのタマゴサンドとは一口違う」と味を評価する声や、味の食べ比べを楽しんでいる様子が投稿されている。

■創作和食店が開発!「だし巻き揚げサンド」

  • 和食サンドWATANABE「だし巻き揚げサンド」(880円)

たまごサンドというと洋食のイメージだが、和食料理人による和食サンドもある。2021年11月に東京・丸ビル内にオープンした「和食サンドWATANABE」では、和風サンドイッチのひとつとして、卵を使った「だし巻き揚げサンド」を提供している。

出汁がたっぷり入っただし巻き卵にパン粉を付けて高温で揚げており、外はカリッと、中はフワッとした食感。卵に含まれた関西風の出汁の旨味がたまらない。別添の自家製辛子レモンマヨネーズが味わいのアクセントだ。

もともとこの「だし巻き揚げサンド」は、大阪にあった創作和食店(※現在は閉店)「創作和食WATANABE」が開発したもの。2019年4月に大阪で開催された百貨店催事では7日連続で完売し、約5,000食を売り上げるほど人気を博した。

「料理長のだし巻きがとても美味しく、また関西でたまごサンドブームだったこともあり、開発しました。料理長と試行錯誤する中で、だし巻きを揚げてはさんでみたところ、パンのやわらかな食感、衣のカリっとした食感、卵のフワッとした食感が新しく、かつとても美味しい商品が生まれました」と同店を運営するY.G GROUP代表の権藤豊さん。和食屋の宣伝になればと、創業前に近隣に配ったところ好評だったため、テイクアウトやランチで販売することにしたという。

客層は女性が多く、差し入れやケータリング利用も多いとのこと。Instagramでは「だし巻きの食感がよい」「最高」などの声が多数。リピーターも増えているそうだ。

なお東京以外では、大阪の系列店「THE DRINK BOX. KiKi京橋店」でも、この「だし巻き揚げサンド」を購入できる。

■無人販売に行列!「タマゴサンド製作所」

  • タマゴサンド製作所「タマゴサンド」(300円)

ベーシックな「タマゴサンド」にも注目したい。兵庫県揖保郡太子町には、2021年10月に無人販売「タマゴサンド製作所」がオープンした。こちらのお店の商品は、卵サラダをはさんだものだが、驚くのはそのボリューム! パックからはみでそうなほど、たっぷりの卵が入っている。

「1パックに約3個分の卵を使用しています。黄身と白身を分けて、黄身のみをクリーミーに仕上げ、粗く潰した白身を混ぜることで、食べ応えを出しました。さらに程よい塩味を加え、お子さまからご年配の方まで美味しく食べていただけるように作っています」と担当者。ちなみに無人販売にしたのは、「コロナ禍でさまざまな規制がかかり、実店舗の営業が厳しくなる中でも、新鮮で美味しいものを届けたい」という思いからだそう。

オープンから2カ月ほどは納品と同時に売り切れるほどの人気で、開店前から並ぶ人もいたという。現在は、たまごサンド以外に、プリンやラスク、マリトッツオならぬ“卵トッツォ”など商品ラインナップを拡充したため、購入しやすくなっている。

  • タマゴサンド製作所の外観

SNSでは「タマゴのボリュームがやばい」などボリュームを絶賛する声が多数。大きなサンドが2つ入って300円とコスパもいい。なお、販売所にはお金の投入口があるのみなので、小銭のご用意はお忘れなく。

万人に愛されるたまごサンドは、仕事が忙しい日ならデスクで片手で食べられる気軽なランチになるし、ちょっとした差し入れとしても喜ばれるはず。いろいろ食べ比べてお気に入りの味を見つけてみては。