ネット社会の現代では、グルメのブームに火が付くのも"SNSがきっかけ"ということも多い。ここでは、流行に乗り遅れないために知っておきたいSNSで話題の"バズるグルメ"をご紹介。トレンドに敏感なクライアントや同僚たちの前で恥をかかないように、しっかり話題のグルメを押さえておこう。第52回は「#ラクサ」。

  • シャングリ・ラ 東京の「カレーラクサ」2200円(サービス料15%別)

シンガポールの定番麺料理「ラクサ」

近年エスニック料理の人気が高まっているが、今年とくに注目が高まっているのがシンガポールやマレーシアで食べられている麺料理「ラクサ」だ。

ラクサにはいくつか種類があるが、日本でポピュラーなのはシンガポールを代表するカトンラクサと呼ばれるもの。エビなど魚介類の出汁に唐辛子やココナッツミルクで味付けされたコクのあるスープが特徴。スパイシーではあるが、ココナッツミルクが使われているので見た目よりマイルドで、日本人の舌にも合いやすい。麺はもっちりした米麺が定番だ。

ちなみに2021年はシンガポールと日本の外交関係樹立55周年にあたり、2021年3月には名代富士そばが、それを記念して期間限定で「ラクサそば」を発売した(現在は終売)。ラクサのスープで日本そばを食べるというユニークなメニューは、SNSでも話題になった。

Instagramでは「#ラクサ」のタグの付いた投稿が約3万件ある。外食で楽しむ人もいれば、インスタント麺や手作りキットなどを使って自分で用意する人も。日本で味わえるさまざまなラクサを紹介しよう。

本場の味、ヤクンカヤトーストのラクサ

  • 上/「プラウンラクサ」(1180円)、下/「チキンラクサ」(1100円)※近日中にサイズ変更に伴う価格改定(値下げ)予定

東京に3店舗を展開するヤクンカヤトーストはシンガポールの老舗カフェの日本支店だ。看板メニューは店名にもあるカヤトースト(ココナッツミルクをベースにしたカヤジャムをトーストに塗った料理)だが、シンガポール名物のラクサもメニューにある。ベースのスープや麺は同じでトッピングの具材が違う2種類「プラウン(エビ)ラクサ」と「チキンラクサ」を提供。辛味ペーストのサンバルを追加して、好みの辛さに調節できる。

「現地の伝統のメニューを守ることを心がけています。ココナッツの甘みとスパイシーなスープ、米粉の麺のモチモチ食感をお楽しみください」と同店を運営するS'SPIRITS代表の重枝宏之さん。添加物を一切使わないのも本店のこだわりだという。本場の味は日本でも広く受け入れられており、Instagramには「シンガポールの風を感じられた」という声も。

ひんやり!シャングリ・ラ 東京の「冷やしラクサ」

  • 「冷やしラクサ」2420円(サービス料15%別)

暑い夏にぴったりなのが東京・丸の内のホテル、シャングリ・ラ 東京のラウンジ&バー「ザ・ロビーラウンジ」で提供されている「冷やしラクサ」。その名のとおり、冷たいスープで食べるラクサだ。

もともと同ホテルには、シャングリ・ラ シンガポールのレシピで提供する温かいスープで食べる「カレーラクサ」が人気メニューとしてあるが、「冷やしラクサ」は今年初めてお目見えした。

スープは、鶏ガラスープ、干し海老などで出汁をとり、ラクサリーフで香りを付け、サンバル(辛味ペースト)、ブラチャン(エビを使った発酵調味料)、練りごまペーストで味付けしてあり、太めの麺によく絡む。トッピングのエビ、イカ、ホタテはやわらかく、素材の新鮮な甘さを味わえる。

「冷やしラクサはシャングリ・ラ 東京のオリジナルレシピです。従来使用している細麺ではなく、食べ応えのある自家製の太麺を使っているのが特徴です。具材にはチンゲン菜など冷たくてもおいしく召し上がれるものも含めました。お客さまからは“コクがあり、暑い日でも食べやすい”と好評です」とシャングリ・ラ 東京 コミュニケーション ディレクターの田代 千恵子さん。「冷やしラクサ」は9月30日までの期間限定メニューだ。

ロングセラー! 「成城石井自家製 シンガポール風ラクサ」

  • 「成城石井自家製 シンガポール風ラクサ」(648円)

自宅で本格的な味を楽しみたい人に人気なのが、成城石井の自家製惣菜「成城石井自家製 シンガポール風ラクサ」だ。

「現地のラクサを、成城石井のセントラルキッチンのシェフが、日本人のお客さまの口にも合うよう試行錯誤を重ねたシンガポール風のラクサです」と成城石井バイヤーの小林さゆりさん。

スープは、ココナッツベースのレッドカレー風味で、あっさりとしながらも濃厚で後を引く。ココナッツミルクではなく、あえてココナッツクリームを使用することで、口当たりの良い甘みとクリーミーなコクを引き出したそうだ。麺は米麺で、具は厚揚げや自家製の蒸し鶏、香菜、ゆで卵、トマトが彩り鮮やかにのっている。

2011年の発売当初は期間限定商品だったが、販売休止期間中に「ラクサはないの?」との問い合わせが多く寄せられ、現在は通年販売商品に。1カ月に平均2万パック以上が売れる人気商品だ。一般社団法人全国スーパーマーケット協会主催の「お弁当・お惣菜大賞」において2015年に麺部門の最優秀賞も受賞している。

Instagramでは「#シンガポール風ラクサ」のタグが付いた投稿が2000件以上あり、成城石井の商品の投稿が多い。味は「濃厚まろやか」、適度に辛さがあるスープは「飲み干したくなる」という人も。「絶対また買う」と気に入った様子の声も目立つ。

コスパ高!「ココナッツ香るフォー フォー・ラクサ」

  • 「みなさまのお墨付き ココナッツ香るフォー フォー・ラクサ」(102円)

最後はスーパーで買える手軽なインスタントラクサ。西友では2020年6月に「みなさまのお墨付き ココナッツ香るフォー フォー・ラクサ」を発売した。「アジアの麺 フォーを楽しむカップスープ」シリーズの1つで、姉妹品にはグリーンカレーやトムヤムクンもある。

「ココナッツミルクの甘みとまろやかさをベースにレモングラスやパクチーなどが香るほんのり辛いスープです。エビの風味を強めてスープのコクを出しました。香辛料はカフィアライム(ライムの一種)、レモングラス、コリアンダー、ターメリック、赤唐辛子を使用しています」と西友 商品開発部マネジャーの須賀さおりさん。

発売前の消費者テストで支持率93.5%を獲得。消費者テスト参加者のコメントも、「ツルツルのフォーに、甘辛いカレースープがよく絡まって、食べやすくおいしい。あげや卵、人参などの具も大きめでいい」など好評。Instagramでも「めちゃうま」「あっさり濃すぎずおいしかった」といった投稿がある。税込102円というリーズナブルな価格も嬉しい。

エキゾチックな味わいにはまる人も多いラクサ。気軽に旅行に行けない今だからこそ、料理で異国を感じてみては?