ネット社会の現代では、グルメのブームに火が付くのも"SNSがきっかけ"ということも多い。ここでは、流行に乗り遅れないために知っておきたいSNSで話題の"バズるグルメ"をご紹介。トレンドに敏感なクライアントや同僚たちの前で恥をかかないように、しっかり話題のグルメを押さえておこう。第51回は「#ビリヤニ」。

  • 肉とスパイスの炊き込みご飯「ビリヤニ」に注目が集まっている(写真提供:ビリヤニ大澤)

ビリヤニはインドやパキスタンで食べられているカレー風味の米料理。世界の三大炊き込みご飯の1つとも言われている。コリアンダーやターメリック、カイエンペッパーなど十数種類ものスパイスが使われ、一度食べたらやみつきになる味だ。米もジャポニカ米でなく、バスマティライスが多く、パラパラした食感や軽さも魅力だ。

Instagramでは「#ビリヤニ」のタグが付いた投稿が、約10.9万件(2021年6月現在)もある人気ぶり。インド料理店でのものやテイクアウト商品の投稿、自作のビリヤニの写真などが多い。また、関連キーワードとしては「#チキンビリヤニ」で約1.6万件、「#マトンビリヤニ」で約8000件、「#バスマティライス」で約3.6万件の投稿がある。

これまでは海外旅行やインド料理店などで、エスニック好きの人が好んで味わっていたビリヤニだが、最近はエスニックブームとともに認知度が一気に高まり、今夏には東京で初のビリヤニ専門店までオープン予定だ。

ビリヤニ専門店「ビリヤニ大澤」ではこだわりの逸品を堪能!

ビリヤニ専門店「ビリヤニ大澤」(東京・神田)のオーナーシェフ大澤孝将さんは今年5月にクラウドファンディングでビリヤニ専門店開業のプロジェクトを立ち上げた。「自分にはビリヤニしかない。だからビリヤニのお店をやろう」の想いから、運転資金が足りない状態だったが、どうしても念願のビリヤニ店をオープンさせたかったのだ。

蓋を開けてみると、目標額の500万円を達成したのはプロジェクト開始からわずか30時間後! 募集終了2週間前にして約1,170万円もの支援を獲得した。それだけビリヤニ界のカリスマと言われる大澤氏への周囲の期待は高かった。

  • 「ビリヤニ大澤」のオープンは7月末以降を予定している

「以前は自分には、貯金も仕事も職歴もスキルも何もないと思っていましたが、クラウドファンディングを始めてみると、10年間ビリヤニを作り続けてきたことが評価され、夢が現実のものに。本当に感無量です」と大澤さん。

大澤さんいわく、“ビリヤニは炊き立ての美味しさが真骨頂”。そこで提供するメニューは「ビリヤニ」1種のみ、1日にビリヤニを炊くのは2回だけにすることに。たった10席しかないコの字カウンターで、来店客に一斉にビリヤニを食べてもらうスタイルにした。ランチは予約なしでテイクアウトのみ、夜は完全予約制にする予定だ。

クラウドファンディングのリターンであるお食事券は瞬く間に売れた。となると、一般の予約が取りづらくなるのではないかと思ったのだが「誰でも予約が取りやすくなるよう、LINEのメッセージを使って1週間分だけ予約を受け付けるシステムにします。なので、チャンスはあるはずです」とのこと。同店のTwitterアカウントから最新情報が得られるので要チェックだ。

「リターン商品の冷凍マトンビリヤニは2,000食以上のご支援をいただきました。すべて発送し終えるには半年以上かかると思います。そのあとにはなってしまいますが、リターンが落ち着いたら通販も検討します。たくさんの人にビリヤニを食べてほしいので」(大澤氏)とのこと。オープン後の動向にも目が離せない。

  • 「ビリヤニ大澤」でビリヤニとともに提供されるドリンクはコカコーラのみ

現在、「ビリヤニ大澤」はクラファンの支援をもとに2021年7月末のオープンを目指し、着々と準備を進めている。ビリヤニにこだわり続け「ビリヤニを国民食に」と唱える大澤さんの至高の一品が食べられるのはもう間もなくだ。

自宅の炊飯器で本場の味が楽しめる通販商品「ビリヤニキット」も!

続いては日本ビリヤニ協会(前述の大澤さんは同協会の初代会長)の通販商品。ランチメニューに悩んだとき「ラーメン、牛丼、ビリヤニ」となる日を目指し、ビリヤニの普及活動をおこなっている同協会は、自社の公式ネットショップ「ビリヤニストア」にて、自宅でも簡単にビリヤニが食べられる「おうちdeビリヤニシリーズ」を販売している。その中でも、鶏肉さえ用意すれば炊飯器で簡単につくれるビリヤニキットが人気だ。

  • 日本ビリヤニ協会のシンディービリヤニの素+バスマティライスの入った「ビリヤニキット」(900円)

本場のビリヤニには、バスマティライスという高級米が欠かせない。ふわふわでパラパラしているのがバスマティライスの特徴だ。日本の白米を使うと、本来のビリヤニとは食感がまったく異なってしまう。にもかかわらず、市販のビリヤニでバスマティライスまで付いているものは非常に少ない。

その点、「ビリヤニストア」のビリヤニキットなら、バスマティライス付きなので本格的な味と食感が楽しめる。「ビリヤニキット」に入っているシンディービリヤニは、パキスタンのシンド州で食べられるビリヤニのスタイルで、大きなジャガイモが入っているのが特徴だ。味もかなりスパイシー。

作り方はとても簡単。用意するのは鶏肉のみ。鶏肉を一口大に切り、ビリヤニの素を混ぜ合わせて炊飯器に入れる。その上に洗ったバスマティライスと水を入れ、炊飯器で炊き上げるだけ。これで約3人分のビリヤニが完成する。

おすすめのトッピングは、パクチーやカシューナッツ、フライドオニオンなどをお好みで。鶏肉とジャガイモがさまざまなスパイスと絡み合い、一口ごとに違った味が楽しめて最後まで飽きることがない。スパイスたっぷりのビリヤニは、夏バテ予防にもピッタリだ。

電子レンジで5分温めるだけ!専門店の冷凍食品も!

いろいろなお店のビリヤニを楽しみたい人には、電子レンジで温めるだけの「冷凍ビリヤニ」がおすすめ。炊飯器で炊くよりもさらに簡単だ。20種類以上の冷凍ビリヤニが日本ビリヤニ協会の「ビリヤニストア」で販売されている。定番のチキンビリヤニやマトンビリヤニだけでなく、エビや魚、野菜の冷凍ビリヤニまで選べるのがうれしいポイントだ。

  • カラチの空「冷凍チキンビリヤニ」(1300円)

埼玉県八潮市にあるパキスタン料理の店「カラチの空」は、各メディアでよく取り上げられる人気店。とはいえ、直接出向くにはアクセスしにくい場所かも。そんな「カラチの空」のビリヤニが、電子レンジで温めるだけの冷凍ビリヤニとして自宅でも食べられるのはうれしい。

容器のまま温めても、お皿に移し替えてから温めてもOK。軽くラップをかけて500ワットで5分温めれば、お店のビリヤニが再現できる。

「カラチの空」のチキンビリヤニは、とにかくチキンの量が半端ない。1袋300gとかなりのボリューム感だ。それでも食べ飽きないのはやはりスパイスのおかげだろう。食欲をそそるスパイスの香りが漂うが、見た目ほど辛くはない。あとからじんわりと辛さが体に伝わり汗ばむ程度。

ちなみにビリヤニには「ライタ」と呼ばれる付け合わせがセットになっていることが多い。これは刻んだ野菜とスパイスとヨーグルトを混ぜたもの。より本場風に楽しみたいなら、似たような食材で作ってみるか、やはり専門店に出向くのが一番だろう。

夏の暑さが増してくると食欲もパフォーマンスも低下してくる。そんなときにスパイスをふんだんに使ったビリヤニを食べれば、一気に仕事の疲れも吹き飛ぶだろう。今後ますます注目を集めそうなビリヤニ、ぜひ一度味わってみては。