ネット社会の現代では、グルメのブームに火が付くのも"SNSがきっかけ"ということも多い。ここでは、流行に乗り遅れないために知っておきたいSNSで話題の"バズるグルメ"をご紹介。トレンドに敏感なクライアントや同僚たちの前で恥をかかないように、しっかり話題のグルメを押さえておこう。第54回は「#台湾唐揚げ」。

  • 顔より大きい台湾唐揚げ(写真は横濱炸鶏排の「炸鶏排(1枚)」)

ビッグサイズの台湾唐揚げ

コロナ禍前は、ハワイと並ぶ人気の海外旅行先だった台湾。名物料理が多く、グルメを旅の目的にする人も多かった。タピオカミルクティーや台湾カステラなど、台湾発祥のグルメは日本でも次々とブームになっている。

そんな台湾グルメの次なる注目株は、ズバリ「台湾唐揚げ」。現地では、夜市と呼ばれる屋台料理がメインのナイトマーケットの定番メニューになっている。

特徴はなんといっても、その大きさ。鶏むね肉をたたいて薄く伸ばしてあり、なんと顔のサイズほどもある。味付けには八角やシナモンをブレンドした五香粉(ミックススパイス)などが使われ、スパイシーな香りが食欲を誘う。最近は台湾唐揚げの専門店も増えているほか、コンビニやファミレスのメニューにもお目見えし、広く知られるようになってきた。

ちなみに台湾の夜市で食べられる唐揚げには、一口サイズの「鹽酥雞(イエンスージー)」もあるが、日本で広まっているのは、ステーキのように平たくて大きい「大鶏排(ダージーパイ)」(鶏排/ジーパイ、炸鶏排/ザージーパイとも)と呼ばれるもの。Instagramには「#台湾唐揚げ」が付いた投稿が約1.2万件あるが、その写真の多くは大鶏排。「#大鶏排」のタグが付いた投稿も5000件以上ある。

ブームの先がけ!横濱炸鶏排

  • 横濱炸鶏排「炸鶏排(1枚)」(540円)

台湾唐揚げがいまほど流行る前から開業しているのが、台湾唐揚げの専門店「横濱炸鶏排(ヨコハマザージーパイ)」だ。神奈川や東京をはじめ、全国各地に約20店舗を展開。横浜中華街にある本店は2019年4月にオープンした。

大きさは多少バラつきはあるが、直径15cmほどもあり、重さも230g前後とかなりの大きさ!「国産鶏むね肉の皮を剥いできれいに処理し、醤油ベースの秘伝のたれに一晩漬け込んでいます。衣はタピオカ粉と当店オリジナル粉をミックスし、食べたときの食感の良さに加え、時間が経ってからもサクサク感が続くようにしました」と同店を運営するエスライフデザイン代表の佐藤明久さん。

衣はサクッとして、中はジューシー。注文が入ってから揚げるので熱々を楽しめる。台湾の香辛料を基本としたオリジナルブレンドの香辛料を使って、本番の味を再現したそうだ。

SNSでは本場の味が高評価で、「台湾ロスを癒やす」との声も。「シェアしてもいい大きさ」でありながら、美味しさのあまり「ペロッといけちゃう」人が多いようだ。なお、同店では一口サイズの炸鶏排も販売している。

ミニストップに「台湾からあげ」が登場!

  • ミニストップ「台湾からあげ」213円(持ち帰り時)

ミニストップでは7月30日から、本場の味をミニストップ流にアレンジした「台湾からあげ」を販売している。店内で調理されるホットスナックだ。

味付けには、八角、シナモン、クミンなど8種の香辛料を使用しており、複雑で本格的な味わい。食べると、衣はザクザクした食感で、奥深いスパイスの香りとやさしい甘みが広がる。

台湾唐揚げはよく「顔より大きい」と表現されるが、ミニストップの商品はそこまで巨大ではないので、比較的気軽に食べられる(といっても見た目には同店の「ジューシーチキン」の1.5倍ほどはあるように見え、食べごたえは充分)。価格もリーズナブルなので、まずはどんな味か試してみたい人にもおすすめだ。

「SNSを中心にブームになっている台湾グルメを、お近くのミニストップで手軽に楽しんでいただきたいと思い開発しました。コロナ下で外食の機会が減少し、海外旅行にも行けない状況が続く中、少しでも海外旅行気分を味わい、楽しく過ごしていただければと思います」(ミニストップ デリカテッセン商品部 浅野有美さん)

スパイシーながら甘さも感じられる味付けで、SNSでは「クセになる味」や「ハマっています」との声も。単にサイズが大きな唐揚げだと思って食べて、その個性的な味わいに驚いた人もいるようだ。すでに本場などで食べた経験のある人からは、「香りが台湾」「再現率高い」と好評だ。

バーミヤンの夏限定の台湾からあげメニュー

  • バーミヤン「台湾からあげの香味醤油ソース」(699円 ※テイクアウト686円、宅配740円)

バーミヤンでは、台湾唐揚げを主役にしたメニューとして、「台湾からあげの香味醤油ソース」と「台湾大からあげチャーハン」を6月から販売している。食べやすいようにカットして提供されるが、もともとは鶏もも肉1枚を揚げた大きな唐揚げだ。

「カリッと揚げた衣にほんのり香るスパイスが後引く味わいの台湾風の大からあげです。バーミヤンではあえて、鶏むね肉よりも味わい深い鶏もも肉を使用しています。衣には八角やシナモンなどをブレンドした五香粉を効かせて、スパイス感のある味付けにしています」(バーミヤンメニュー開発 福島宣嘉さん)

揚げる前には、手でしっかり広げるひと手間を欠かさないそうだ。また、調味料として醤油2種類・コショウ3種類を使っているのもこだわりだという。

  • バーミヤン「台湾大からあげチャーハン」(899円 ※イートインはスープバー付き、テイクアウト882円、宅配990円)

「台湾からあげの香味醤油ソース」は、自家製香味醤油ソースが別添えになっているので、そのまま食べたり、ソースを付けたり、味を変えて楽しめる。「台湾大からあげチャーハン」は、その名のとおりチャーハンと組み合わせたボリューム満点の一品。ただ、チャーハンは薄味なので、最後まで飽きずに食べられる。こちらも自家製香味醤油ソースが付く。

SNSでは「皮がパリパリ」「ジューシー」といった肉の味への感想のほか、「香味醤油」との相性の良さを挙げる人も多い。スパイス感が強すぎないので、万人受けする味といえそうだ。両メニューは10月まで販売予定(※一部店舗により販売有無、価格が異なる場合あり)。いずれも非常に好評とのこと。

現地では一時的なブームではなく、夜市の定番グルメとして長く愛されている台湾唐揚げ。個性的な味わいゆえ、一度食べるとハマる人も多いようだ。ビールとの相性も良いので、おつまみにもおすすめ。話題の味で、気軽に異国情緒を楽しんでみては。