名刺を交換する際のマナー違反をもう一度確認してみましょう。
1.名刺入れを使用せずに財布や手帳から取り出す
2.名刺や名刺入れをズボンのおしりのポケットや上着の腰のポケットから取り出す
3.汚れの付いた名刺、折れ曲がっている名刺、よれよれの名刺を渡す
4.名刺を持った際に、会社名、ロゴ、肩書き、氏名などに指がかかる
5.相手の前で名刺にメモを書き込む
面談日時や相手の特徴などを名刺にメモすることは、その後のビジネスシーンに向けてとても大切なことです。再会したときに「●●さん、ご無沙汰しております」などしっかり名前を呼んで挨拶することができれば、「覚えていてくれた!」とよりよいコミュニケーションがはかれます。ただし、そういったメモは自宅や会社に戻ってから書き込むようにしましょう。相手の目の前でメモすることは大変失礼な行為です。
6.名刺をテーブル越しに渡す
名刺交換は相手との間に何もない状態で行います。会議室のテーブル越しに行うのはNGですから、相手の前まで行って差し出すなど、必ず1歩テーブルから外れた場所に出て行いましょう。
7.テーブル上に置いた相手の名刺を落としてしまう
8.退室時に名刺を置き忘れる
外国人との名刺交換
(1)名刺を持つ慣習
西洋において名刺は、訪問を告げたり伝言を残したりするなど、プライベートな場面で使われることが多く、ビジネスの場で使う慣習はほとんどありませんでした。ここ数年になって名刺の交換が外国人にも浸透してきましたが、まだ習慣がない国もあれば、ビジネス用とプライベート用の2種類を使い分けて活用している人も多くいます。
(2)名刺の渡し方
日本においては仰々しく両手で名刺を差し出し、相手側も前かがみになって両手で丁寧に受け取りますが、西洋における初対面の挨拶はハグや握手が最も大切なコミュニケーションスキルであり、名刺交換は二の次。人差し指と中指の間に名刺を挟んで、片手で気軽に渡すような仕草もよく見る光景です。
(3)名刺交換と握手のルールの違い
ご挨拶や名刺交換をするときは目下から目上へ、年少者から年長者へ、訪問者が訪問先の方へ先に名刺を差し出すのがマナーです。これに対し、ハグや握手は相手の身体に手を触れる行為ですから、手を差し出すのは上位者・年長者からと、まったく逆のルールになります。
(4)名刺交換後の取り扱い
欧米では、日本のように面談の間中、名刺をテーブルに並べて置くような習慣はありません。名刺をいつまでも置いておくと「放置されている」という印象を与えてしまいます。名前を覚えられたらなるべく早く名刺入れにしまいましょう。
欧米では日本のように名刺を仰々しく大切に扱う習慣はありませんので、乱雑に扱われても気にする必要はありません。まずはしっかりと相手の目を見て握手をする、ハグをするなど、相手の国の習慣に合わせた挨拶方法でコミュニケーションをはかりましょう。
名刺交換は初対面の挨拶であり、そこでその人の第一印象が形成されます。一枚の名刺交換によって、よりよいコミュニケーションをはかることができます。相手に不快感を与えない挨拶とともに名刺を交換して、人生の大きなチャンスにつなげていきましょう。