予期せぬ事態による遅刻や納期遅れは避けたいものです。「もしかしたら遅れてしまうかも……」そのようなとき、相手に失礼なく、かつ速やかに状況を伝えるにはどうすればよいのでしょうか。

本記事では、遅れる可能性があることを伝えるビジネスメールの例文を紹介します。

ビジネスで遅れる可能性があるときに注意すべきこと

  • 遅れる可能性がある場合に注意すべきこと

    遅れる可能性がある場合に送るビジネスメールについての記事です

ビジネスシーンにおいて、予期せぬ事態による遅延は避けられない場合があります。そのようなときは、連絡ひとつで相手に与える印象は大きく変わるもの。「遅れる可能性がある」という情報をメールで伝える際には、相手への配慮と正確な情報伝達が不可欠です。

ここでは、相手に誤解を与えず、スムーズなコミュニケーションを図るために注意すべきポイントを解説します。

連絡はできるだけ早めにする

早めの報告はビジネスの鉄則。遅れる可能性があることを伝えるときも、なるべく早く連絡することが求められます。後手に回るほど、影響は広範囲に及び、関係悪化を招きかねません。遅れそうだと気づいた時点で、すぐに連絡すること。

明確で簡潔な表現を心がける

ビジネスメールで遅れる可能性を伝える際、最も重要なのは明確さと簡潔さです。一読するだけで内容を理解できる文章を心がけ、回りくどい表現は避けてください。まずは、遅れる理由を具体的に示しましょう。そのほか、自分が現在置かれている状況や到着見込み時間など必要な情報に絞りこみ、余計な情報は省いてくださいね。

具体的な対策や見込み時間を伝える

相手が今後の予定を立てやすいように、可能な限り具体的な見込み時間を伝えておくのがベストです。電車が遅延し、会社に遅刻しそうな場合は「〇分ほど電車が遅れているので、会社への到着は〇時頃になる予定です」と見込み時間を送ったり、「至急、別の路線に乗り換えて会社に向かいます」と対策を伝えたりしましょう。

現時点で正確な時間が不明な場合は、「〇時間程度遅れる見込みですが、状況に進展があり次第改めてご連絡いたします」といった情報を加えるとよいでしょう。

謝罪や感謝の言葉を添える

遅れる可能性を伝える際、丁寧な謝罪は不可欠です。「ご迷惑をおかけして申し訳ございません」と率直に謝罪しましょう。また協力的な返信には「ご理解いただき、誠にありがとうございます」と感謝の言葉を添えるとベストです。軽微な遅延でも「念のためご連絡いたしました」といった配慮を示すことで、良好な関係を築けます。

適切な連絡手段を選択する

緊急性の高い状況下では電話をするのがベストです。しかし、やむを得ずメールで遅延の可能性を連絡する場合、電話ができない状況であることを伝えましょう。「現在、電車内におり、お電話ができない状況で大変恐縮ですが、〇〇の件で遅れる可能性がございます」といった書き出しで、電話連絡ができない理由を完結に示してください。

状況によっては、「本来であればお電話で直接お伝えすべきところ、このような形でのご連絡となり重ねてお詫び申し上げます」といった一文を加えることで、より丁寧な印象を与えられます。

遅れる可能性がある場合のビジネスメール例文【遅刻編】

  • 遅れる可能性がある場合のビジネスメール例文【遅刻編】

    遅刻しそうな場合のビジネスメールの例文を紹介します

それでは緊急時に相手に失礼なく、かつスムーズに状況を伝えるためのビジネスメールはどのように書けばよいのでしょうか? ここでは、遅刻が避けられない状況下で送るべきメールの例文を具体的に解説します。

電車遅延の場合

件名:【遅延のご連絡】〇〇(氏名)

関係各位

お疲れ様です。〇〇部の〇〇です。

本日、〇〇線にて発生いたしました△△(遅延理由:信号トラブル、車両点検など)の影響により、電車が大幅に遅延しております。
現在、〇〇駅で運転再開を待っている状況です。

最新の情報では、〇時〇分頃に運転再開の見込みとのことですが、到着時刻は改めてご連絡させていただきます。
本日の業務につきましては、到着後、優先順位の高いものから順次対応させていただきます。

皆様にはご迷惑をおかけいたしますが、何卒ご理解いただきますようお願い申し上げます。

体調不良の場合

件名:本日遅刻のご連絡

〇〇様

お疲れ様です。〇〇部の〇〇です。

本日、朝から体調が優れず、出社が遅れる可能性がございます。
現在、自宅にて様子を見ておりますが、回復に時間を要するようでしたら、改めてご連絡させていただきます。

皆様にはご迷惑をおかけいたしますが、何卒ご理解いただきますようお願い申し上げます。

取り急ぎ、メールにてご連絡いたしました。

会議に遅れる場合

件名:〇月〇日〇〇会議への遅刻のご連絡

〇〇様

いつもお世話になっております。〇〇部の〇〇です。
本日〇時より開催の〇〇会議につきまして、誠に申し訳ございませんが、〇〇(遅刻理由:電車遅延、急な所用)のため、〇時〇分頃の到着となる見込みです。

皆様にはご迷惑をおかけいたしますが、到着次第、速やかに会議に合流させていただきます。

ご迷惑をおかけしますが、何卒よろしくお願い申し上げます。

署名 〇〇 〇〇

遅れる可能性がある場合のビジネスメール例文【納期編】

  • 遅れる可能性がある場合のビジネスメール例文【納期編】

    納期に遅れそうな場合のビジネスメールの例文を紹介します

ビジネスにおいて、納期厳守は信頼の証です。しかし、予期せぬトラブルや急な仕様変更などにより、納期に遅れが生じることもあります。そのような状況下で、相手への迷惑を最小限に留め、理解を得るためには、適切なビジネスメールでの連絡が不可欠です。

ここでは、納期遅延の可能性を伝えるビジネスメールの例文を紹介します。

基本的な納期遅れのメール

件名:【重要】〇〇(案件名や製品名など)納期遅延のご連絡

〇〇株式会社
〇〇様

平素より大変お世話になっております。
〇〇株式会社の△△でございます。

現在進めております〇〇(案件名や製品名など)につきまして、誠に申し訳ございませんが、当初予定しておりました〇月〇日の納期に間に合わない見込みとなりました。

遅延の主な原因は〇〇(具体的な理由:〇〇の工程における遅延、最終確認に時間を要しているため)でございます。

つきましては、納期を〇月〇日に変更させていただきたく、お願い申し上げます。 ご迷惑をおかけいたしますこと、深くお詫び申し上げます。何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。

署名 〇〇 〇〇

納期遅延のフォローメール

件名:【進捗ご報告】〇〇(案件名や製品名など)納期遅延の件

〇〇株式会社
〇〇様

平素より大変お世話になっております。
□□株式会社の△△でございます。

先日は、〇〇(案件名や製品名など)の納期遅延につきましてご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございません。

現在の進捗状況をご報告いたします。〇〇(遅延の理由となった事項)につきましては、〇〇(具体的な状況:部品の調達が完了いたしました、〇〇の工程が完了いたしました)ため、〇月〇日には出荷が可能となる見込みです。

改めて、納期遅延によりご不便をおかけいたしますこと、深くお詫び申し上げます。 引き続き、納品に向けて最大限の努力をしてまいりますので、何とぞご理解賜りますようお願い申し上げます。

署名 〇〇 〇〇

進捗を伝えるのに時間を要する場合のメール

件名:【〇〇の件】進捗状況のご連絡にお時間を頂戴いたします

〇〇株式会社
〇〇様

いつもお世話になっております。〇〇部の〇〇です。
現在、〇〇(具体的な案件やタスク名)の進捗状況について確認しております。

〇〇(確認に時間を要する理由:関連部署との調整に時間を要しており、技術的な調査に想定以上の時間を要しております)のため、詳細なご報告まで今しばらくお時間を頂戴したく存じます。

進捗状況がわかり次第、改めて〇月〇日までにはご連絡させていただきます。
ご迷惑をおかけいたしますが、何とぞご理解いただきますようお願い申し上げます。

署名 〇〇 〇〇

遅れる可能性がある場合は早めの連絡が大切です!

  • 遅れる可能性がある場合は早めの連絡が大切です!

    何事も早めの行動が肝心!

遅刻、納期遅延、進捗報告の遅れなど、理由はさまざまですが、共通して最も重要なのは、遅れる可能性に気づいた時点で、できる限り早く相手に連絡することです。早期の連絡は、相手に準備の時間を与え、信頼関係の構築につながるだけでなく、結果的にトラブルを最小限に抑えるための賢明な判断といえるでしょう。

職場や取引先と良好な人間関係を築くためにも、早め早めの行動を大切にしてください。