番組の企画から放送構成まで、生成AIが24時間365日サポート――フジテレビでは、地上波番組制作者向けのAIシステム「放送作家プラス1」を活用している。視聴率やタレントパワーなど、テレビ局ならではのデータを生成AIと組み合わせ、番組制作に実践的な助言を行うことを目指すという。

  • フジテレビ本社=東京・台場

    フジテレビ本社=東京・台場

制作者を24時間365日支援

フジ・メディア・ホールディングスが公表した26年度中間期の決算説明資料で、「放送作家プラス1」をリリースしたことを明らかにした。地上波コンテンツ制作者を24時間365日支援する「専属AIコンサルタント」として開発されたシステムで、汎用LLM(大規模言語モデル)に、視聴率やタレントパワーなどのテレビ局由来のデータと、番組固有のデータを組み合わせることで、番組・コンテンツの企画、内容、OA構成に対して、より実践的な助言を行うという。

一般的な生成AIの機能に加え、テレビ局が扱うデータや個々の番組に関する情報を活用することで、実際の番組制作に即したサポートを目指していく。

月9『救命病棟24時』でも生成AI活用 全ドラマへの展開目指す

フジテレビでは、番組制作におけるAI活用を進めており、7月の組織改編では、デジタル戦略統括室に「AIセンター」を新設。全社横断の「AI利活用委員会」を発展的に解消し、AI活用の推進・責任体制を明確化した。

また、湾岸スタジオには生成AIの実験場「AI Sandbox」を設置し、9月から運用を開始。月9ドラマ『救命病棟24時』などの制作で活用しており、一部の映像制作工程では、特定工程の検証結果として最大80%の削減を実現したと報告している。2027年10月をめどに、すべてのドラマでAIを活用できる体制を整える方針だ。

さらに、AIに詳しくない制作者でも静止画や動画を容易に作成できる「動画生成AIラッパー」を、9月から本格導入。フジ・メディア・ホールディングスや系列局への利用拡大に向けた協議も進めている。

このほか、全社員向けのAI eラーニングを実施し、AI関連のリテラシー向上と利用ルールの浸透を推進。業務面では、出演契約書作成の自動化や視聴率のAI簡易分析など、定型業務の効率化にも取り組んでいるとしている。