フォーイットが運営する「Mediverse」は10月29日、「NISAに関するアンケート」の調査結果を発表した。調査は2026年10月6日~10月7日、18歳以上の男女500名を対象にインターネットで行われた。
「旧NISA」と「新NISA」利用実態を調査
NISA(少額投資非課税制度)は、株式や投資信託などの運用で得られる利益に税金がかからなくなる国の税制優遇制度として、2014年に制定された。
2014年に「一般NISA」が開始後、2016年に「ジュニアNISA」、2018年に「つみたてNISA」が順次追加され、2024年には「新NISA」がスタートしたことで、非課税保有期間の無期限化や口座開設期間の恒久化、年間投資額の拡張など制度が抜本的に拡充された。
2023年までの旧NISAと、2024年から始まった新NISA。人々はどのようにこの制度を活用し、資産形成を行っているのか。全国18歳以上の男女500名を対象に、調査が実施された。
NISA利用率は27.2%、30代が最多
全国18歳以上の男女500名に対して、NISA(ニーサ/少額投資非課税制度)をやっているか聞いたところ、約3割(27.2%)が「NISAをやっている」と回答した一方で、7割強(72.8%)は「NISAをやっていない」ことがわかった。
男女別にみると、「NISAをやっている」と回答した割合は、男性(31.6%)が女性(22.8%)を上回っていることから、男性の方がより積極的である実態がうかがえる。
年代別では、「NISAをやっている」と回答した割合は、30代(35.7%)をピークとした山型の分布が見られた。30代~50代は3割台を維持し、60代では2割程度に減少していることから、資産形成の必要性が高まる子育て・ファミリー層に相当する30代~50代を中心にNISA利用が進んでいることが考えられる。
ライフステージ別(婚姻別・子ども有無)にみると、「NISAをやっている」と回答した割合は、既婚層(36.8%)が未婚層(22.1%)の約1.7倍となっており、家族を持つことで将来への資金準備意識が高まる様子が垣間見える。また、子どもの有無で見ると、子あり層(38.0%)が子なし層(22.6%)の約1.7倍となっており、教育資金や将来の家族の資産形成を見据えたNISA活用が活発であることが見受けられる。
世帯年収別では、「NISAをやっている」と回答した割合は、年収が高くなるほど利用率が上がる傾向が見られた。世帯年収300万円未満の層では約1割(10.7%)に留まるのに対し、世帯年収700万円~1,000万円の層(43.7%)や世帯年収1,000万円以上の層(42.2%)では4割を超えており、その差は4倍以上に達している。投資に回す生活資金の余力がNISA利用に大きく影響をしていることが推察される。
NISA口座開設先は「ネット証券」が7割超
「NISAをやっている」と回答した136名に対して、NISA口座を開設した金融機関を聞いたところ、約4人に3人が「ネット証券(72.8%)」を選んでいることがわかった。次いで、「銀行・ゆうちょ・信金・労金(16.9%)」、「店舗型証券(9.6%)」となり、店舗を構える対面型金融機関よりも、利便性に優れるオンライン金融機関が主流となっている実態が確認できる。
男女別にみると、「ネット証券」の利用割合は、男性(72.2%)・女性(73.7%)ともに7割を超えており、男女問わず、標準的な選択となっていることがうかがえる。
年代別にみると、30代(86.7%)・40代(92.6%)では、「ネット証券」が約9割と圧倒的シェアを占めるのに対し、60代では「ネット証券」が4割弱(36.8%)と大幅に減少していた。加えて、60代では、「銀行・ゆうちょ・信金・労金(47.4%)」が約半数を占めていることから、対面でのサポートのある店舗型金融機関への信頼度が根強いことが示唆される。
ライフステージ別(婚姻別・子ども有無)では、「ネット証券」の利用割合は未婚層(76.4%)が既婚層(68.8%)を上回る一方で、既婚層は「銀行・ゆうちょ・信金・労金(18.8%)」や「店舗型証券(12.5%)」といった対面型店舗の割合が計3割を超えていた。また、子どもの有無でみると、子あり層(71.9%)・子なし層(73.4%)ともに7割を超えており、偏りはほとんど見られず、オンラインでの口座選びが定着していることがわかる。
世帯年収別にみると、「ネット証券」の利用割合は、世帯年収700万円~1,000万円の層(84.2%)と世帯年収1,000万円以上の層(81.5%)がともに8割を超えて高水準となっているのに対し、世帯年収300万円未満の層では約半分(47.1%)に留まっていることから、世帯年収とネット証券の利用率に一定の相関関係が見られる。
NISA口座開設先の金融機関の決め手
「NISAをやっている」と回答した136名に対して、その金融機関に決めた理由を聞いたところ、「元々口座があったから(46.3%)」が約半数を占める結果となった。さらに、「手数料が安いから(37.5%)」が続いており、日常的な利便性の高さと実質的なコストの低さが、開設先選びの二大要因となっていると言える。
男女別にみると、金融機関の選定理由において「元々口座があったから」と回答した割合は、男性(46.8%)・女性(45.6%)ともに約2人に1人となり、ジェンダー差はほとんど見られなかったが、「手数料が安いから」と回答した割合は、女性(40.4%)が男性(35.4%)を上回っていることから、女性は男性以上にコスト面を意識していることが見て取れる。
年代別では、金融機関の選定理由に年代ごとに異なる傾向が見られた。
20代では「ポイントやクレカ積立があるから(33.3%)」が最も高く、50代では「手数料が安いから(57.7%)」が過半数を超えており、他世代より目立っていた。さらに、60代では「元々口座があったから(79.0%)」が約8割と群を抜いて高い状況にあることが確認できた。
ライフステージ別(婚姻別・子ども有無)では、金融機関の選定理由に、婚姻状況や子どもの有無によって顕著な違いが表れた。
未婚層は、「手数料が安いから(44.4%)」が最多となり、「SNS・ネットで見たから(12.5%)」も既婚層(1.6%)を大きく上回る結果を示していた。
一方、子どもの有無で見ると、子あり層は「元々口座があったから(54.4%)」が半数以上となっており、子なし層(40.5%)と開きが見られる。また、「ポイントやクレカ積立があるから」「家族・知人に勧められたから」「SNS・ネットで見たから」においても、子なし層の方がいずれも優勢である傾向が浮き彫りとなった。
世帯年収別では、金融機関の選定理由に明確な違いが見られた。
世帯年収500万円~700万円の層は「手数料が安いから(55.6%)」が過半数を占めて最多となり、コストを抑えることを重要視している状況がうかがえる。一方で、世帯年収1,000万円以上の層は「元々口座があったから(66.7%)」が他の層と比べても突出しており、既存の取引口座へ集約させる傾向が強いことが見て取れる。
NISA開始時期は旧制度からの継続が52.9%
「NISAをやっている」と回答した136名に対して、NISAを始めた時期を聞いたところ、半数を超える52.9%が「~2023年(旧NISA)」から継続運用しているという結果が出た。裏を返せば、「2024年以降(新NISA)」から参入した割合の合計は半数弱(47.1%)となり、NISA利用層における旧NISAからの継続組と新NISAからの参入組がほぼ二分する状況となっていることがわかる。
男女別にみると、男女ともに「~2023年(旧NISA)」から始めた割合は半数以上であったが、女性(56.1%)の方が男性(50.6%)を上回っていた。また、新NISAが始まった「2024年」から参入した割合は、男性(16.5%)が女性(7.0%)の2倍以上となっていたことから、旧NISAと新NISAの制度変更が影響している可能性が考えられる。
年代別でみると、「~2023年(旧NISA)」からの開始割合は、年代が上がるほど高くなる傾向が見られ、20代では3割程度(33.3%)に対し、60代では約8割(79.0%)と約2.5倍に達していた。これと対比するように、「2024年以降(新NISA)」からの参入割合は若年層ほど高くなっている実態が浮き彫りとなった。
ライフステージ別(婚姻別・子ども有無)にみると、「~2023年(旧NISA)」からの参入割合は、未婚層(54.2%)・既婚層(51.6%)、子あり層(54.4%)・子なし層(51.9%)といずれも5割台で同水準であった。しかし、新NISA制度が始まった「2024年」には明確な差が見られており、既婚層(18.8%)は未婚層(6.9%)の約3倍、「2026年」からの参入割合は未婚層(18.1%)が既婚層(4.7%)の約4倍と対照的な動きが見られた。加えて、子どもの有無においても同様の傾向が見られ、2024年は子あり層、2026年は子なし層の参入割合がそれぞれ高い数値を示していることが確認できる。
世帯年収別にみると、世帯年収300万円未満の層では、「~2023年(旧NISA)」の開始がもっとも多い6割強(64.7%)であるのに対し、世帯年収1,000万円以上の層では、「2024年~2026年(新NISA以降)」に開始した割合が6割強(62.9%)となっていることから、低所得層ほど旧NISAからの継続割合が高く、高所得層ほど新NISA制度開始後の参入割合が高いという特徴が見られる。






