さくらクリニック益田は2026年10月27日、睡眠時無呼吸症候群(SAS)やその治療法に関する意識調査の結果を発表した。調査は日本全国の15歳以上の男女550人を対象に行われた。
睡眠時無呼吸症候群は日中の眠気や生活習慣病のリスクにつながる
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、睡眠中に何度も呼吸が止まったり、浅くなったりする疾患だ。質の高い睡眠が妨げられることで、日中の強い眠気や倦怠感が生じ、集中力や判断力の低下につながる。重大な交通事故や労働災害を引き起こす要因となることもあり、社会的な課題として認識されている。
また、放置すると高血圧、心筋梗塞、脳卒中などの重篤な生活習慣病のリスクを高めることも分かっている。
今回の調査は、一般の人が睡眠についてどのような悩みを抱えているかに加え、SASや具体的な治療法、特に薬に頼らない治療法について、どの程度認知しているかを明らかにする目的で実施された。調査結果を、SASの危険性や適切な治療法を周知・啓発するための指針とする。
約4割が睡眠に関する悩みや指摘を経験
現在、睡眠に関する悩みがあるか尋ねたところ、「現在、睡眠に関する悩みがある」と回答した人は31.6%だった。「悩みが過去にあったが現在は解決している」(6.0%)、「悩みはないが、指摘を受けたことがある」(2.0%)を合わせると、睡眠に関する何らかの課題や指摘を経験した人は39.6%に上った。
悩みの上位は「眠りが浅い」「寝つきが悪い」
睡眠に関して悩みや指摘を受けた内容を尋ねたところ、最も多かったのは「眠りが浅い・熟睡できない」(57.9%)だった。次いで「寝つきが悪い」(55.5%)が続き、いずれも半数を超えた。そのほか、「夜中に何度も目が覚める」(40.2%)、「朝早く目が覚める」(29.7%)、「日中も眠い・居眠りをしてしまう」(28.7%)が挙がった。
また、SASの疑いがある症状として、「いびきがひどいと指摘される」(14.4%)、「呼吸が止まっていると指摘される」(8.6%)という回答も見られた。
睡眠に悩む人の73.7%が医療機関で診断を受けず
睡眠に悩みを抱える人に、悩みについて何らかの診断を受けたことがあるか尋ねたところ、「診断を受けたことはない」が73.7%と最多だった。診断を受けたことがある人では、「精神疾患の診断を受けたことがある」(14.4%)、「睡眠時無呼吸症候群という診断を受けたことがある」(11.5%)という結果になった。
睡眠の悩みに対して43.5%が「特に何もしていない」
睡眠に関する悩みについて、現在行っている、または過去に行っていた対策を尋ねたところ、「特に何もしていない」が43.5%で最も多かった。自分で行う対策では「運動」(23.9%)が最多で、「薬物療法(処方薬)」(18.2%)が続いた。一方、「医療機関への相談」は12.0%にとどまった。
調査では、睡眠に悩みを抱えていても、医療機関への相談に至っていない人が多い実態が明らかになった。
薬に頼らない治療法を知っている人は8.9%
睡眠の悩みについて、医療機関で受けられる「薬に頼らない治療法」の存在を知っているか尋ねたところ、「知らない」が91.1%を占めた。「知っている」と回答した人は8.9%にとどまり、認知度の低さが浮き彫りになった。
認知されている治療法は「運動や生活習慣の改善」が最多
薬に頼らない治療法を知っていると回答した人に、具体的にどのような治療法を知っているか尋ねたところ、「運動や生活習慣の改善」が61.7%で最も多かった。次いで、SASの代表的な治療法である「CPAP療法」(51.1%)が半数を超え、「マウスピース」(40.4%)が続いた。
薬を使わない治療法には期待と費用面の懸念
CPAP療法やマウスピースなど、薬を使わない治療法についてどのような印象を持っているか尋ねたところ、「知らない・関心がない」が34.5%で最も多かった。具体的な印象では、「費用が高そう」(24.6%)、「面倒くさそう」(21.6%)といった懸念が挙がった。一方、「体に負担が少なそう」(21.2%)、「副作用の心配がなさそう」(20.5%)と肯定的に捉える人もいた。
ただし、「根本的な解決につながりそう」と回答した人は7.8%にとどまった。薬を使わない治療法には肯定的な印象がある一方、費用や手間への懸念、治療効果への期待の低さも見られた。
専門クリニックの受診には治療方法と費用の情報が重要
SASの疑いがある場合、どのような情報があれば専門クリニックを受診しようと思うか尋ねたところ、「治療方法の詳細」と「治療の費用」がともに49.2%で同率トップとなった。次いで、「治療期間の目安」(30.7%)、「検査方法」(28.4%)、「治療を受けた人の体験談」(27.5%)が続いた。
受診を検討する際には、具体的な治療の進め方や費用、期間などを事前に把握したいと考える人が多いことが分かった。







