テレビ画面を注視していたかどうかが分かる視聴データを独自に取得・分析するREVISIOでは、11日に放送されたNHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』(総合 毎週日曜20:00~ ほか)の第39話「茶々の本心」の視聴分析をまとめた。
「私は生涯、この家のお荷物となってここで朽ち果てまする」
最も注目されたのは20時14分で、注目度72.8%。茶々(井上和)が秀吉(池松壮亮)の親族たちから夫婦について聞かされるシーンだ。
「どこにも嫁ぎたくないとはどういうことじゃ。初(田牧そら)と江(西川愛莉)も嫁ぎ先は決まってあとはそなただけじゃ」大坂城の廊下を歩きながら、秀吉は茶々にそう言った。「何度も申し上げたとおり、私は誰とも夫婦になる気はありませぬ」「だからそれは何故じゃ」取り付く島もない茶々に秀吉は困り果てている。
「妹たちの世話をしていただいたことはお礼申し上げます。でも私は、殿下の政のためにいいように使われるのは真っ平でございます」「そのようなつもりはない」秀吉の言葉が部屋の中で虚しく響いた。
「殿下、お呼びでござりますか」副田吉成(前原瑞樹)とあさひ(倉沢杏菜)、秀長(仲野太賀)の3人が秀吉のもとに現れる。夫婦の素晴らしさを茶々に伝えるため、秀吉が呼んだのだ。
「夫婦になりたての頃は、まき割りとか、水くみとか、力仕事しなくて済むようになったでしょ」あさひは茶々と向き合うと、そう切り出した。茶々もまったく興味がないというわけでもないようだ。
「わしは飯炊きや繕いをやってもらえて助かったわ」「そんなのおっか様と同じじゃない」「はあ?」「あと話したいことがあった時にすぐ話せたり」「それだって姉様や兄様と同じじゃろ」「えっ! 全く違うじゃろ」あさひと吉成の話は噛み合わないまま、次第に白熱していく。
「やめえ! 夫婦のいいところを教えよと言うておるのにけんかしちゃいかんだろ」見かねた秀吉が仲裁に入った。「だんだん思い出してきた。初めの頃はあんま好いておらんかったわ」「はあ?」「でも、少しずついいとこも分かってきて。駄目なところもまあいいかって思えるようになって」「ふ…」この夫婦は何を言いたいのかよく分からない。
「それを言うたらわしは始め妻から敵と思われておった」次に秀長が慶(吉岡里帆)と出会った時のことを口にした。それを聞いた茶々の目がひときわ大きく開かれる。「ほとんど口も聞いてもらえんかった」「ははははは!」秀長のつぶやきに秀吉が笑う。
「じゃが、今となってはわしのことを誰よりも支えてくれる一番の味方じゃ」秀吉は「ああ、どうじゃ。夫婦とはよいものであろう」と茶々に問いかけるが、「誰のもとに嫁いだとて、幸せになどなれませぬ」と茶々は頑ななままだ。秀吉と秀長はうなだれた。
「私は生涯、この家のお荷物となってここで朽ち果てまする。殿下の苦しむお顔を眺めながら」茶々の素っ気ない一言に、秀吉は畳の上に倒れた。
「上げて落とすのは大河ドラマの伝統」
このシーンでは、仲睦まじい副田吉成とあさひに、歴史を知る視聴者の視線が集まったと考えられる。
茶々の幸せを願う秀吉は、茶々を嫁がせようと四苦八苦する。豊臣秀次(山田涼介)も候補に挙がったが、誰が妻となろうと興味のない秀次に、茶々は託せそうにない。そんな中、茶々にめおとの素晴らしさを伝えようと、秀吉は吉成とあさひ、秀長を呼び寄せ、それぞれの視点から夫婦の素晴らしさを語らせる。しかし、茶々の頑なな態度を崩すには至らなかった。このタイミングで吉成とあさひにスポットライトを当てたところに、制作側の狙いがうかがえる。
SNSでは「この場でこの二人に夫婦のいいところ話させるなんて、容赦ないな」「上げて落とすのは大河ドラマの伝統だよね」「あさひちゃんも吉成も、ずっといい人だったからつらくなってきた」と、この後、過酷な運命が待ち受けている2人への分かりやすい伏線に、視聴者のコメントが集まった。
作中では目立った活躍が描かれていない副田吉成だが、史実では秀吉から重用されていたようだ。秀吉が大徳寺で信長の葬儀を行った際、吉成は杉原家次・桑原貞也とともに奉行役を務めた。直前の海賊一揆で多伊城を奪われた直後にもかかわらず、重要儀式を任されており、秀吉の信頼の厚さがうかがえる。
また、賤ヶ岳の戦いの際には、捕縛された猛将・佐久間盛政(遠藤雄弥)と柴田勝家(山口馬木也)の養子・柴田勝敏の身柄を預かり、京都へ護送するという大役を担った。秀吉の義理の弟として、それなりの地位を築いてきた吉成。次回の展開が気になるところだ。

