16日、フジテレビが『ウォーターボーイズ2027』の来夏放送を発表した。同作は2001年の映画公開後、03年に連ドラ『ウォーターボーイズ』、04年に連ドラ『ウォーターボーイズ2』、05年に2夜連続ドラマ『ウォーターボーイズ 2005夏』を放送。来夏の新作は実に22年ぶりであり、ティザー映像が公開され、さまざまな反響があがっている。

このところフジテレビは『101回目のプロポーズ』、『GTO』(カンテレ制作)、『救命病棟24時』、映画『踊る大捜査線』と名作の続編やリメイクが続いていた。ただ、これらと比べても『ウォーターボーイズ』シリーズはいくつかの点で続編・リメイク向きの作品に見える。

ここではドラマ解説者・木村隆志が、主演・市原隼人、ヒロイン・石原さとみの『ウォーターボーイズ2』をピックアップしつつ、シリーズ全体の魅力と続編・リメイク向きである理由をあげていく。

  • 『ウォーターボーイズ2』原作 矢口史靖/アルタミラピクチャーズ (C)フジテレビ/共同テレビ

    『ウォーターボーイズ2』原作 矢口史靖/アルタミラピクチャーズ (C)フジテレビ/共同テレビ

令和では希少な若者の純粋な姿

『ウォーターボーイズ2』の主人公は東京の高校から父の故郷にある姫乃高に転校した高3の水嶋泳吉(市原隼人)。元女子高で男子生徒が1割程度しかいない逆境の中、泳吉が山本洋介(中尾明慶)、川崎仙一(斉藤慶太)、岩田巌男(小池徹平)、佐野秀樹(木村了)とシンクロ部を結成し、校内公演に挑むまでの日々が描かれた。

肩身の狭い男子生徒たちは東京から来た泳吉を救世主として持ち上げるが、その正体は運動も勉強もダメな劣等生。生徒会長・大場加代(浅見れいな)、教師・大原夏子(山口紗弥加)ら女性たちからシンクロ公演を認めてもらえない。さらに練習場所も見つからず、廃部の危機にさらされ、コーチから指導してもらえないなど苦難の連続。それでも彼らは明るさを失わず、公演の実現を決してあきらめない。

来夏ドラマのティザー映像に「不器用で でたらめで わがままで でも、仲間想いの男たちがいま走り出す」というナレーションとテロップが見られる。彼らは「男がシンクロ?」と笑われても、「何の意味があるのか」とバカにされても、「やりたい」と思ったことに全力で挑んでいく。コスパやタイパ重視の人が増える中、打算ではない若者の純粋さをドラマくらいは描いてもいいように見える。

これまでのシリーズで共通していたのは、メンバー集めから、シンクロ練習スタート、校内発表会(自主公演)、合宿、公演開催の危機、本公演までを描く流れ。さらに冴えない主人公、「泳げない」「厳しい家庭環境」のメンバー、金欠や借金でのアルバイト、教師らの猛反対などの設定も共通していた。来夏の新作は22年ぶりとなるが、それでもこのあたりの設定を変えないのか、それとも令和仕様に変えるのか、気になるところだ。

もう1つシリーズを通して変わらないのは、クライマックスの公演に向けて積み重ねていく構成であること。『ウォーターボーイズ2』で言えば、最終第12話の公演シーンに向けてそれまでの11話が描かれ、「ラストで一気に感動と涙が爆発する」という連ドラの魅力を存分に生かす構成だった。