やまやで氏による累計発行部数25万部突破の同名BL漫画を実写化した“大人の両片想い”ラブストーリー『お前のほうからキスしてくれよ』(フジテレビ19日スタート、毎週月曜24:45~ ※初回25:00~関東ローカル/FODで独占見放題配信、TVerで無料見逃し配信)。鈴木仁演じるクールで真面目な経理部員・上野功と、押田岳演じる明るく社交的な営業部のエース・神田瑛人は、一見正反対だが、実は気を許し合う特別な友人同士。互いを大切に思うからこそ一歩を踏み出せずにいる、2人のもどかしい恋模様を描く。

今回が初共演となったW主演の鈴木と押田は、撮影初日から自然に打ち解け、互いの芝居に刺激を受けながら役を作り上げていったという。原作から感じた役の魅力、撮影現場で見えた互いの素顔、そして意外と“交わらない”2人の趣味について聞いた。

  • (左から)押田岳、鈴木仁 撮影:蔦野裕

    (左から)押田岳、鈴木仁 撮影:蔦野裕

原作のコメディ要素を取っ払い「リアルな世界観」を追求

――本作への出演が決まった時の心境と、原作・脚本の印象からお聞かせください。

鈴木:主演を任せてもらえるのはありがたいですし、素直にうれしかったです。この上野と神田という異なるキャラクターが混ざり合うことで生まれる化学変化みたいなものが、すごく素敵な作品だなと思っていて。それをどうドラマ化できるのか。監督と話しながら、どういう世界観で作っていけるのか。すごく楽しみにしていました。

――原作を読まれた時は、上野の目線で読まれたのですか?

鈴木:上野をやることは決まっていたので、最初は上野の軸で読んだかなと思います。漫画だと絵があるからこそ、基本的には無表情なんだけど、たまにポンと違う表情が垣間見えたりもするじゃないですか。

 コメディタッチにするなら、上野みたいなキャラも振り切って楽しくできるけど、僕はリアルな世界観でやったほうがこの2人はきれいに見えるだろうなと思っていたら、監督からも「リアルな世界観でいきたい」という話があったんです。そこからコメディチックな表情は一回全部取っ払って、ポーカーフェイスで作れるギリギリのラインを探りながらやっていきました。それこそモノローグと空気感と画に頼っていかないといけないなと思って、振り切ってやりましたね。

押田:僕はこれまでBL作品にはたくさん出演させてもらったんですが、主演をやるのは初めてだったので、シンプルにうれしいし、光栄だなと思いました。

 ファンタジーより、割と身近な生活を描いた物語のほうが好きなんですが、原作を読んでみたら、本当に現実味のあるお話というか。この2人が恋愛をしていく上で、「(キャストが)仁とならイケるんじゃね?」という楽しみな気持ちもありました。

初対面で「岳くんなら大丈夫だ!」

――今回が初共演ということですが、現場で会う前に抱いていたお互いの印象は?

押田:仁は……クールなイメージ。本当に原作コミックの上野にピッタリのイメージでしたね。でも実際に会ってみて、多少「良いほうに」変わったというか……(笑)。めちゃくちゃしゃべるし、かわいいし、人懐っこいし。「すっごい良い人!」って思いました。

――鈴木さんは、押田さんと会う前はどんな印象を?

鈴木:正直分からなかったです。もちろん悪い印象も一切なくて、「分かんない、どんな感じなんだろう……?」と思っていました。でも初対面で、「岳くんなら大丈夫だ!」と思いました(笑)

――それぞれのキャラクターを、どんなふうに作り上げていかれたのでしょうか。

鈴木:“漫画のキャラクター”というのはありつつも、上野という一人の人間として世界に立っていたいという思いが強かったので。ポッケ(ポケット)に手を突っ込まないで、スーツが似合ってさえいれば、上野としての第一印象はつかめるんじゃないかと思っていました。

 そうすると自然と背筋も伸びるし、所作もきれいになったりする。一つひとつ組み立てるより、大枠の「第一印象の上野像」を作ったら、それが自然とほかの所作にも出てくるんじゃないかなと思ったんです。

押田:僕も仁と同じく、原作漫画を読んで印象的なシーンを抽出はします。でも、どの役を演じる時もそうですけど、トレースだけに重きを置いてしまうと、自分が神田をやる意味はないし、リアルさも消えていくと思うんです。

 自分との「共通点」を探していく作業だけを先にやって、あとは現場で仁がどう仕掛けてくるか。自分の頭の中で想像することには限界があるし、芝居場の雰囲気みたいなものからもらえるものがたくさんあるので、「あとは現場に行ってから考えよう」という役作りでしたね。

――ご自身と役との共通項は、どんなところに感じましたか?

鈴木:好きなジャンルが上野とは全然違うから、共通点があるとは思っていなかったんですが、マイルールというか、自分で勝手に決めて自分のためにやっていることは、僕にもあるかもしれない。

 俺は割と直感型で、自分が「やろう」と思ったことは即行動に移すタイプ。インテリアや家具の置き方も自分の中でなんとなく流れがあって、計算してやっている部分はあるから。変な堅物さは俺にもあるかもしれないですね。

押田:僕と神田の共通点は、常に周りの様子をうかがって生活しているところですかね。上野とは真逆で、神田は周りをいろいろ見ながら自分の立ち位置を探っているようなところがあるのかなと思っているんです。

 自分が中心にいるというよりは、客観的な第三者みたいな視点が、(ジョジョの)“スタンド”みたいにいるんだろうな……というイメージがあって。僕も割と“スタンド”がいるほうなんで(笑)。それを使おうかなぁと思いながらやっていました(笑)