東京メトロと三菱電機は8日、鉄道用の「同期リラクタンスモータシステム : SynTRACS」と「超小型VVVFインバータ装置」を組み合わせた新たな主回路システムを東西線05系に導入すると発表した。両システムを組み合わせた主回路システムの導入は世界初とのこと。従来と比べて約20~30%の省エネ効果を見込んでいる。

  • 東京メトロ東西線の車両05系。JR中央線などにも乗り入れる

    東京メトロ東西線の車両05系。JR中央線などにも乗り入れる

「SynTRACS」は、同期リラクタンスモータとそれを制御するインバータで構成されるシステム。東京メトロと三菱電機が共同で、日比谷線13000系において世界で初めて実証試験、営業線長期評価試験、営業運用を行った。一般的な誘導モータシステムと比較して約18%の省エネ効果があることを確認している。

同期リラクタンスモータは、回転子鉄心内の磁気抵抗差によって生じる「リラクタンストルク」で駆動する。一般的な誘導モータと比べて回転子の発熱損失が小さく、効率と質量特性に優れることが特徴。今回採用するモータは、従来の誘導モータと比べて重量を約9%削減した上で、出力を約22%向上させた。今回、定格出力250kW、重量551kgのモータを10両編成の05系に計16台搭載する。

一方、同期モータを駆動するVVVFインバータ装置は大型化しやすいことが課題となっていた。今回導入する超小型VVVFインバータ装置は、最新のSiCパワー半導体素子を採用し、スイッチング損失を減らすことで発熱を抑制。冷却器の小型化に加え、高性能CPUを活用した高集積制御基板によって装置構成を刷新した。

  • 新たな主回路システムが東西線05系車両に導入された

    新たな主回路システムが東西線05系車両に導入された

  • 超小型VVVFインバータ装置導入前後の比較

    超小型VVVFインバータ装置導入前後の比較

これにより、従来のVVVFインバータ装置と比べて体積を約81%、重量を約43%削減。既存車両のリニューアル工事における導入性を高め、床下機器の柔軟な配置も可能とした。超小型VVVFインバータ装置は1台あたり重量140kg。1編成に計16台搭載する。

東京メトロと三菱電機は、今回の主回路システムを導入した東西線05系について、2026年12月の営業運転開始を予定。2030年度までに合計9編成へ導入する計画としている。