WOWOWで放送・配信中の「連続ドラマW 東野圭吾『虚ろな十字架』」(毎週日曜22:00~、WOWOWオンデマンドで第1話~アーカイブ配信あり)で、初共演を果たした香取慎吾と赤楚衛二。同作は、東野圭吾氏が2014年に発表した同名小説を、瀬々敬久監督が初めて映像化する社会派サスペンスだ。
11年前に起きたある事件をきっかけに妻と離婚し、孤独と虚しさを抱えて生きる中原道正(香取)と、義父が女性を殺害したことで「加害者家族」となった仁科史也(赤楚)を軸に、「死刑制度」や「償い」の意味を問いかける。
完成報告会では、瀬々監督が香取の“受け”の芝居に石原裕次郎さんや勝新太郎さんのような「スター」を感じたと評し、赤楚もまた、実際に対峙(たいじ)して「底が見えない感じ」があったと語っていた。一方、香取が赤楚に見いだしたのは、自身が同じ年頃には持てなかったという「まっすぐさ」。互いの芝居から何を感じたのか。さらに、“スター”と呼ばれてきた香取自身の俳優論にも迫った。
差し入れのタイミングも察知 香取慎吾が感じる“芝居の真骨頂”
――香取さんは今回の現場で、いろいろと差し入れをされていたそうですね。
赤楚:美味しいお弁当を頂きました。たしか、福岡のお弁当だったと思います。どうやって手に入れたのか分からないですけど(笑)
香取:僕、差し入れ好きなんで(笑)。「きっとみんなそろそろ疲れてくる頃だろうな」というタイミングで、撮影の合間に自分でパッと行って、コンビニのスイーツを大量買いするんです。
――香取さん自ら、買いに行かれるのですか?
香取:行きます行きます。コンビニの店員さんが一瞬「あっ!」となる感じはあります(笑)。大量に買って現場に持っていくと、まんまとみんな「わぁ~!」と喜んでくれるので、「あ、やっぱり“今”だったんだ」とうれしくなるんです。
――瀬々監督が、香取さんについて「その場を一気に繊細に把握する力がある」と評していましたが、今のお話にも通じるものがありますね。「場を察知する力」は、お芝居にもつながっていると思いますか?
香取:それは、もちろんありますよ。赤楚くんとの撮影最終日にもありました。お互いの役としてのクライマックスでもある感じがして、あの緊張感は好きですね。役者同士が言葉を多く交わさなくても、「どっちに動きますか」「こういきますか」というやりとりが気持ちいい。
しかも、そういう時ほど「そこ、もうちょっとこうしてください」という瀬々監督の声が、森の中でより強く響き渡る感じがあるんです。監督の声を受けて、僕らも「よし、じゃあそっちなんだな」と感じる。そういう無言の中で交わすやりとりが、俳優としてお芝居を続けてきた中での真骨頂というか、芝居をやっていて楽しい瞬間ですね。もちろん、そういうお芝居は撮影も本当に大変で、いろんな苦労が絶えないんですけどね。
石原裕次郎さん、勝新太郎さんに通じる“受け” 香取本人は「分からない」
――赤楚さんも、「香取さんに芝居で受け止めてもらった」と話していましたよね。
赤楚:はい。
――瀬々監督も、香取さんの受けのお芝居に、石原裕次郎さんや勝新太郎さんのような「スター」を感じたとおっしゃっていました。
赤楚:お芝居は、技術云々よりも「人」が見えてくる瞬間が絶対にあると思っています。現場でパッと対峙(たいじ)した時に、受け止めてくれる懐の深さのようなものを、香取さんから感じました。それは、僕がいまだかつて一度も感じたことがない類のものでした。ああいうものを“スター性”と言うのかなと。「底が見えない感じ」というか。
――香取さんは、ご自身のスター性についてどう捉えていますか?
香取:自分ではよく分からないですね…。カメラの前で変わるか変わらないかということで言うと、監督がいて、「本番スタート」で始まって、「オッケー!」となれば、そこで終わるわけですけど、やっぱり「監督に褒められたい」という思いはずっとありますよね(笑)。単純なんです。「オッケー!」となって、「今のよかったですね」と監督に言われて、涼しい顔で「あ、はい」とか言いながら、心の中では「ヨッシャー!!!」とガッツポーズしているタイプです(笑)
