勝ち残った出場者たちを見渡して、「皆さん、めっちゃいい顔してますね」と称える櫻井。人数が絞られてくると、一人ひとりの顔も見えてくるようで、「翔さんありがとう」と声をかけた敗者に、「さっき倒れ込んでらっしゃいましたね」と直前の姿を確認した。
櫻井を驚かせる者もいた。『Casa BRUTUS』の連載「櫻井翔のケンチクを学ぶ旅。」で15年にわたって櫻井を担当してきた編集者が、櫻井に知らせず参加していたのだ。その姿を発見した櫻井は「びっくりした!」と声を上げた。
スタンバイ中にも、櫻井は決して場を止めない。「我こそは遠くからいらっしゃった方いますか?」と参加者へ呼びかけ、愛媛や鳥取から来た人がいると「遠くからありがとうございます」とお礼を伝えた。
長年『news zero』でさまざまな人へのインタビュー取材を経験し、嵐としてコンサートでは生の観客の前でパフォーマンスしてきた櫻井だけに、“聞く力”や声援に対する“反応力”が、この場面で生きているように見えた。
出場者との距離感という意味では、初代MCの福留との違いも見えてきた。福留が参加者たちをグイグイ引っ張っていく兄貴分のような存在だったとすれば、櫻井はあくまで同じ目線に立ち、そこで聞こえた言葉や見えた表情を丁寧に拾っていく。
令和版『ウルトラクイズ』ならではのMC像が、早くも作り上げられていた。
そして長い戦いを経て、1次予選通過者が決まると、櫻井は参加者たちを前にこう感謝を伝えた。
「29年ぶりの復活ということで、福留さん、福澤さんの後を受け継ぐということもあり、緊張もしていましたが、“がんばって!”、“ありがとう”、“また来年”という言葉をかけていただきました。多くのスタッフにも励みになったと思います。改めて温かい思いで29年ぶりの復活を迎えてくれてありがとうございました」
「本当に“素敵な番組なんだな”と思いました」
本番を終え、取材に応じた櫻井がまず振り返ったのは、「とにかく、熱気がすごかったですね」と、参加者たちの熱い思いだった。
福留、福澤という大先輩の後を歩むことに「不安な部分と緊張」があり、MCを務め上げられるのかという思いも抱えていた。それでも、出場者が温かく『ウルトラクイズ』に迎え入れてくれたことで「すごく心強かった」と話す。
さらに心を動かされたのは、敗者たちが会場を去る姿だった。
ここまでさまざまな準備をしてきたにもかかわらず、「ありがとう」「楽しかったよ」と手を振り、勝ち残った人たちに「頑張ってねー!」とエールを送る。それを見て、櫻井は「本当に“素敵な番組なんだな”と思いました」と感慨深く語った。
