YouTubeやTikTokを開けば、美容情報はいくらでも手に入る時代。その中で、あえて長尺の番組を作る理由を、玉野氏は“人生物語”に求めている。

「美容情報」だけを紹介するのではなく、その人に密着取材することで、「生き方」や「考え方」まで見えてくる。「そこはTikTokなどではなかなかできないものだと思った」といい、番組を「エイジレスな人の楽しい生き方図鑑」と表現する。

だからこそ、「老化を敵視して、“老化と戦うぞ”という番組では決してない」と強調。実際にエイジレスな人々を取材して感じたのは、若さにしがみついているのではなく、「老いと上手に付き合いながら、人生を楽しんでいる」という共通点だった。

もちろん、あくまで番組の縦軸は美容だ。「人生だけを描いたら普通のドキュメンタリー番組になってしまうので、“美容軸”は絶対に崩さない。でも美の秘密を見ていくと、結局その人の“人生”や“生き方”が見えてくる。そこがこの番組の良さ」と狙いを明かした。

  • 長谷川潤 (C)AbemaTV, Inc.

    長谷川潤 (C)AbemaTV, Inc.

“エイジレスな人”として番組に登場したのは、第1回が長谷川潤、第2回が蛯原友里。普段メディアで明かすことの少ない美容習慣だけでなく、その奥にある生活や人生にもカメラを向けている。

蛯原に密着すると、メディアになかなか登場しない母親や、家族とのプライベート旅行も公開。玉野氏は「エビちゃんのお母さん、むちゃくちゃおきれいです!」と感動したという。

母親は年齢を重ねてからも新しいことに挑戦するなど、日々を前向きに楽しんでいるそうで、今回の取材を通して「一番のエイジレスの秘密は、そこなのかもしれないです。いくつになっても“新しい挑戦”を忘れず、その挑戦すら“楽しみながらやる”。コレだと思いました」と納得した。

ちなみに玉野氏は今回、蛯原が愛用する入浴グッズ「guteee!」の「Hoteee!」を知って、すぐに購入。「効果を調べる前に、“エビちゃんが使っているなら俺も買おう”って(笑)」と、制作する側自身もすっかり番組の影響を受けているようだ。

  • 蛯原友里愛用の「Hoteee!」(C)AbemaTV, Inc.

    蛯原友里愛用の「Hoteee!」(C)AbemaTV, Inc.

MC3人の“なかよしリアリティショー”の要素も

番組のもう一つのキーワードが、「“私、何もやってません”の向こう側」だ。

かつては、「私、何もやってないです」と語り、美容のための努力をあえて表に出さないことも一つの美学だった。一方で現在は、自分が何をしているのかを積極的に共有する人が増えてきたと感じており、「美の努力を“隠す”時代から、少しずつ“見せる”時代になってきた令和だからこそのアンチエイジング番組になっていると思います」と話す。

その先に目指すのは、単に「きれいになりたい」と思わせる番組ではない。玉野氏は、映画『プラダを着た悪魔』を例に挙げ、「見終わった後に、私も人生、もうちょっと頑張ろうと思える、ほんの少し自己肯定感が上がる番組になれば」と考えている。

そして回を重ねれば、美容知識だけでなく、小田切、池田、小島という3人の関係にも変化が起きていく。古巣・フジテレビの名物番組『はやく起きた朝は…』のように、3人の関係性そのものも見どころになっていくと捉えており、「ある意味、“なかよしリアリティショー”なのかもしれません(笑)」と表現した。

“老けない秘密”を探しているうちに見えてくる、その人が人生を楽しむ方法。そこに、初対面だった3人の新たな関係性も重なっていく。『エイジレスボーイズ』は、美容情報のその先にある“人間物語”を楽しむ番組になりそうだ。

  • 玉野鼓太郎氏 撮影:大木雄介

    玉野鼓太郎氏 撮影:大木雄介

●玉野鼓太郎
1986年生まれ、大阪府出身。立命館大学卒業後、2012年にフジテレビジョン入社。『ホンマでっか!?TV』『さんまのお笑い向上委員会』『ダウンタウンなう』『人志松本の酒のツマミになる話』などバラエティ番組を担当し『街グルメをマジ探索!かまいまち』『ワンピースバラエティ海賊王におれはなるTV』などを企画、26年3月末で同局を退社した。その後、クリエイティブ会社「パン屋の息子」を立ち上げ、配信プラットフォームを中心に企画開発を展開。ABEMAのオリジナルバラエティ番組『エイジレスボーイズ』(毎週木曜21:00~)で企画・総合演出を務める。