現在、拠点の一つとする沖縄では、居酒屋の女将として働くこともある尾野。東京と沖縄を行き来するなかで、土地の人々とのつながりを身近に感じているようだ。
「沖縄には『模合(もあい)』という仲間同士で定期的に集まってお金を積み立てて、順番に受け取る相互扶助の習慣があるんです。みんなで月に1回お金を出し合って、今困っているメンバーがいたら、『俺、明日こういう行事があるから、それに使いたい』と言って、『じゃあ、お前取っとけ』と渡す。そんな感じなんです」
もちろん、そこには沖縄らしいユーモアもある。
「お酒を呑みながらやるので、『助け合い』というより、『呑むため』なんですけど(笑)。でも、そうやって『ああでもない、こうでもない』『あれしよう、これしよう』と話をしながら、お互いに人を助け、助けられるというのは、本当に素晴らしいなと思います。私も参加したりしますね。まあ、呑むためですけど(笑)」
「周りの力ですね。地域の力」尾野真千子が感じる支え合い
そんな尾野自身にとって、困った時に頼れる“駆け込み寺”を聞くと、「2つですね。事務所と主人です」と返ってきた。事務所には、仕事だけでなく私生活のことも相談するという。
「困ったら駆け込みます。それぞれのスタッフに得意分野があるので、『ちょっとこれ、どうにかなんない?』みたいなことを言うと、みんなそれぞれ話を聞いてくれたり、願いをかなえてくれたりするんです(笑)。私生活から仕事まで、全部駆け込んでますね」
夫には、どんなことがあってもかけてもらえる一言があるそうだ。
「うちの主人は、私が何を言っても『大丈夫!』と言葉をかけてくれるんです。『本当は大丈夫じゃないんだろうな…』と思いながらも、『大丈夫!』というその一言で、私を安心させてくれる。私にとって、本当に“駆け込み寺”なんですよ」
誰かに支えてもらうことと、自分も誰かを支えること。その両方があって、人とのつながりは続いていく。
「周りの力ですね。地域の力。自分も助け合いしなきゃね(笑)」
●尾野真千子
1981年生まれ、奈良県出身。97年に映画『萌の朱雀』で主演デビューし、『火の魚』『Mother』『名前をなくした女神』『カーネーション』『最高の離婚』『ライオンの隠れ家』『阿修羅のごとく』などのドラマ、『クライマーズ・ハイ』『そして父になる』『茜色に焼かれる』『新幹線大爆破』などの映画に出演。映画『八月の声を運ぶ男』が現在公開中。今後、映画『汝、星のごとく』が10月9日公開、ドラマ『kiDnap GAME』が10月スタート。
