俳優の尾野真千子が、フジテレビのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』(毎週日曜14:00~ ※関東ローカル)のナレーション収録に臨んだ。担当したのは、6日・13日の2週にわたり放送される「人生 最期までお付き合い」。地域の人々の人生に寄り添い、最期まで見届ける、神奈川県大磯町の寺の2人を追った作品だ。
誰かの「こう生きたい」にとことん付き合う2人の姿を見つめた尾野は「自分にそれができるかなって言われたら…」と率直な思いを吐露。沖縄で感じる助け合いの文化や、自身にとっての“駆け込み寺”についても語った――。
「大好きなタバコを吸いたい」と施設から自宅へ
神奈川県大磯町にある東光院の住職・大澤さん(40)と執事・古井さん(45)は、寺の仕事だけでなく、地域の人々の暮らしにも深く関わっている。子どもも大人も同じ食卓を囲む“町のたまり場”を作り、介護や一人暮らしの相談にも向き合う2人。その付き合いは人生の最期まで続く。
葬儀会社に頼らず、遺体の搬送から手当て、死化粧、遺影作り、葬儀まで自ら行う。生前から知る人だからこそ、その人らしい最期を迎えてほしい――そんな思いから、復元納棺師のもとで技術も学んだ。
画家の兼弘さん(88)は、妻を亡くしてから一人暮らしを続けていた。施設に入ったものの、「自由に暮らしたい。大好きなタバコを吸いたい。家に帰りたい」と望み、2人の支えで再び自宅へ。髪を切り、食事を整え、手すりや見守りカメラを設置し、ときには一緒にたばこを吸う。何でもない時間も共に過ごしてきた。
ところが、兼弘さんは自宅で転倒し、歩くことができなくなってしまう。再び施設で暮らすことになり、2人は遠く離れた娘に「今のうちに会いに来てほしい」と伝えるのだが…。
「“綺麗事”でも、やり続けることは本当にすごい」
大澤さんと古井さんの献身ぶりを前に、「自分だったら同じことができるだろうか…」と考えたという尾野。「『人のために何かをする』って、簡単に言えることではないと思うんです。私だって、地域のために何かしたいと思うことはあるけど、自分にそれができるかと言われたら…。なかなかできないですよね。本当に『すごい』の一言なんですよね」と舌を巻く。
直前まで、「人のために何かをする」という言葉を耳にしても、尾野は「そんなの綺麗事だ」と思っていたそうだが、2人の活動を見て、その言葉の意味を捉え直した。
「“綺麗事”という言葉自体は綺麗なものではなかったとしても、それを本当にやり続けることは、本当にすごいことだと思いました」
見守り続けてきた誰かが亡くなると、遺体も自分たちで搬送し、自ら手当もする。そして、その人らしいやり方で見送る。そんな姿にも、強く心を動かされたという。
「たとえ余命いくばくかだと分かっていたとしても、こうやって、自分が死んだ後のことまで気にかけてくださる方がいるということが、本当に心強いと思いました。そういう人がいてくれたら、本当に安心して自分の人生を全うできるんだろうと思います」

