映画『ナギダイアリー』(9月25日公開)のジャパンプレミアが8月29日に都内で行われ、深田晃司監督、松たか子、石橋静河、松山ケンイチが登壇した。

  • 松たか子 =オフィシャル提供写真

    松たか子 =オフィシャル提供写真

松たか子が映画『ナギダイアリー』の脚本を読んだ感想

深田監督がオリジナルで脚本を執筆し、完成までに9年もの歳月をかけた本作。深田監督は「2016年8月に初めて奈義町を訪れた時に、平田オリザさんの『東京ノート』を奈義町現代美術館で映画化しようという話から始まりましたが、東京を舞台にするのはもったいないと思って、奈義を舞台に決めました」と企画の始まりを説明し、「奈義町には10カ月ぐらい過ごして、イベントに参加したり、街で起こったことや出会った人から聞いた話が反映されています」と、脚本が形作られていった過程を振り返った。

この脚本を読んだ印象について、松は「これは(石橋さんが演じる)友梨さんのお話だな、と思ったのが最 初の感想。友梨さんがナギで出会った人たちや見た風景、そういうものが彼女の中の何かを形作っていく。友梨が出会ったものの中の一種類が寄子で、ちゃんと存在しなきゃなと思った印象でした」と回想した。

撮影が行われた岡山県奈義町での思い出

本作に登場する架空の町「ナギ」のモデルであり、撮影が行われた岡山県奈義町での思い出を聞かれると、松は「私と静河ちゃんは隣同士のロッヂで、多く作ったご飯を交換したりしていました」と振り返り、石橋も「私はカレーをお持ちして。松さんは玄米とか」と撮影中の交流を明かした。

さらに石橋が「松さんはカメムシが苦手なんですよね」と切り出すと、松は「私は虫がとても苦手なんですが、松山さんから『虫たちからしたら僕たちがお邪魔しているんですよ』と教わり、反省しました」と告白。一方、松山は「今回僕はWi-Fiが使える環境がいいと言ったので、実は大きな一軒家でした。カメムシは一匹もいなかったです。わがまま言ってすみません」と会場の笑いを誘った。

さらに「せっかく大きいところに泊まれるなら、親子役を演じた川口くんと同級生役の藤原くんも呼ぼうということで、ご飯を作ったりケーキを作ったり、川口君と親子の距離感をつくっていました」と、撮影外でも親子役の関係を育んでいたことを明かした。これに石橋が「ケーキをホールで5~6個作っていましたよね」と付け加えると、現場では人気ですぐになくなったというケーキを食べられなかった深田監督が、寂しげに振り返っていた。

彫刻家の寄子を演じるにあたって重ねた準備

また、本作で彫刻家の寄子を演じるにあたって松は「彫刻家の吉田愛実(あみ)さんにサポートしていただいて、制作過程を教えていただきデッサンや粘土をやりました。繊細な作業なようで、大胆だったり、寄子を知る手がかりになりました。吉田さんがずっと現場で寄り添っていてくれたのでとても心強かったです」と、現場で準備を重ねた思い出を語った。

最後に松は「どう思われるかドキドキして、この日を迎えました。何かあるかもしれないし、何もないかもしれない。でも、ナギの人の心の中では何かが起きているお話だと思います。目に見えた刺激を求めた方がどう思われるかはわからないけど、かすかな明日のことを考えることができるように、小さな希望をもって生きている人たちの姿を見守って、最後まで観ていただけたら嬉しいです」と観客へメッセージを送った。

(C)2026 ナギダイアリー・パートナーズ (スターサンズ/八朔ラボ/ワンダーストラック) / Survivance / Momo Film Co.

【編集部MEMO】
映画『ナギダイアリー』ストーリー
近くの山から切り出される木でひとり彫刻を作る寄子。ある日、東京と台湾で建築家として活躍してきた友梨は、 数日間の休暇をとって、別れた夫の姉・寄子のもとを訪れる。都会にはない「ナギ」での穏やかな生活。妻を亡くした寄子の幼なじみの好浩、そして息子の春樹とその親友の圭太――人々との出会いは、日常に小さな揺らぎをもたらしていく。やがて、彫刻のモデルを毎晩つとめるなかで寄子の知られざる喪失に触れ、友梨にも変化が起きていく。