小学校で起きた火災を巡り、避難した児童にテレビ各社がインタビューしたことは適切だったのか――放送倫理・番組向上機構(BPO)の青少年委員会が7月28日の会合で、子どもの心のケアと、現場を直接知る当事者の証言を伝える意義について議論した。
火災から避難した児童への取材に批判
公開された議事概要によると、東京都北区の小学校で6月19日に起きた火災を報じるテレビ各社のニュースで、避難した小学生に出火時の様子をインタビューしたことについて視聴者から「保護者が許諾したからと言って取材するのではなく、子どもたちの心のケアを考えるべきだ」などの批判的な意見があった。
担当の委員は「避難する時にけがをした子どももいて、(出火時は)生命の危機を感じる状況だったと思う。特定の子どもに取材が集中する(メディアスクラムのような)状況ではなく、いろいろな子が個別にインタビューされていた。保護者がそばにいて(取材の)同意を得ていたのだろう」と説明した。
ある委員は「私が見たのは3年生以上の子で、子どもたちがどのように感じたのかが伝わるものだった。“(批判されるので)子どものカメラ取材は全部やめてしまえ。それが無難だから”となるのは問題だろう。今回の事案はかなり配慮されていて、無神経な取材ではなかったという印象だ」と述べた。
別の委員は「報道の原点は何が起こったのかを伝えることであって、それに必要であれば、子どものインタビューも行うべきだと思う。だから、その原点を守るために取材上の配慮は忘れていないことを、メッセージとして報道機関側は示すべきだろう」と強調した。 ほかの委員は「子どもが当事者になっており、その場で見聞きしたからこそ言えることがある。子どものメンタルに対する配慮が必要なことはもちろんで、その上で(ニュース報道では第三者の)伝聞ではなく、直接語ってもらうのは大事だと思う」と指摘。
最後にさらに別の委員が「一般論でいえば、(子どもを取材すること自体に)批判的な意見が寄せられるのはメディア不信の表れだろう。今回の事案では火災の状況を直接的に伝える意義を優先すべきだし、(報道機関側が)萎縮しすぎないという視点が大事だろうと思う」と議論をまとめた。
