サントリーは7月31日、JR高輪ゲートウェイ駅直結の「TAKANAWA GATEWAY CITY ゲートウェイパーク」に、同社初となる公共空間での「ノンアルコール飲料専用自動販売機」を設置した。
ノンアルコール飲料をより身近な選択肢として定着させる新たな試みで、同日にはメディア向け取材会も開催した。
サントリー初「ノンアル専用自販機」が高輪ゲートウェイに登場
今回のプロジェクトは、同社が掲げる「ノンアルコール飲料を『スマートな飲み物』から『ファンな飲み物』に変えていきたい」というコア戦略の一環。自動販売機の設置期間は8月16日までの期間限定で、まずはテスト展開として実施される。
この日の取材会では、サントリー未来創造本部でノンアル部長を務める福本匡志氏が登壇。公共スペースでノンアルコール飲料を販売する今回の取り組みについて、次のように意気込みを語った。
「サントリーにとっては初めての試み。今回はテスト展開ではありますが、しっかりと検証を行い、この取り組みの可能性を確認していきたいと考えています。ノンアルコール飲料をひとつの選択肢としてしっかりお客様に提示し、アルコール飲料と並ぶ当たり前の選択肢にしていく。そのような世の中をつくっていきたいと考えています」
今回の設置場所として高輪ゲートウェイ駅前が選ばれた背景には、この再開発されたばかりの土地が持つ多様な客層があるようだ。福本氏によれば、夏休み期間中は駅前広場の噴水で遊ぶ子どもたちを見守るファミリー層が多く、また通勤・退勤時間帯には、周辺で働くビジネスパーソンも数多く行き交うという。
「少し暑いなか、自分たちも気分転換したいという大人の方に加え、退勤時に少しベンチに座りながらコミュニケーションを取っていただく。飲み会に行くほどではないけれど、『少しだけコミュニケーションを取ろうよ』というような時間のきっかけづくりにもつながるのではないかと考えています」
“自動販売機”で販売することの利点として強調されたのが、アクセスの良さとラインナップの豊富さだ。わざわざお店に入らず、「少し喉が渇いた」「気分を切り替えたい」と思った瞬間に商品を購入できるほか、小売店の限られた棚割では実現しにくい多種多様なラインナップを一度に提供できる点も大きなメリットだという。
一方、同社におけるノンアルコール飲料は、「20歳以上の方の飲用を想定した0.00%のお酒」と位置づけられている。公共の場での販売にあたりメーカーとしての責任を果たすため、独自の安全対策も講じた。
「20歳以上のお客様に安心して楽しんでいただける環境をつくるため、販売時間中の専用巡回員による巡回など、しっかりと責任を持って行ってまいります」
巡回員は2名を配置する予定で、20歳未満とみられる購入者に対して声掛けを行い、必要に応じて身分証明書の提示を求めるマニュアルを整備。これについては行政からの指導によるものではなく、あくまでメーカーとして自主的に責任を持ちながら取り組んでいるのだという。
同社は過去に、企業内でビールテイスト飲料「オールフリー」の自動販売機をテスト設置したことがある。今回は、多種多様なラインナップを取りそろえ、企業内という限られた空間ではなく、公共スペースというまったく異なる環境での再挑戦となる。
また、高輪ゲートウェイ駅構内および周辺のカフェでも、来年1月末まで継続的にノンアルメニューを展開する。テスト期間中に得られる売上データや、巡回員による飲用動向の調査結果をもとに、今後さらなる展開や、設置ロケーションの可能性についても検討していく方針だという。
「自動販売機で選ぶ楽しさも含めて、提供できる価値は大きいと思っています。年齢確認というハードルはありますが、それを超えていくアイデアも考えながら、丁寧に進めてまいりたいと思います」
生活の動線上に現れた、サントリー史上初の「ノンアル専用自販機」。お酒を飲まない、あるいは飲めないシーンにおける新たな選択肢として定着していくのか。テストの結果に今から注目が集まる。






