――本作では、「好きなものを人に言えない鷲尾」と、「好きなものが見つからない凜」、それぞれ異なる悩みが描かれます。お二人は、「好き」とどう向き合ってきましたか?

川崎:フィギュアスケートをずっとやっていましたが、それ以外で何か一つの趣味に夢中になった経験が、実はあまりなくて。今回、「好き」と向き合う作品だからこそ新鮮に感じました。

小川:私は逆ですね。好きなことがたくさんありすぎて、一つに絞れないタイプなんです(笑)。音楽も好きで、トランペット、クラリネット、ドラム、ピアノ……と、いろいろやってきましたし、気になったものはとりあえず挑戦したくなってしまいます。

――お二人の性格も対照的なんですね。

川崎:本当に真逆です(笑)。彩は好奇心旺盛で、一人でもいろいろなところへ出かけたり、新しいことに挑戦したりできるタイプなんですよ。

小川:人生一度きりなので、思い切り楽しんだほうがいいかなって(笑)

川崎:私は一度「これが好き」と思ったら、そればっかりなんです。同じものを毎日食べても平気ですし、お洋服も気に入ったら色違いを何着も買います。

小川:毎日同じものを食べたり飲んだりしてるよね(笑)

川崎:はい(笑)。アイスにチャイティーラテ、お豆腐、プリングルズのサワークリームオニオン味。それが毎日の定番です。

―― 一方、小川さんはコレクション好きだとか。

小川:ガチャガチャとかスクイーズ、スライムが大好きで、昔はかなり集めていました(笑)。感触の面白いものが好きなんです。今でもASMRをよく聴きますが、「もちもち」とか「パリパリ」とか、そういう感覚にとても惹かれるんです。

川崎:本当にすごいんですよ(笑)。私は子どもの頃からガチャガチャもあまりやらないタイプだったので、「そんな世界があるんだ!」と思いながら見ています。好きなものがたくさんあるところが、本当にうらやましいです。

小川:私は「フットワーク軽々」です(笑)

川崎:そう(笑)。彩は「やってみたい!」と思ったらすぐ行動できるんですよね。私はどちらかというとリアリストなので、その感性がすてきだなと思います。

――お二人のお話を聞いていると、「好き」の形は一つではないんだなと感じました。

小川:本当にそうだと思います。私は一つに絞れないタイプですけど、ファンの皆さんが「そういうところが好き」と言ってくださるので、それも自分らしさなのかなと思えるようになりました。

川崎:好きなものが一つでも、たくさんあっても、どちらでもいいんですよね。この作品を通して、「好き」の形は人それぞれなんだと思っていただけたらうれしいです。

不器用だからこそ共感「失敗するのは自分だけじゃない」

――鷲尾と凜それぞれの不器用な部分も、どこかご自身と重なりましたか?

川崎:私は本当にしゃべることが苦手で、自分の思いをまっすぐ伝えることが得意ではないんです。それに、意外と器用そうに見られることが多いのですが、実はとてもどんくさくて(笑)。この前も横断歩道の何もないところで転んでしまって、新しい洋服を着ていたのに汚れてしまいました。

小川:私は物理的に不器用ですね(笑)。今回の撮影でもいろいろこぼしてしまったり、迷惑をおかけしてしまったりしたのですが、皆さんが笑ってくださって、本当に温かい現場でした。

――完成した作品をご覧になって、改めて感じたことは?

小川:台本を読んでいる時はあまり気にならなかったのですが、完成した映像を見たら、「凜ちゃん、すごく『私、どんくさいんで』って言ってる!」なって(笑)。「これは監督の愛あるいじりだったのかな?」なんて考えちゃいました。

川崎:(笑)

小川:もちろん「だからこのセリフにした」という話ではないのですが、監督には普段から「本当に残念だね」と愛のあるいじりをしていただいていたので、「もしかして…?」と思っちゃいました(笑)

――劇中では、サプライズが思わぬ形で失敗してしまう場面も印象的でした。

小川:あのシーンはとても印象に残っています。失敗した経験は誰にでもあると思うんです。乃木坂46でも、失敗した時は先輩方がフォローしてくださることが多くて、その温かさを思い出しました。

川崎:あの場面は本当にリアルでした。「言っちゃダメ」と分かっているのに、つい口にしてしまうことは日常でもありますよね。しかも、その失敗は意外と自分の中では長く引きずってしまう。でも、この作品を見て、「そういう経験をしているのは自分だけじゃないんだ」と思っていただけたらうれしいです。

小川:きっと凜ちゃんも、家に帰ったら泣いていたと思うんです。でも、この作品を見た方が、もし今ちょうど同じようなことで落ち込んでいたとしても、「大丈夫」と少しでも前向きな気持ちになっていただけたらうれしいですね。