生成AI時代、ニュース映像の“本物”をどう見極めるのか――日本テレビが、フェイク画像・映像の氾濫に対応する真贋判定技術の開発を進める。9日、「真贋判定技術」の開発プロジェクトを発足した。

  • 日本テレビ本社=東京・汐留

    日本テレビ本社=東京・汐留

特定のAIモデルに依存しない判定手法を目指す

同プロジェクトは、画像鮮明化アルゴリズムや復元高解像度化技術開発などを手がけるロジック・アンド・デザインとの共同プロジェクトとして推進。日テレが持つ報道・メディアにおけるファクトチェックの知見と、同社が保有する特許技術を融合し、人間の目では識別不可能な高度なAI生成コンテンツを識別する手法の開発に挑む。

生成AI技術の進歩により、精巧なフェイク画像や映像の生成が容易になる中、報道機関では、事件・事故、災害時などにSNSへ投稿された動画や画像をニュース素材として活用する場面がある。一方で、生成AIによって作られたフェイク動画や画像の投稿も増加しており、日本テレビは「こうした動画や画像を使用することによる誤報リスクがかつてないほどに高まっています」と指摘する。

開発する真贋判定技術では、日本テレビ報道局が培ってきたファクトチェックの知見と、ロジック・アンド・デザインの映像・画像の鮮明化アルゴリズムなどを応用した判定システムの構築を目指す。

現在の生成AIは技術革新のスピードが速く、特定のAIモデルに依存した判定手法では、新しいAIが登場した際に機能しなくなる懸念がある。そのため、同プロジェクトでは「特定の生成AI技術の進化に左右されない本質的なアプローチ」による手法の開発に注力する。将来にわたって報道現場で機能し続ける、強固な真贋判定システムの確立を目指すとしている。

2027年内の技術確立・実用化を目標に

日本テレビは、今回の技術開発について「非常にチャレンジングなテーマ」であり、「既存の延長線上にはない未知の領域への挑戦」と説明。ロジック・アンド・デザインでは、実用的なシステム開発までのステップを計画的に進め、2027年内の技術確立および実用化を目指す。

生成AI時代において、報道素材の真正性をどのように担保するかは、メディアの信頼性に直結する課題となっている。両社は、それぞれの強みを掛け合わせ、報道現場の技術的セーフティネットとなるシステムの開発を進める。