フジ・メディア・ホールディングスは11日、同社サイトに清水賢治社長による「ステークホルダーの皆様へ」と題したメッセージを掲載した。フジテレビの出演者をめぐる人権事案の発生から1年余りの取り組みを振り返り、コンプライアンス、ガバナンス、事業構造、資本政策に関する改革を進めてきたと説明。「好きでつながる明日をともに」を掲げ、今後も「メディアの発信力をもつコンテンツ企業」として成長を目指す姿勢を示した。
「メディアの発信力をもつコンテンツ企業」へ
同社は5月、中期的な経営方針を示す「Group Vision 2026-2030 Ver.1.0」を発表。清水社長は、同ビジョンについて、同社の在るべき姿と中期的な経営方針を示すものだと位置づけた。
メッセージでは、「メディアの発信力をもつコンテンツ企業」として、クリエイターやパートナーとともに新たな企画やコンテンツの種を生み出し、映像・音声コンテンツやライブエンターテインメントを創り、提供していくと説明。作品をメディアを通じて直接届けられることも同社の強みだとした。
また、コンテンツへの興味や共感から生まれる「好き」を起点に、クリエイティブの力とメディアの伝える力を活用し、人と人が安心してつながる未来に貢献していくことを目指すと表明。「“好きでつながる明日”を皆様と“共に”つくっていくことが私たちの願いであり、当社の経営の基礎となる考え方です」としている。
「価値創出ループ」でIP価値を高める
同社は、社会に貢献し提供していく価値を「価値創出ループ」として表現した。
その原動力について、清水社長は「無から有を生み出す新たな発想やアイデア」と説明。そこから創り出される作品やコンテンツを、メディアを通じてユーザーに届けることが同社の価値になるとした。
さらに、本当の価値は、ユーザーが作品やコンテンツを「好き」と感じることにあるとし、その熱量によって作品やコンテンツが大きく育ち、それが次のクリエイティブの原動力になるという循環を「価値創出ループ」と位置づけている。
5年間で1,500億円の成長投資
事業構造については、都市開発・観光事業への外部資本導入の検討開始を2月に公表したことに触れ、作品・コンテンツ・知的財産権を核にした事業へ転換していく方針を示した。
今後5年間で、コンテンツとメディア関連事業、新規事業領域に計1,500億円の成長投資を行う方針も掲げている。重点強化領域別では、IP開発・獲得に200億円、制作・ディストリビューション強化に500億円、IP多角展開に800億円を投じる計画だ。
清水社長は、フジテレビについて、映画製作ビジネスでは日本最大級のプレイヤーであり、テレビドラマ発の作品やオリジナル作品でも数多くのヒット作を生み続けていると説明。テレビ番組から育ったキャラクターや、ラジオ番組から生まれたライブエンターテインメントも、多くのファンの「好き」の熱量を受けて成長しているとした。
人的資本投資150億円、クリエイターが挑戦できる環境へ
清水社長は、感動を生み出す原動力はクリエイターの自由な発想と情熱であり、同社は作品づくりにチャレンジする思いを最も大切にしていると強調した。
そのため、フリーランスやパートナー企業、グループ各社のクリエイター、制作者、ビジネスプロデューサー、それらを支える人たちが安心して活躍できるよう、「人的資本投資」として今後5年間で150億円を投じることを決定。誰もが働きやすい環境を守り、「クリエイターが自由にチャレンジできるナンバーワン企業」でありたいとした。
