「お母さんの愛に勝てるものはない」――。岸本加世子が、映画『FUJIKO』を通して改めて感じた思いを語った。早くに母を亡くした自身の経験を重ねながら、シングルマザーとして生きる主人公の姿に胸を打たれたという。
岸本加世子とYOUの“バトルシーン”秘話も
映画『FUJIKO』の公開記念舞台挨拶が6日、都内で開催され、片山友希、YOU、渡辺友那、MEGUMI、リリー・フランキー、岸本加世子、木村太一監督が登壇した。
本作は、映画『AFTERGLOWS』、King GnuのMVやNIKE、Louis VuittonなどのCMで活躍する木村太一が監督を務め、映画『零落』やNetflix「ラヴ上等」などで近年プロデュース業にも進出しているMEGUMIが企画・プロデュースを担当。木村監督が母の半生を原案にした脚本によって、急速な変化に揺れる時代を背景に、シングルマザーの主人公・富士子が既成の価値観や社会規範に抗いながらも、自らの人生を切り拓こうとする姿を描いている。
映画の舞台は1977年の静岡。富士子の母・千代役を演じる岸本は静岡出身であるため、「静岡が舞台の作品って多いようであんまりないんですよね。『細うで繁盛記』とか『清水次郎長』とか。なので、今回静岡が舞台なのがものすごくうれしくて。まあ、静岡ロケは連れてってもらえなかったんですけど(笑)」と故郷への思いを語った。
さらに、岸本が「でも私、一人だけちょっと静岡弁を軽くやってるんですけど、浮いてないか心配だったんです」と言うと、MEGUMIが「いえいえ、もう静岡の方も岸本さんのあのシーンに大喜びで。イタリアの映画祭でもやっぱり岸本さんのあのシーンが一番ウケてました」と、予告編の冒頭にも使われている言い争いの場面を絶賛する。
同シーンについて岸本は「YOUさんと喧嘩するあのお茶をかけるシーンばかりいっぱい使われて(笑)」と、意地悪な姑・古宮敏子役を演じたYOUとともににっこり。そんな二人を見て、リリー・フランキーは「なんかあれだけ見ると『ババァ・ファイト・クラブ』みたいな感じですよ」とツッコミを入れ、会場の笑いを誘った。
そこから一息つき、岸本は「真面目な話をすると、私は早くに母親を亡くして、静岡愛がものすごく深かった母への思いが今でもやっぱりあるんですよ。この映画を通して『お母さんの愛に勝てるものはない』って改めて思いました」と、シングルマザーで子供を育てる主人公・富士子の姿と自身の思いを重ね合わせて伝えた。
また、岸本とYOUの“バトルシーン”の撮影について、木村監督は「とにかく緊張感がすごかったのは覚えています。一番覚えているのは岸本さんと事前にお茶の投げ方を40回ぐらい練習したことです」と回顧。続けて、小さいことが心配だったようで「YOUさん顔が小さいから、顔に一発で行きたいなと。湯呑みのお茶碗だと外れたときに乾かすのが大変だから、一発でドバーンとかかるように」と撮影の裏側を語った。
映画『FUJIKO』ストーリー
舞台は、1977年の静岡。嵐がひどく停電した病院で娘・麻理を出産した富士子。母親になった喜びも束の間、夫の実家から理不尽な仕打ちを受け続けたあげく、姑と義姉に麻理を奪われてしまう。
愛する幼な子と引き離された絶望の中、実母・千代の力を借りなんとか麻理を取り返した富士子は、周囲の反対を押し切りシングルマザーとして麻理を育てることを決める。しかし、その先に待ち構えていたのは、図らずも自身が憧れていたロックンロールのような波乱万丈の人生だった――。

















