2026年、毎週日曜テレビ放送の特撮ヒーローシリーズとして50年もの間愛されてきた「スーパー戦隊シリーズ」に代わり、“赤いヒーロー”が活躍する新シリーズ「PROJECT R.E.D.」がスタートした。現在放送中の第1弾、『超宇宙刑事ギャバン インフィニティ』は、子どもたちに鮮烈なインパクトを与えている。
「スーパー戦隊シリーズ」では第1作『秘密戦隊ゴレンジャー』(1975年)で本格的に試みられた「変身ヒーローがチームを組んで悪と戦う」フォーマットに、第3作『バトルフィーバーJ』から「巨大ロボット」という要素が加わり、等身大ヒーローアクションと巨大ロボット特撮が大きな見せ場となり、守るべき骨子の部分(チームワークで戦うヒーロー/巨大メカ、巨大ロボの特撮アクション)を大切にしながらも、各作品の世界観や設定、悪の組織のキャラクターなどは大胆なまでに変革が試みられ、創意工夫が重ねられてきた。
「PROJECT R.E.D.」では、長年培ってきた「スーパー戦隊」でのノウハウを活かしながら、今までにない特撮ヒーロー像を目指してさまざまなアイデアが盛り込まれた、意欲的な作品作りが行われており、玩具でも作品の魅力を存分に伝えるべく開発がなされているようだ。
今回、『超宇宙刑事ギャバン インフィニティ』に登場する魅力的なキャラクターやメカニックを商品化する、玩具開発担当のバンダイ トイ事業部 木村覚志氏にお話をうかがった。
長年にわたり子どもたちを魅了し続けてきた「スーパー戦隊」にひとつの区切りをつけ、新たなる道を切り拓こうとするチャレンジ精神や、往年の大ヒット作『宇宙刑事ギャバン』(1982年)の名を受け継ぐにふさわしい新ヒーローを、どのように玩具で表現するのか、興味深い話題が飛び出した。
例えるなら、「スーパー戦隊」はカレー専門店、「PROJECT R.E.D.」は創作料理店!?
50年・49作続いた「スーパー戦隊シリーズ」から、新たに「PROJECT R.E.D.」第1弾をスタートするにあたって、商品開発の面においても「歴史と伝統を意識する」から「何をやってもいい」という空気にガラリと変わりました。
「スーパー戦隊シリーズ」はある意味"安定路線"の位置づけで、ヒーローはシンプルなスタイル、色分けされた(基本)5人のチーム、巨大ロボットを操縦して……といった決まりごとを守りつつ、設定やキャラクター作りを毎年工夫していました。バラエティ豊かな作品を作りだしてきた一方で、ある程度の枠組みは存在している。一度それらをすべて取っ払ってみたら、もっと新しいことができるのではないか? というのが、「PROJECT R.E.D.」シリーズが立ち上がった理由のひとつです。
守るべきフォーマットがなくなったことにより、これまでできなかったこと、やってみたかったことを積極的にやろうとしています。ただ、何をやってもいいというのは言われてみるとなかなか難しいもので、これまでやってきた「スーパー戦隊」という枠組みがいかに優れていたかも再確認できました。
例えてみれば、スーパー戦隊は「カレー専門店」のようなもので、毎年カツカレーにしようか、本格インドカレーにしようか、和風カレーにしようかと工夫してやってきたのに対し、今度はどんな料理を出してもいいという「創作料理のレストラン」でやっていこうというわけです(笑)。
「PROJECT R.E.D.」第1弾に『超宇宙刑事ギャバン インフィニティ』というタイトルを持ってきたのにも、理由があります。新しく看板をかけ直すにあたって、まったく聞いたことのないタイトルで行くより、往年の人気ヒーロー『宇宙刑事ギャバン』の名前を出したほうが、より多くの人々に伝わりやすくなるんじゃないかという発想です。
もちろん『ギャバン』の看板を背負うプレッシャーはありますが、かつての『ギャバン』を知る人たちには「あのギャバンをやるのか」と期待していただけるし、今を生きる子どもたちにはとても魅力的な、新しいヒーローとして受け入れてもらえるのでは……と考え、試行錯誤を重ねて形になっていきました。
三段変形! DXギャバリオントリガー
『超宇宙刑事ギャバン インフィニティ』の主力商品が「DXギャバリオントリガー」です。「スーパー戦隊」のメカや巨大ロボは、派手なカラーリングを意識して採り入れていましたが、こちらはほぼシルバーとブラックで構成された、非常にクラシカルな色構成となりました。
「ギャバリオントリガー」は怜慈たちがコンバットスーツを「蒸着」する際に使用する銃で、従来の「なりきりアイテム」にあたります。今回、変身武器モード「ギャバリオントリガー」から宇宙船「コスモギャバリオン」、ロボ「コスモギャバリオン GC-R(ジーシーアール)」に三段変形するのが特徴です。
これは前作『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー』(2025年)の「DXテガソード」で「なりきり(変身)アイテム」と「巨大ロボ」をひとつにしたことが好評だったため、同じ路線を継承したものです。もともと「スーパー戦隊」では「なりきりアイテム」と「巨大ロボ」の2本柱で商品開発をしていましたが、テガソードではその2つを一体化してしまおうと発想したのです。
DXギャバリオントリガーのプレイバリュー
変形・合体ギミックのついた巨大ロボ商品については、そこにもうひとつ「遊び」の要素を加えるというのがセオリーです。「DXテガソード」では「手」がモチーフなので子どもたちに「拍手」遊びをしてもらうべく、タンバリンのような音声ギミックを仕込みました。「光る・鳴る」だけでなく、もうひとつギミックを加えることで、子どもたちが飽きずに何度でも遊んでくれる商品を目指していました。
「銃」であるギャバリオントリガーについては、エモルギアを装填してトリガーを引くと光と音を発するのですが、そこにもうひとつ「遊び」を加えたい。そこで『宇宙刑事ギャバン』を研究したところ「蒸着プロセスをもう一度見てみよう」というナレーションが変身時に毎回出て来ることに着目しました。
子どもたちはギャバリオントリガーで遊ぶ際、テレビと同じようにナレーションで「蒸着プロセス」をプレイバックしてもらえれば、より「なりきり」感が出るのではないか。そこから商品の音声ギミックとして、声優の川澄綾子さんによるナレーションを入れることに決めました。蒸着プロセスのナレーションこそ、本商品の一番のなりきりポイントだと思います。
武器から宇宙船、そしてロボへ変形
各世界のギャバンたちが用いるギャバリオントリガーと同じ形状をした、巨大宇宙船が「コスモギャバリオン」、そして巨大ロボ形態が「コスモギャバリオン GC-R」です。
コスモギャバリオンにサポートメカがドッキング
また、宇宙船(コスモギャバリオン)の遊びとして、楽しいのはどんなことだろうと考えて、サポートメカが船の先端に「ドッキング」するアイデアが生まれました。
「DXギャバリオンドリル」「DXギャバリオンクレーン」「DXギャバリオンセイバー」「DXギャバリオンレーザー」のDXメカシリーズ4商品は、それぞれコスモギャバリオンの先端にドッキングして強化形態になるほか、「コスモギャバリオンGC-R」の右腕にドッキングし、付属のエモルギアを頭部に換装して別形態になることができます。
こだわったポイントとしては、メカがドッキングした状態のまま、ロボに変形できるところです。コスモギャバリオンがシルバーとブラックでシンプルな分、ドッキングするメカのカラーによって印象が変わり、インパクトを強める役割を果たしています。
また、それぞれのメカにエモルギアをセットすると、ギャバリオンセイバーなら剣先が延び、ギャバリオンドリルならドリルが前後に移動、ギャバリオンクレーンならリールで紐を巻き取り、ギャバリオンレーザーならパネルが回転と、ギミックにも凝っています。
ひとつのメカで宇宙船のドッキングパーツになり、巨大ロボの腕パーツになり、さらにはなりきりの手持ち武器になるという、こちらもプレイバリューの高いアイテムといえるでしょう。
お尻までこだわったエモルギア
怒りや悲しみ、喜びといった「感情」=エモルギーが込められたミニアイテムが「エモルギア」です。
こちらはギャバリオントリガーにエネルギーを充填する「電池」というのが当初のコンセプトでした。「感情」が込められているというコンセプトは、東映プロデューサーの久慈さんからのアイディアが大きかったですね。それぞれの地球で活躍するギャバンの装備やメカはクールでカッコよく……でいいのですが、そこに子どもたちのためになることを入れたい、という思いがあり、エモルギアのマンガチックなイラストに落とし込まれました。
電池型アイテムのカッコよさとのバランスをとるため、愛される部分として、エモルギアの背面には「お尻」がデザインされています。このお尻はエモルギアでかなりこだわった部分です(笑)。
DXギャバリオンブレード
「DXギャバリオンブレード」は、『宇宙刑事ギャバン』の必殺武器・レーザーブレードをイメージして刀身が発光します。LED4灯を内蔵しており、トリガーを押すと刀身が光り、斬撃の音声ギミックも発動します。
また、ギャバリオンブレードの鍔の部分は「銀河連邦警察手帳」で、取り外して遊ぶことができます。ギャバン・インフィニティ、ギャバン・ブシドー、ギャバン・ルミナスのライセンスカードが付属しているので、差し替えることで、3人の宇宙刑事としてのなりきり遊びも。
TOKUSATSU ACTION FIGURE
「TOKUSATSU ACTION FIGURE」は全身30ヶ所以上の可動部分があるアクションフィギュアです。『ゴジュウジャー』をはじめ「スーパー戦隊」で展開していた「アクションヒーロー」を継承したシリーズで、キャラクターのポージングがカッコよく決まるうえに、それぞれのプロポーションにもこだわっています。
バンダイスピリッツが手掛ける大人向け可動フィギュア「S.H.Figuarts」と大きく異なる点は、こちらは対象年齢が3歳以上と、幼い子どもたちも遊べるアイテムとして「手首」などの交換パーツを一切付属させていないこと。細かなパーツがあると、遊んでいるうちに失くしてしまうので……。
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左から、「TOKUSATSU ACTION FIGURE ギャバン・ブシドー」「TOKUSATSU ACTION FIGURE ギャバン・インフィニティ」「TOKUSATSU ACTION FIGURE ギャバン・ライヤ」「TOKUSATSU ACTION FIGURE ギャバン・ルミナス」
プラデラNEO コスモギャバリオンGC-R
ミニ組み立てプラキットシリーズ「プラデラNEO コスモギャバリオンGC-R」は、誰でも簡単に組み立てて遊ぶことができる、一部彩色済みの組み立てキットです。
テレビで放送をご覧になり、コスモギャバリオンやギャバリオントリガーを好きになってくださった方が、比較的安価で手に入る商品を試行錯誤した結果、プラモデルという形になりました。「DXギャバリオントリガー」と違い光ったり鳴ったりはしませんが、3段変形ができる上に、DXにはないヒジ、ヒザの関節の可動もあります。エントリー商品として親しんでもらいたいですね。
今後の『超宇宙刑事ギャバン インフィニティ』商品展開は?
先日ついに、ドラゴン型の支援メカ「ギャバリオンドルネード」、そして「エクスプレスギャバリオン」が発売となりました! 今後も、わくわくするような商品展開を予定しておりますので、是非ご期待ください!
私も含めて企画・開発スタッフ全員、特撮ヒーローが大好きなので、引き続き楽しい商品を生み出していきたいと思っています!
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